小3国語「きつつきの商売」指導アイデア
教材名:「きつつきの商売」(光村図書 三年上)
指導事項:〔知識及び技能〕(1)ク
〔思考力、判断力、表現力等〕C (1)イ
言語活動:(2)
執筆/福岡県公立小学校指導教諭・副島康平
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、福岡県公立小学校校長・城戸祥次
目次
単元で付けたい資質・能力
①身に付けたい資質・能力
登場人物の行動や気持ちなどについて、叙述を基に捉え、音読する力を育成します。
②言語活動とその特徴
本単元には「音読を通して物語を読んで、内容を説明したり、考えたことなどを伝え合ったりする」という言語活動を位置付けます。
読んで想像したことを伝え合うためには、登場人物の気持ちを行動や会話、地の文などの叙述を基に捉える力が必要です。その際、物語全体を見通して複数の叙述を結び付けることになります。
また、音読には文字言語の読み方を正確明瞭にし、文章の意味内容の把握が的確なものになるという効果があります。ここでは音読で物語を読むことにより内容の理解を深めます。
そして内容を説明したり考えたことを話し合ったりする言語活動を通して、登場人物の行動や気持ちなどについて叙述を基に捉える力の育成を図るようにします。
単元の展開(8時間扱い)
主な学習活動
第一次(1時)
①これまでに学習してきた物語や詩の読み方をふり返って確かめ、「きつつきの商売」を読んで単元を設定し、学習計画を立てる。
→アイデア1 主体的な学び
【単元】物語を読んで、そうぞうしたことをつたえ合おう
第二次(2~7時)
②③二つの場面を比べて、登場人物の行動や書かれている場面の様子の違いを想像しながら音読する。
→アイデア2 対話的な学び
④⑤おとやの音を聞いた動物たちの気持ちについて、叙述を基に想像して話し合う。
→アイデア3 深い学び
⑥「きつつきの商売」には書かれていない「3」の場面の、登場人物や天気・場所・音や出来事などの設定を考え、お話をつくる。
⑦⑥で考えた「3」の場面のお話を紹介し合い、感想を伝え合う。
第三次(8時)
⑧単元をふり返って学習をまとめる。
アイデア1 関心を高め、明確な目的をもたせる
子供たちはこれまで物語や詩について、周りの様子や登場人物の言動、その理由などについて想像する読み方を学習してきています。それらの読み方や読む楽しさを、教科書の「国語の学びを見わたそう」を見ながら確認します。
そのうえで教材文「きつつきの商売」と出合わせ、初発の感想の共有から「どうして数字で分かれているのかな(場面が)」「野うさぎは黙って聞いているとき、どんな気持ちだったのかな」などの問いを子供たちと一緒につくることで、これまで経験したことがない読み方である「場面の様子や人物の気持ちの想像」に子供の意識が向くようにします。
その際、前単元「詩を楽しもう」から音読に親しむ活動を仕組んでおくことが、本単元でも引き続き、音読に関心をもって取り組むことができるようにするために有効です。
▼音読に親しむための活動
アイデア2 対話を通して理解を深める
文章に書かれた内容を視覚的に分かりやすくするために、「じょうほう 考えるときにつかおう 分ける・くらべる」を活用し、「1」「2」場面を分けたり観点ごとに表に整理したりして比べる活動を仕組みします。
▼場面を整理する表
イラスト/横井智美
『教育技術 小三小四』2020年4/5月号より