膝掛け後ろ回り!連続でたくさん回り続けるためには? 【使える知恵満載! ブラッシュアップ 体育授業 #82】


今回は、前回の膝掛け後ろ回りを連続回転にしていきます。膝掛け後ろ回りの連続は、後方へ連続で回転するので、手首の返しや頭を後方に倒す経験を、十分に保障できます。また、連続回転する姿はとてもダイナミックで、仲間から注目され憧れの的となるでしょう。
同じ後ろ回転のダルマ後ろ回りや、膝掛け後ろ回りで培った基礎感覚・技能が土台になります。膝掛け後ろ回りができていることを前提に、連続回転を成功させるためのステップを紹介します。
執筆/筑波大学附属小学校教諭・山崎和人
監修/筑波大学附属小学校教諭
体育授業研鑽会代表
筑波学校体育研究会理事・平川 譲
目次
1.地面に着かないで、膝掛け後ろ回り足し算の2回目を鉄棒の上から回ってみよう
1回転して鉄棒の上まで戻ってきたら、下りずにもう1回転します。
ここで紹介する連続回転の方法を、本稿では足し算と呼ぶことにします。
1回転目は足を地面に着いた状態から回って、鉄棒の上から回る2回転目の前にいったん回転を止めて、鉄棒に腿の裏をのせて止まります。この時、膝をまっすぐ前に向けてバランスをとるのがポイントです。
姿勢を整えて止まることができたら、背筋を伸ばして鉄棒に掛けていない方の脚を前後に振ります。この時に、「いーち、にーの、さん」のかけ声で、仲間が脚の振りのリズムや回転開始のタイミングを助けます。「いーち、にー」で脚を振り、「の」のタイミングで、体を後方斜め上に引いて、膝裏を鉄棒にしっかり掛けます。同時に腕を伸ばして大きく回り出す姿勢をつくります。次の「さん」のタイミングで、前に脚を大きく振ると同時に勢いよく後方に体を倒します。
膝を掛ける時に重心が下がってしまう場合は、教師が腰をつかんで、斜め後ろに持ち上げて、高い姿勢で膝を掛けられるように補助します。
はじめのうちは、勢いのつけ方が分からず、回転の途中で止まってしまうことがあります。そのままだと回転後半に、鉄棒の上に戻るときの肘の曲げや手首の返しを経験できません。連続で回転するために必要な感覚なので、仲間が両側から肩を持ち上げるお手伝いをして、足し算での2回転を経験させましょう。

■2回転目の脚振り
「 い ー ち 」 「 に ー の 」 「さん」
○1回転後の姿勢が悪いときは立て直そう

■教師の補助

■仲間のお手伝い

2.2回転目の脚振り回数を少なくしよう
慣れてきたら、2回転目の前の脚振りの回数を減らしていきます。後方への回転感覚が高まってくると、少ない回数の脚振りでできるようになります。脚振りの回数を減らしてもポイントは同じです。
●鉄棒上では、膝を正面に向ける
●回転する直前の脚の振りを大きく
2回転が成功しない子には,引き続き仲間がお手伝いをします。
連続を意識しすぎて、姿勢を崩したまま2回転目に入ると成功しません。学級全体の様相を見て、上記のポイントを再度確認してもよいでしょう。
