【相談募集中】何をやってもうまくいかず適応障害に。でも生活もあるし簡単には辞められない

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臨床心理士・公認心理師

大多和二郎

10年間努力してきたけれど何をやってもうまくいかず適応障害になってしまい、自信を失ってしまったという30代の先生から「みん教相談室」に相談が寄せられました。教員をやっていくことに不安を感じているそうです。この相談に、教員向け法定研修でメンタルヘルス研修の講師をされている臨床心理士・公認心理師の大多和二郎先生からアドバイスが届きました。こちらでシェアします。

写真AC

Q.何をやってもうまくいかず適応障害に。でも生活もあるし簡単には辞められない

こんにちは。現在精神疾患により休職中の教員です。私はもともと人前で話すのが苦手(あがり症)、得意なことがない(特に音楽系は大の苦手)、教職員間のコミュニケーションが苦手、等々、本当に教員に向いていないことだらけです。就職してから10年、自分なりには少しでも力が向上するよう勉強し努力したつもりですが、結局何をやってもうまくいかず傷ついてばかりでした。

第一子出産後の育休中ではこの状況を打破しようと、実家に子供を預け、教育書を読んで学級経営の方針をまとめたり、歌の教室に通ったりピアノの練習をしたりもしました。でも、復帰後の学校では元々の不器用な部分を同僚に見透かされ、呆れられたり距離を置かれたりするようになりました。そんなアウェイな状態で重い仕事が重なったこと、相談できる人がいなかったこと、病気が見つかったことなどが原因で適応障害になり、仕事に行けなくなりました。

しばらく休んで、リハビリ出勤をするつもりでいますが、本音ではもう教員の仕事に自信を失っています。また復帰したとしても、同じ結果になると思っているからです。ただ、正直経済的な事情もありますし、簡単に辞められません。技術、能力的に追いついていないと思いますが、子供は好きですし、やりがいを感じることもあります。ただ、自信が全くないです。こんな私でも、教員を続ける資格はあるのでしょうか。うまくまとめられずすみません。ただ、心の声を聞いてほしいと思い、藁にもすがる思いで投稿しました。よろしくお願いします。(あち先生・女性・30代 )

A.自分自身にダメ出しグセが付いていませんか? 今はゆっくり休みましょう

現在適応障害で療養中とのことですが、教員の仕事に自信を失っていて、復帰して教員を続ける資格があるのかという不安を感じていらっしゃるようですね。分かりました。人前で話すのが苦手で、音楽系も苦手、教職員間のコミュニケーションも苦手ということで、苦手意識があったということですが、自分なりに少しでも向上するように努力されながら10年目になるということですね。いろいろ苦手なところを克服する努力をしながら10年間勤めてきたのですね。

得意・不得意とか、うまくできている・できていないというのは、その人の感じ方で基準が変わってきます。その基準を要求水準と言いますが、自分自身や相手に「これくらいはやってほしい」「これくらいはできないと困る」という期待や要求の基準のことを言います。要求水準が高い人は自分や他人に対して高いレベルのことを期待しますから、その期待に添えないと「困る」「だめだね」ということになります。反対に、要求水準が低い人は「それくらいでいいんじゃない」「大体オッケーです」ということになります。

自分に自信がなく、苦手意識をもっていると、周りからの評価が気になります。ですから、職員の自分に対する言葉や表情、態度から「だめだと思われていないかどうか」ということを読み取ろうとします。

要求水準が高い職場だと厳しい評価をされることもあるかもしれませんが、それだけではなく、自分に「うまくできていない」と感じている気持ちが大きいと、否定的な反応を大きく感じてしまって、まわりが自分を駄目だと思っているように感じやすいので気をつけましょう。

やはりいちばん大切なのは、児童・生徒との関係です。「子供は好きです。やりがいを感じることもあります」というように、苦手意識を持ちながらもやりがいを感じる事もできているのですから、自分が思っているより、実際にはできているのかもしれませんね。本当に向いていなかったら10年間続けるのは難しかったと思います。

さらに、自分の要求水準が自分自身に対して厳しいと、いつもストレスを感じることになります。向上心は大切ですが、自分自身にダメ出しグセが付いていないか気をつけましょう。そして、これからも少しずつ向上する努力を続けることは良いことだと思います。「努力をしている姿」は子供たちにも伝わります。それだけでも素晴らしい教育になります。子供を好きでいられること、難しさを感じながらも努力を続けていること、あち先生は素晴らしい先生です。

今はゆっくり休みましょう。復帰したら大好きな子供たちに会えますよ。100%の自信のある人はあまりいません。日々自分なりに工夫しながら「あち先生の教育」をしていってください。


みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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