ぜひ見ておきたい「学ぶこと」の本質を映し出す教育映画2作品

新学習指導要領で標榜されている「主体的・対話的で深い学び」。茫洋としたこの教育観に、不安や心もとなさを感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここで改めて、教育の本質とは何なのか?を考えるよい機会となる映画上映イベントを紹介します。教師の力量をどう高めるか、たくさんのヒントが散りばめられたこのイベントで、夏休みの1日に「教育とはなにか」について向き合ってみてはいかがでしょうか。
目次
2人の教育プロフェッショナルの授業を切り出す2つの映画
2019年8月3日(土)、神奈川県相模原市にて、教育実践研究家 菊池省三先生をゲストに迎え、菊池先生の講演と教育映画を上映します。映画は、菊池先生の教師生活最後の一年間を追った教育ドキュメンタリー『ニッポンの教育 挑む(第二部)』(2016年)と、教育哲学の第一人者といわれた林竹二先生の授業記録『林竹二の授業 ビーバー』(1977年)の2本です。
菊池省三先生は、『教育技術』でも長期にわたり連載執筆していただいており、ご存じの方も多いと思います。北九州で長年の小学校教員を経て、高知県いの町に教育特使として迎えられ、「いの町 菊池学園」を開校。子どもたち同士のつながりが生まれる「ほめ言葉のシャワー」や、教師と子どもたちがより深くつながっていく「成長ノート」など、独自の実践をもとに、現在も教育改革に挑み続けています。
映画1『ニッポンの教育 挑む(第二部)』
今回、上映される『ニッポンの教育 挑む(第二部)』は、2016年に制作され、伊野小学校を舞台とし、菊池先生と子どもたちの一年間を追った教育現場のドキュメンタリーです。

映画の中で象徴的に描かれているのが、“気になる子”である、男の子。 登場場面では、教室で覇気を失ったかのように倒れ込み、授業に拒否反応を示していました。あの手この手を使って教師たちは、彼を席につかせようとしますが、うまくいきません。映画が進むにつれ、彼は菊池先生の授業に興味を持ちはじめ、どんどん夢中になっていきます・・・。

はたして菊池先生はどのような指導で、子どもたちを授業に夢中にさせたのでしょう。いの町の優美な自然と、菊池先生の気迫、心や表情の変化を見せる子どもたち。観る人の胸に強く響くことでしょう。
菊池省三先生のコメント
「これからの時代を生きる子どもたちに必要は力とは何か? 教師や親、私たち大人に突き詰められた問題です。この映画を明日の教育を考えるきっかけにしてもらえれば、と強く願っています。」