子どもたちが楽しく取り組める、なぞなぞをつかった自由課題
秘密の宝を探し出したり、謎の暗号文を解読したりするのが子どもたちは大好き。それらを自分で実際に作ってみる活動は、解く以上に楽しいことです。雨の日の休み時間も楽しめる課題のアイディアを、神奈川県三浦市教育委員会教育研究所指導主事(所属は当時)の鈴木夏來さんにうかがいました。
目次
なぞなぞメッセージ
日付、今日の天気欄。「あめ」と書く代わりに「飴」の絵を描いたことはありますか? それだけでユーモアがあって、楽しい教室になりますよね。的と烏(カラス)の絵を描いて、そこに濁点を付けてみましょう。「窓ガラス」です。
文字や単語の代わりに絵を描くことを「絵文字」と呼んでいます。絵文字を混ぜて今度は、文章を描いてみましょう。「なぞなぞメッセージ」のできあがりです。「宝の地図」「ふしぎな手紙」「秘密の暗号文」などとネーミングしてもよいでしょう。自由度の高い課題です。生活科(スタート・カリキュラム)や国語、図工などの空き時間に行うことができます。
用意するもの
・白い紙、自由帳、連絡帳など
指導例
最初は子どもたちもイメージが湧かないので、教師が一度、見本を示す必要があります。例えば黒板に次のような絵を描いて、子どもたちに解読してもらいましょう。
絵文字作成の小ワザ
絵文字の表し方も適宜教えます。
◎よく使う絵文字
- 「~が」(蛾)
- 「~ですね」(脛)
- 「~だぞう」(象)
- 「~してください」(犀)
- 「~でした」(舌)
- 「~します」(枡)
◎同音異義
・花 → 鼻 ・帰る → 蛙 ・8 → 蜂
◎濁点・半濁点
絵に「゛」「゜」を付けて読む。
・カッコウ + 「゛」 → 学校
・判子 + 「゜」 → パン粉
◎たし算・ひき算
ある絵に文字を足したり引いたりして表現する。
・ミミズ引く「み」 → 水
◎逆さ
・メカ(機械) → 逆立ちする亀
絵文字を使ったメッセージの留意点とは
誰かを傷つけたり、不快にさせたりするようなメッセージは絶対に書かない(描かない)よう指導しましょう。1・2年生の描く場合は、判読が難しいかもしれません。読み方を裏面に書かせるなどするとよいでしょう。
絵で伝える難しさと楽しさ
「面白いことを描きたい」
「お友達に読んでもらいたい」
子どもたちは、そんなことを考えています。面白いネタを考えるには頭を使いますし、絵を描くには図鑑等が必要かもしれません。時間もかかります。しかしそれだけに、ちょっとした空き時間の課題にはぴったりです。文字だけではなく、絵でも思いを伝えることができるということ。その楽しさを味わわせたいものです。
イラスト/宇和島太郎
『小一教育技術』2017年6月号より