娘と会話できない父親必読!娘とコミュニケーションできる方法

特集
小学生「思春期」のトリセツー高学年対応に自信が持てる!ー

株式会社 感性リサーチ代表取締役

黒川伊保子

『妻のトリセツ』『家族のトリセツ』など、家族の関係性を脳科学と人工知能研究の視点からひも解く、話題の『トリセツ』シリーズに、新刊『娘のトリセツ』が登場しました。著者で、感性リサーチ代表取締役社長、人工知能研究者の黒川伊保子さんに、父親と娘のコミュニケーションについて伺いました。高学年女子児童とのコミュニケーションにも生かせる話題が、教師にも参考になりそうです。

黒川伊保子
黒川伊保子さん

問題解決型の対話は、娘に嫌がられる

―本書の中で、女性が「心の対話」を求め、男性が「問題解決の対話」を求めるという会話の手法の違いが印象的でした。なぜ男性は問題解決の対話に偏りがちなのでしょうか?

黒川 何万年も男性が狩りをしてきたからでしょう。荒野で狩りをするとき、即座に問題解決をし、成果をあげなければ子孫が増やせません。ですから、男性の会話は課題を見つけること、つまり、相手の弱点を見つけることから始まります。

例えば、女子が「今夜はカルボナーラにしない?」と言うと、男子は「あれは胃にもたれるだろ」というところから始めます。相手が「バターを使わなければ大丈夫よ」と言えば、「じゃあ、それにしようか」となります。このように課題をつぶしていく会話が、男子は気持ちよいのです。

しかし、女子は自分の提案を全否定されたように感じてしまいます。女子の対話は、否定するのではなく、「おろしそばもありだよね」など、お互いに食べたいものを提案し合うことを求めます。このように男女では、お互いに気持ちよいと思う対話の流れが違うので、気を付けなくてはいけません。しかし、話法の違いを知っていれば楽ですよね。

対話に必要な「会話の呼び水」とは

―父親が娘と対話するときのポイントは?

黒川 気を付けたいのは、問題解決型で話をしようとしないことです。5W1Hなど、問題解決型の対話は、相手の脳や気持ちを尖らせ、ぎすぎすしてしまいます。

また多くの親は、娘が感情を吐露した時、アドバイスや、説教をしてしまいます。しかし、まずは共感することが大切です。例えば、娘が「こんなに宿題があったら夏休みは遊べない」と愚痴をこぼしたら「宿題をこなすのが学生の本分だろう」などと言わずに、「父さんも宿題にはうんざりしていたんだ」と返すなど、まずは共感から入ることです。

―そもそも娘が話をしてくれなくなった場合には?

黒川 会話の断絶が続いたらスルーされる回数は多くても、声をかけ続けましょう。話す内容は、「会社の若い女の子にこう言ったら腹を立てられて、お父さん傷ついたよ」など、自分に起こった身近なことでよいのです。「会話の呼び水」を投入するのです。初めはスルーされるかもしれませんが、そのうち「お父さん、もっと口のきき方を気を付けなよ」などと言ってくれるかもしれません。「お母さんの誕生日プレゼント何がいいと思う?」「最近面白い映画ある?」など、娘が知っていることを相談するのもよいと思います。

―先生方に口の達者な女子の扱いに対するアドバイスはありますか?

黒川 女子は、4歳ころには自我が育つので、男子に比べ、口が達者ですよね。そのわりに行動が未熟なので腹が立つこともあるでしょう。しかし女子の脳は、わかったようなことを言っても、脳の駆動部はまだ成長段階なので、そこは勘案してあげてほしいですね。生意気な口調にのせられ、怒りをエスカレートさせないようにしたいものです。

黒川伊保子

黒川伊保子(くろかわいほこ)株式会社感性リサーチ代表取締役社長、人工知能研究者、随筆家

黒川伊保子さんの本

小学館新書「娘のトリセツ」

取材/大和信治(EDUPEDIA) 撮影/編集部 まとめ/出浦文絵

※この関連記事は、先生のための教育事典『EDUPEDIA』でも配信します。あわせてお読みください。

『教育技術』2020年11月号より

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