教員向けオンラインサロンのつくり方と運営の仕方【新型コロナ対策】
外出自粛が求められている今、オンラインツールを使用した働き方への注目度が高まっています。ここでは、教員向けオンラインサロンを運営している樋口万太郎先生に、サロン運営の実際とアイデアについて解説していただきました。
休校中に教師同士の学びの機会を持ちたいと思っている方、必見です!
執筆/京都教育大学附属桃山小学校教諭 樋口万太郎
目次
オンラインサロンをつくることになったきっかけ
私は現在、教育オンラインサロン「Math Labo!」をつくり、運営しています。
オンラインサロンについては、ここ最近、著名人の方々がそれを行っていることに影響を受け、興味を持っていました。
この「Math Labo!」は元々、
「大阪・京都で年数回の学習会というオフラインでの活動」
「Facebookの非公開のグループで実践のやりとりなどを行うオンラインでの活動」
の2本柱で活動を行っていました。
しかし、学習会を実施にするにあたり、
参加したいが、場所が遠かったりする
参加したいが、子育てのため時間がない
参加したいが、学校行事がある
などといった、それぞれの参加できない理由がありました。
そこで、こういった「参加できない理由」を少しでも解消することができるのが、オンラインサロンではないかと考えたのです。
私は算数を研究しているため、基本的には「算数」を軸に様々な話ができればよいなと考えました。
そこで教育オンラインサロン「Math Labo!」を実施するにあたり、次の5本の柱で運営していく方針にしました。
①LINEグループの活用
- ノート機能を使って、自己紹介、質問などを受け付ける。
- 質問についてはみんなでアドバイス。算数以外もOK。
②毎週水・金に私がLINEのノート機能で記事を投稿する
③Web会議を月数回・金曜日に行う
〔テーマ〕
「算数」「教育全般」「あなたの研究授業について考えます」「LINEグループで書かれた質問」「誰かと対談」など
④Web会議の様子はYoutubeに限定公開でアップ
オンラインサロン会員はいつでも見ることができるようにします。動画は学習会、校内研修会でも使ってもらうことができるようにします。
⑤不定期で、私が考えていることなどをYoutubeにアップ
ただ、このように考えたものの、この時点での私はWeb会議については未体験でした。
そこで、相談したのが、ざるさん(twitterアカウント@rungorungo_)でした。ざるさんは昨年度、私を算数の講師として鹿児島に呼んでくださった方です。
Zoom(Web会議サービス)を使いこなしているという、ざるさんからレクチャーを受けながら、1回目のZoomを行いました。Zoomを使う場合、ざるさんのような経験者に教えてもらえるととても助かります。
Zoomをはじめて行ったとき、想像していたよりも楽しく、時間があっという間に過ぎたように感じました。そして、Zoom体験により、オンライン授業に取り組んでいきたいという気持ちも強くなりました。
Zoomは数あるWeb会議のサービスの中でも、ITの知識がなくても簡単に利用できるサービスとして人気を集めています。しかし、現在、安全面での問題が指摘されています(2020年4月)。利用する際は、最新のバージョンにアップデートする、会議用URLにはパスワードと待機室を用意する、会議用URLをSNSに投稿しないなど、安全を確保した上で利用しましょう。Web会議のサービスにはMicrosoft Teams、ハングアウトmeet、Skypeなど、他にも様々なものがあります。
参加の仕方の例
- 耳だけ(音声のみ)の参加でも構わない。
- チャットでの書き込みで質問もできる。
- 録音、録画もするので、顔出しNGの方がいたら、カメラオフでOKとする。
主催者としての工夫
「オンラインサロンはみんなでつくっていく」というのをコンセプトとしているにしても、責任者が積極的に記事などを投稿していくことで、活性化されていきます。
私は、Web会議のテーマはみなさんからアンケートをとったり、みなさんの興味あることを設定するようにしています。
いかがでしたか? 研究会やセミナーもなかなかできない状況が続いていますが、IT活用のスキルを磨く時期と捉えて前向きにやっていきたいですね。
樋口 万太郎●1983年大阪府生まれ。京都教育大学附属桃山小学校教諭。「子供に力がつくならなんでもいい!」がモットー。教科書「小学校算数」(学校図書)編集委員。近著『子どもの問いからはじまる授業!』(学陽書房)の他、著書多数。
Twitterアカウントは@boseteacher