小6外国語:スピーチアクティビティの支援のポイント

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英語授業Q&A特集:教科書編集委員が指導法やポイントを解説!

神奈川県公立小学校教諭

長沼久美子

小学校外国語科検定教科書の編集委員でもある神奈川県公立小学校の長沼久美子先生による好評連載! 今回は、英語でスピーチをするアクティビティの支援のポイントについて教えていただきました。

執筆/神奈川県公立小学校教諭・長沼久美子

小6外国語:スピーチアクティビティの支援のポイント
写真AC

Q1 小学校の思い出を発表するアクティビティで、思考・判断を促すための支援のポイントは何でしょうか。

(光村図書『Here We Go!6』P.86・87)

A.手本となる音声をしっかりと聞く機会を設けることで、気付きを促して、自分の原稿作りに活かせるようにしましょう。

外国の友達が話す小学校の思い出スピーチを音声で聞いた後、自らの小学校の思い出のスピーチ原稿を作り、発表するアクティビティです。

これは、体育の跳び箱の授業で「見本を見てからまねてやってみる」といった学習の流れに似ています。

どのようなフレーズを使ってどのような順でスピーチをしているのか、手本となる音声に耳を傾ける中から、気付きが生まれるような支援をすることがポイントになります。

どんな音が聞き取れたかな?
どんな話だったかな?
聞いたことのあるフレーズはあったかな?

などと声かけをして、どこに着目して聞くとよいのか、気付きを促します。

気付きがあること、それは、思考・判断しているということです。お手本としての音声を、思考しながら聞き、その「気付き」を自らのスピーチ作りにも活かしていけるようにします。

そのためには、教師が気付きが生まれるような声かけをしながら、しっかりと聞く機会を設けることが大切です。

Q2 世界とのつながりを紹介するアクティビティでは、思考力・判断力・表現力の育成に向けてどのような手立てが必要ですか。

(東京書籍『New Horizon Elementary6』P.61)

A.既習事項の振り返りを促して、思考・表現する時間を保障しましょう。

6年生の後半のこの時期、子どもたちはどのくらい、英語を使うことができるようになっているでしょうか。

もし、既習事項を振り返りながら、自ら進んでスピーチ原稿を作ることができない子どもが多いのであれば、授業の改善が必要かもしれません。それは、これまでの学習で、思考・判断する機会が少なかった可能性があるからです。

さて、スピーチ原稿を作る段階において、アドバイスを要する子どもには、必要に応じて、スピーチのために使える言い方を教えたり、既習事項の振り返りを促したりする指導が大切です。

同時に、主体的な学びとして、子どもが自分でしっかり考え、原稿を作っていけるようなサポートも意識してみてください。

どこまで進んでいるのか、常に教師が把握をして、必要なアドバイスを送りましょう。

○○してみたらどうかな。
○○という言い方もあります。
○○のところは違っているよ。正しくは○○と書きますよ。

このように、適宜、子どもに伝えていきます。

授業時間内には、机間指導をしながら伝え、授業後は、集めておいた原稿案に付箋などで必要なコメントを書き入れたりしてメッセージを残します。

「こういうパターンで言えばいいんだよ」と、形式を提示してしまうことは簡単ですが、ぐっとこらえましょう。型の提示は、最終手段です。

一人ひとりの原稿に目を向けるのは大変かもしれませんが、ぜひ、意識してみてください。

Q3 「6年間の思い出を友達に伝えよう」のアクティビティで発表の準備を進める中で、主体的に学習に取り組む態度を評価するポイントはどのようなところでしょうか。

(三省堂『CROWN Jr.6』P.74・75)

A.プレゼンテーション全体をどのように行うのか考える中で、必要な取り組みを適切に進めているかを評価しましょう。

6年生の12月、発表テーマの提示さえあれば、発表準備をどんどんしていく子どもがいます。そのような子どもはおそらく、発表の目的、状況、場面を的確に理解し、見通しをもって準備を進めていることでしょう。

その中で、教師にアドバイスを求める子どももいれば、何も聞かずに進めていく子どももいると思います。

どちらにせよ、やるべきことを思考・判断し、発表内容については過不足があれば自ら調整するなどして、みんなに伝える発表まで学びを進めていける子、つまり、自らを客観的に捉えて進めることができている子どもが、主体的に学習に取り組んでいると言えます。

1つの動作や発言だけで評価するのではなく、全体を通して見てあげてください。

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長沼久美子先生プロフィールイラスト

長沼久美子
神奈川県公立小学校教諭。小学校英語教科書CROWN Jr. 編集委員。
(イラスト/本山浩子)

イラスト/横井智美

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