【相談募集中】低学年の運動会種目でバトンパスのリレーは不適切?

特集
先生のための個別相談サービス【みん教相談室】相談&回答一覧

小学校教諭

平川 譲

「低学年の運動会種目で、バトンパスでのリレーは不適切ですか?」という相談が「みん教相談室」に寄せられました。この相談に回答したのは、「ブラッシュアップ 体育授業」の連載をしている筑波大学附属小学校教諭・体育授業研鑽会代表・筑波学校体育研究会理事・平川譲先生。その内容をこちらでシェアします。

写真AC

Q. 低学年でもバトンパスでのリレーは可能ですか?

運動会の種目について考えています。リレーという種目をプログラムに入れました。バトンパスのリレーは小学校3年生からであり、小学校1年生や2年生にリレーのバトンパスをさせるリレーは不適切だという意見があります。ですが、子供たちはやってみたいという気持ちがあり、バトンを渡してもらえるようになるまで練習をしていました。

しかし、「学習指導要領に沿った内容ではないのでやらせるのはおかしい」という意見がありました。運動会の内容は学習指導要領に沿ったものでなければならないのでしょうか。ご教授お願いします。

(真っ赤なトマト先生・60代女性・小中保健体育科担当)

A. 安全に配慮した校内ルールを設ければ、低学年のリレーも可能です

確かに小学校学習指導要領で、リレーが出てくるのは3・4年生からですね。コーナートップや、バトンゾーン内での受け渡しなどを理解できるのが、3年生くらいからという判断でこうなっているものと考えられます。

運動会を体育授業の学習成果の発表と捉えるのであれば、不適切といえるかもしれません。でもそうなると、高学年の種目はハードル走や走り幅跳びなどになるのか……。

一方、学校行事として捉えれば、大きな問題ではないようにも思えます。昔からある借り物競走、障害物競走、ムカデ競走などが、学習指導要領に書かれているわけではありません。これが問題になったという話も聞いたことがありません。

1年生・2年生が理解できる方法を考え、安全に配慮した上で、校内の話合いで決めてよい範疇だと考えます。学校が運動会練習を縮小する方針である場合には、これを考慮する必要もあるでしょう。

実施する場合には、低学年の子どもには筒型のバトンよりも、リング型のバトンの方が、受け渡ししやすく、握って走ってもすっぽ抜けることが少ないのでお薦めします。水泳の授業で使うダイブリングを使ってもいいでしょう。

また、冒頭のコーナートップやバトンゾーンは周回(トラックを回る)リレーでのルールです。一定距離を往復する折り返しリレーであれば、ルールや方法が簡単になるので、子どもが理解しなければならない内容も少なくて済みます。

この回答が参考になれば幸いです。

みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

学校の先生に役立つ情報を毎日配信中!

クリックして最新記事をチェック!
特集
先生のための個別相談サービス【みん教相談室】相談&回答一覧

学級経営の記事一覧

雑誌『教育技術』各誌は刊行終了しました