半濁音、濁音のひらがな「ぽ」や「が」を書こう 【小1国語 京女式書くことの指導】4

連載
吉永幸司の京女式「書くことの指導」
【小1国語】1年生の賢い子を育てる「京女式 書くこと指導」

今回は、半濁音、濁音のひらがなの指導です。書く時間をしっかりとって書く活動を丁寧にしましょう。単行本『はじめてのひらがな、カタカナ 1年生担任の京女式国語の教育技術』(小社)を再編集して、1年生の国語の指導ポイントをわかりやすく紹介するシリーズです。

執筆/京都女子大学附属小学校特命副校長・吉永 幸司

「書く」時間をしっかりとる

「ひらがな」の指導が終わった頃、6月になると説明文やお話(物語)の教材が待っています。音読をさせたい、話合いもしなくてはいけないというように気持ちに焦りが出て、一番迷うのがノート指導です。

4月、5月の時期、国語のノート指導は、一文字ごとに4つのマス目を使って指導をしてきました。ところが、急にワークシートを使って書かせたり、ノートを自由に写させたりするようになります。文字を間違いなく書けるということの意識が薄れるからです。

先生の気持ちを子供はよく知っているので、急いで書こうとします。「早く書けた」ということが大事だと思い込むのです。

この頃から、連絡帳も自分で書くようになります。4月、5月の文字指導を生かせる機会です。丁寧に、美しく書くという気持ちをもち続けることです。

「書くこと」は時間を必要としますが、国語の大事な活動です。迷わずに、授業計画の中にノートを書く時間を入れ、落ち着いて学習する学習習慣を育てることが大事です。

子供のノート例


「たんぽぽ」の「ぽ」のように、間違いやすいひらがなの指導は、文字が出てくるたびに繰り返して見直させることです。間違いやすい文字は、「止め・ハネ・ハライ」を声に出しながら指導をするのです。促音・半濁音は、その都度、正しく書けるように指導します。「丁寧な指導」は、文字指導においては、正しく書くために時間をかけることと言い換えることができます。


国語の授業では、日付やめあてを書かせることを続けましょう。落ちついて学習に気持ちを切り替えるうえで大事なことです。国語の授業では音読させる、大事な語や文を見つけるというのが主な活動になります。大事な文や語を板書することも大切です。
板書の大事な語や文をノートに写させるときは、「書くこと」に集中させます。最初は、丁寧に書くことを指導することにより、4月、5月の学習が生きてきます。また、「ノートには大事なことを書くことである」という学習習慣が育っていきます。


「、」(てん)「。」(まる)を正しく書かせることは1年生の大事な学習内容です。この力は文を写させることを繰り返すと育ちます。板書をするときに意識させ、ノートに書かせます。また、文の横に線を引いたり、文を囲んだりする活動を指導し、上手なノートの作り方へと導くようにします。


「なにがかくれているのでしょう」「しゃくとりむし」の文の横に線を引いたり、文を囲む活動を教えたり、上手なノートの作り方を指導します。


「〈なにが〉を書きましょう。〈てん(、)〉を書きましょう。〈かくれて〉を書きましょう。」と長い文は、文節ごとに書かせると美しいノートになります。

つまる言葉の学習ノート

6月にはつまる言葉も学習します。ねこ→ねっこ、みつ→みっつのように、通常の言葉からつまる言葉を見つける言葉遊びをすると楽しみながら覚えるようになります。

子供のノート例

<ダウンロード資料>

<ワークシート> ただしく「つ」「っ」をかきましょう

吉永幸司(よしながこうし)
京都女子大学附属小学校特命副校長
滋賀大学学芸学部卒業。滋賀大学教育学部附属小学校教諭(26年間)、同副校長、公立小学校校長、京都女子大学教授・同附属小学校校長。国語指導、道徳指導に長年携わる。国語教育、道徳教育の大家として定評が高く著書も多数。『教育技術ムック 考える子どもを育てる京女式ノート指導術 小学校国語』小社ほか。

構成/浅原孝子

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