小3・4外国語活動:お話を聞くアクティビティのポイント

連載
英語授業Q&A特集:教科書編集委員が指導法やポイントを解説!

神奈川県公立小学校教諭

長沼久美子

小学校外国語科検定教科書の編集委員でもある神奈川県公立小学校の長沼久美子先生の好評連載! 今回は、お話を聞くアクティビティのポイントを教えていただきました。

執筆/神奈川県公立小学校教諭・長沼久美子

英語
イラストAC

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Q1 Who are you? のお話を聞く学習の中における主体的な学びとはどのような姿で見取れるでしょうか。

(3年『レッツトライ1』P.34~40)

A.Who are you?のフレーズや挿絵からどんな話なのかを想像しながら内容をつかもうとしている姿は、主体的な学びの姿の一つといえます。

Unit9は、短い話を聞いて、およその内容がわかる体験をすることがねらいです。

このとき、主体的に話を聞く姿として、一生懸命に耳を傾けているだけではなく、「考えながら聞いているという姿勢」に目を向けてみてください。

考えながら聞いている姿勢は、なかなか表出せず見取ることは難しいですが、つぶやきやメモなどから見取ることができます。

例えば、

この話は、動物が出てくるみたい

かくれんぼしているのかな?

とつぶやいたり、

○○だよね

そうだよね

と友達同士で確認し合ったりしている姿です。

かくれているのかもしれない

だれがかくれているのだろう

と、その後の展開を想像したり、見通しをもったりして聞いているなどの姿で見ることができます。また、メモを取りながら聞いている子もいるかもしれません。それらを見ることでも見取ることはできます。

また、多少わからないところはあっても、思考・判断しながら、話を粘り強く聞く姿も主体的な学びでは大切になります。

教師は、子どもたちの主体的な学びの姿を見取るために、

どのような話だと思う?

と尋ねてみたり、

この後どうなっていくと思うかな

と話の展開を想像させたりします。そして、子どもたちの反応に気を配ったり、子どものつぶやきに耳を傾けたりすることを意識しましょう。

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Q2 This is my day. の短いお話を聞く学習で主体的な学びを促すためには、どのような手立てが大切ですか?

(4年『レッツトライ2』P.34~40)

A.フレーズや挿絵からどのような話なのかを推測する時間や、話を聞きながら自分で考えられる時間を設けましょう。

レッツトライ2のUnit9も、レッツトライ1と同じく、学年最後の単元として、短いまとまりのある話を聞いておおよその内容をつかむことがねらいです。

主体的な学びとして、粘り強く耳を傾けているだけではなく、考え推測しながら聞く姿をイメージしてください。

例えば、This is my day.のフレーズや挿絵から、どのような話なのかを考えながら聞いている姿です。

挿絵を見ながら、

自分のこと言っているみたい

一日にすることを話しているんだ

などとつぶやいている子どもを見つけたらチャンス。つぶやきは思考が口から出ている状態なので見取りやすいのです。

しかし、つぶやかない子ももちろんいるので、そのような子たちには、気が付いたことを簡単にメモするようすすめるなどすると、後から見取ることもできるでしょう。

子どもたちが理解していない様子を見ると、小学校教師としては、手取り足取り教えたくなり、和訳を知らせてすっきりさせたくなりますが、内容を和訳で伝えてはだめです。思考しながら学習する時間を奪わないよう、ぐっとこらえてください。

子どもたちが自分で思考できるような時間を保障することが大切です。児童が話を聞き、聴解している時、また、こちらから発問をした直後などは、和訳はせず、間を取り、考えさせるようにしましょう。ちょっとしたことですが、聴解に時間を要する場合は大事なことです。

例えば、

This is my day.って、なんだろうね。どんなお話かなぁ

と、子どもに投げかけた時、子どもが教科書の挿絵などを見て考え始めます。次々に発問したくなりますが、少し待ってみてください。

挿絵から、わかりそうかな?

と、問いかけて、子どもが考え始めるのを待ちましょう。

主体的な学びを支援するためには、子ども自身が思考・判断する時間が欠かせません。ぜひ、子どもの様子に注目しながら、「待つ」という支援を意識してみてください。

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長沼久美子先生プロフィールイラスト

長沼久美子
神奈川県公立小学校教諭。小学校英語教科書CROWN Jr. 編集委員。『[動画でわかる]英語授業ハンドブック〈小学校編〉』(大修館書店)共著。
(イラスト/本山浩子)

イラスト/横井智美

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