「書くこと」を目的にする文づくり 【小1国語 京女式書くことの指導】5

連載
吉永幸司の京女式「書くことの指導」
【小1国語】1年生の賢い子を育てる「京女式 書くこと指導」

今回は、文を作る指導です。文を作るときは、口頭作文から始めます。子供の書きたい気持ちをじっくり育てていきましょう。単行本『はじめてのひらがな、カタカナ 1年生担任の京女式国語の教育技術』(小社)を再編集して、1年生の国語の指導ポイントをわかりやすく紹介するシリーズです。

執筆/京都女子大学附属小学校特命副校長・吉永 幸司

文を書く

「文字を覚える」活動に続くのは「文を書く」活動です。これは、文を作る活動つまり、「書くこと」が目的になります。

鉛筆を持って文を書くことは、大人にとって当たり前のことです。しかし、1年生の子供にとっては、広い世界の入り口に立っているような気持ちなのです。だから、大事に、大事に、書きたい気持ちを育ててほしいのです。

最初は、1文です。すぐに、2文と広がっていきます。ノートに文字を書く量が増えます。その結果、文字指導の面から見ると丁寧に指導をしてきた「正しく書く」ということの意識が小さくなる子もいます。

5月から育ててきたひらがなを書く力ができているかどうかを評価する時期です。文字としてのひらがなを間違いなく正しく書けているかどうかをポイントに指導を繰り返すことが大事です。

子供のノート例1


「うさぎがはねる」と写させた後、見直しをさせます。写させるとき、文字を書くことを急がせることなく、丁寧に書くことの気持ちをもち続けさせることを大事にして指導します。「できましたか」「書けましたか」は、文字の習得が充分でない子には、「早く書きなさい」と言われているように思えるので気を付けましょう。


書いた文を声に出して読ませます。声に出して読むことを大事にすることで、次の学習内容につながります。

 書きたいことの内容が正しく書けているかを確かめることができる。
 単語が正しく書けるようになる。
 句読点の間違いがなくなる。
 「は」「へ」「を」を正しく使えるようになる。

指導に当たっては、ひらがなが正しく書けているかどうか、○で印を付けたり、波線を引かせたりすると、ノートの使い方に慣れて美しいノートにしようという気持ちを育てることにつながります。

子供のノート例2


文を作る学習の始まりは、口頭作文です。「何が」「どうした」ということを繰り返し発表させます。口頭作文は、文字で文を書く前の活動です。

口頭作文の始まりは、経験したことや想像したことを思い出すことです。つまり、書きたいことを見つけることです。次に、一つの文にして、声に出すことです。文にすることが難しいと思っている子には、文の手本を示すという指導が必要です。


文の書き始めは、ヒトマス空けることを指導するとき、「○」を黒板に書きます。子供のノートにも最初は「○」を書かせ、マス目の使い方を慣れさせるようにします。

口頭作文の指導


先生に伝えたいことをもたせるようにします。「きのうしたことは何ですか」「きのう楽しかったことは何ですか」という問いかけは、それほど上手なものではありません。しかし、「遊び」「食べ物」「行ったところ」と限定すると迷う子、不安になる子もいます。そのため、「きのうしたことは何ですか」「きのう楽しかったことは何ですか」と働きかけをします。

これで、思い出すことができない子には、絵を書かせるようにします。絵を書くのが大好きなのが1年生の特性です。絵を見ながら、話が生まれます。それを聞きながら、一文を指導します。

一斉授業の場合は、文になるような行動をします。例えば、「本を読む」という行動です。そして、その行動を、発表させます。続いて、「〈せんせいが、ほんをよむ〉という文を書きます」と言って板書をします。そのとき、「先生と一緒に書きましょう」というように、活動を具体的に示すようにします。そうするとどの子も丁寧に文字を書くようになります。

<ダウンロード資料>

<ワークシート>ただしいもじをかきましょう

吉永幸司(よしながこうし)
京都女子大学附属小学校特命副校長
滋賀大学学芸学部卒業。滋賀大学教育学部附属小学校教諭(26年間)、同副校長、公立小学校校長、京都女子大学教授・同附属小学校校長。国語指導、道徳指導に長年携わる。国語教育、道徳教育の大家として定評が高く著書も多数。『教育技術ムック 考える子どもを育てる京女式ノート指導術 小学校国語』小社ほか。

構成/浅原孝子

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