走り高跳びの授業の準備や授業の進め方はどうすればいいですか? 【使える知恵満載! ブラッシュアップ 体育授業 #63】
走り高跳びの授業は、準備や片付けに手間がかかります。身近にある平ゴムを使って簡単手軽に取り組みましょう。
執筆/筑波大学附属小学校教諭・眞榮里耕太
監修/筑波大学附属小学校教諭
体育授業研鑽会代表
筑波学校体育研究会理事・平川譲
目次
1.平ゴムを使って簡単手軽
走り高跳びの授業だからといって本格的な場を設定する必要はありません。
極論を言えば、目標となるものを跳び越え、安全に着地することを身につけることができればどんな場でもかまいません。
本格的な支柱とバーを設置して取り組むのは、手間と費用がかかります。30人前後のクラスであれば、4グループ程度での活動が適当です。支柱とバーで4カ所の場を設定するのは少々大変です。
まずは、太さ10mm程度、長さ4~5mの平ゴムを各グループに用意します。そのゴムを2人で持ってピンと張ります(図1)。
(図1)
張られたゴムをジャンプで跳び越しましょう。高さは膝、太もも、へそにします。はじめは、膝の高さにそろえます。(図2)
(図2)
膝の高さのゴムを長なわ8の字跳びの要領で跳び越えます。左右どちらからも跳べるようにしましょう。(図3)
(図3)
片足で踏み切って両足の裏で確実に着地します。一定の回数跳び越えることができたら高くしていきます。
平ゴムなので高さを自由に素早く変更することができます。また、跳び越すときに引っかかっても、すぐに次の子が跳び越せます。正式なバーや支柱を使うと失敗するたびにバーをかけ直す必要があるので手間がかかります。
引っかかったときの痛みがないので、心理的な怖さがないのも平ゴムの利点です。バーを使うと、「当たったら痛そう」という恐怖心から思い切り踏み切れないことがあります。
2.はじめに上げる脚について考えましょう
8の字跳びで跳び方を練習していると、左右どちらか跳びやすい方が出てきます。上げやすい脚とそうでない脚があります。
また、正面から跳んだ方がいいと思っている子がいます。脚を高く上げるには、どうすればいいか考えさせましょう。
ゆっくりと歩いてゴムを越えるときにどうやって越えるか試させます。脚を高く上げるためには正面からよりもゴムに平行に脚を上げることを理解させます。(図4)
(図4)
ゴムに近い脚を上げることを確認しましょう。このときも足の裏でしっかりと着地することを意識させます。
以上を理解することができたら、徐々に助走の距離を長くして高く跳躍します。へそまでの高さに挑戦できたら、脚を上げやすい得意な方向から跳躍するようにしましょう。
3.支柱を使用する場合
跳躍の高さを数値で判定したい場合には、棒に巻き尺を貼り付けた自作教具や、写真のような教具を使用しましょう。自主製作の場合は、先端に柔らかいカバーをつけるなど安全面には十分配慮しましょう。
小学校の体育授業では、正式なバーや支柱は無理に使用する必要がありません。
イラスト/佐藤雅枝
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執筆
眞榮里 耕太
筑波大学附属小学校教諭
筑波学校体育研究会 理事長
1980年沖縄県那覇市生まれ。日々の体育授業を通して子どもたちが「できる」ことを少しでも増やしていくことを目指して実践中。『写真でわかる 運動と指導のポイント 体つくり』(大修館書店)等
監修
平川譲
筑波大学附属小学校 教諭
体育授業研鑽会 代表
筑波学校体育研究会 理事
1966年千葉県南房総市生まれ。楽しく力がつく、簡単・手軽な体育授業を研究。日本中の教師が簡単・手軽で成果が上がる授業を実践して、日本中の子どもが基礎的な運動技能を獲得して運動好きになるように研究を継続中。『体育授業に大切な3つの力』(東洋館出版社)等、著書多数。