教員の相性と学年配置の事情【現場教師を悩ますもの】

「教師を支える会」を主宰する“現場教師の作戦参謀”こと諸富祥彦先生による人気連載です。教育現場の実状を説くとともに、現場教師の悩みやつらさを解決するヒントを、実例に即しつつ語っていただきます。
前回に引き続き今回も、実際に当コーナーに寄せられた現役教師の声に諸富先生が回答します。
目次
【今回の悩み】学年配置で教員の相性を重視しすぎている
私の勤務校では、最近、目に見えて教員の相性によって学年を組むようになっています。その度が過ぎていて、いかがなものかと思います。
教員も対人関係のスキルを身につける必要を感じています。それについて、どう思われますか。
(公立小学校教諭・30代、教職年数:13年)
望ましい本来の編成とは違う現実
ご相談の先生が指摘されるように、教員の相性によって学年を編成することはよくあることです。
例えば、「A先生とB先生は関係がいいから同じ学年にする」、あるいは「C先生とD先生はお互いに張り合う気持ちが強く、学年でまとまって何かをやらなければいけないときに弊害があるから違う学年にする」といったことが、学校では行われています。
本来は、「この先生は高学年に向いている」とか、「今年の中学年は難しい子供が多いから学級経営の上手な先生にしよう」とか、子供を中心に据えて担任を決めていくのが基本です。ですから、相談者がおっしゃることは非常にごもっともなことなのです。責任感が強い先生ならではのご質問だと思います。
さて、どう考えたらいいのかということです。私は「教師を支える会」という教員の先生方の悩みをサポートする活動を1999年から続けています。今年でもう22年目に入りました。その活動で最も多いのは、教員同士の人間関係に関する相談です。