教師の働き方改革と子供の学習改善につながる”これからの学習評価”とは

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平成31年3月29日に文部科学省から、これからの評価に対する考え方を示した通知が出されました(小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について〔通知〕)。ここでは、一人ひとりの学びに着目した評価の方法について考えていきます。

執筆/福岡県公立小学校教諭・伊澤直美

子供一人ひとりの学びにつなぐ、これからの学習評価

学習評価の基本的な考え方

カリキュラム・マネジメントの一環としての指導と評価

「カリキュラム・マネジメント」は、いくつかの教科等を組み合わせたり、人材を活用したりして、各学校の教育目標を具体化するものです。その評価は、子供たちの学習状況からも判断することになるので、子供たちに育成する資質・能力を明確にする必要があります。

PDCA

「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善と評価

「主体的・対話的で深い学び」は、学習指導要領で求められる授業の観点です。この視点からの評価をいっそう重視することが大切です。そのために、授業の中で子供の学びを振り返り、学習や指導の改善に生かしていくというサイクルが大切になってきます。

これまでの評価に見られた課題

次のような課題で、当てはまるものはありませんか。

  • 学期末や学年末の結果だけで評価することが多く、評価が子供たちの学習改善につながっていない。
  • 関心・意欲・態度の評価が、挙手の回数や毎時間ノートをとっているかなど、その子の性格や行動面が表出された場面で行うものという誤解がまだある。
  • 教師によって評価の方針が異なっているので、学習改善につながりにくい。
  • 評価のための記録に労力が割かれ、指導に注力できない。

働き方改革の課題から見た学習評価の改善

  1. 児童生徒の学習改善につながるようにする。
  2. 教師の指導改善につながるようにする。
  3. これまで行われてきたことでも、必要性や妥当性がなければ積極的に見直す。

評価の観点は3つに整理「学びに向かう力、人間性等」は2つに分けて評価

評価の観点・評定・個人内評価

一人ひとりの学びに着目した評価の方法

評価規準や評価方法については、事前に教師同士で検討して、明確にしておくことが大切です。

知識・技能

  • ペーパーテスト
    ・事実的な知識の習得を問う問題
    ・知識の概念的な理解を問う問題
  • 文章による説明
  • 観察、実験、式やグラフで表現するなど、実際に知識や技能を用いる場面
実験の様子
発表の様子

思考・判断・表現

  • レポートの作成
  • 学んだことの発表
  • グループや学級における話合い
  • 作品の制作や表現
  • ポートフォリオの活用
二人で話し合う様子

主体的に学習に取り組む態度

  • ノートやレポート等における記述
  • 授業中の発言
  • 教師による行動観察
  • 子供の自己評価、相互評価

「主体的に学習に取り組む態度」は、次の2つの側面から評価することが求められています。

  1. 自らの学習を調整しようとする側面
  2. 粘り強い取組を行おうとする側面

子供のこのような姿は、相互に関わり合いながら表れてくると考えられます。次のような手立てを心がけましょう。

  • 子供が、自分の理解の状況を振り返ることができるような発問や、ワークシートの工夫
  • 子供が、自分の考えを記述したり、話し合ったりする場面や、話し合ったことから自分の考えを見直す場面の設定
グループでの話合いの様子

今日の学習を振り返って
○わかったこと
○もっとしりたいこと
○次の学習でしたいこと

観点別学習状況の評価の記録については、原則として、単元や題材などの内容や時間のまとまりごとに場面を精選して、3つの観点の評価を行います。

コミュニケーションとしての評価

日々の授業の中で、子供の学習状況を次の3つから把握して指導の改善に生かしていきましょう。

①教師とのコミュニケーションの様子から

  • 学習の進め方を適切にアドバイスする
学習の進め方を適切にアドバイスする

②子供同士のコミュニケーションの様子から

  • ペアの話合いの様子から、理解状況を把握する
ペアの話合いの様子から、理解状況を把握する

③話し合ったり、書いたりするコミュニケーションの全体から

  • 子供のワークシートの記入状況から教師自身の発問や指導を見直す
子供のワークシートの記入状況から教師自身の発問や指導を見直す

イラスト/種田瑞子

『教育技術 小五小六』2020年6月号より

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