1年生のはじめての通知表は子どもと保護者が喜び合えるものにしよう
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「通知表」に初めて出合う子供たち。保護者は、わが子が評価される楽しみと同時に、不安も感じています。「初めて」だからこそ、子供たちに対しても保護者に対しても、通知表との出合いを大切にしていきましょう。ポイントは、成長を喜び合える通知表にすることです。
目次
作成の準備は、早めに着手
日常的に、子供の頑張りや成長を記録しておきましょう。成績や所見の根拠になるとともに、評価についての説明をすることができます。
●評価規準の確認
評価をするためには、「何を評価するのか」を明確にすることが必要です。各教科や特別活動の評価規準を確認し、「どのように評価するのか」も学年で共通理解をしておきましょう。教科の単元や題材ごとに、チェックリストなどを作成しておくと便利です。日常生活についても、同様に記録しておきましょう。
●座席表の活用
座席表を多めに印刷して手元に置いておくと、子供のつぶやきや行動などのメモに便利です。「できるようになったこと」「頑張っていること」「友達との関わり」「学習中の発言」などを、具体的に記録しておきましょう。
「困っている友達に優しく声をかけていた」「理由もわかりやすく発表していた」など、具体的な姿をメモしておくと、所見の欄への記入に使うことができます。ほめることをたくさん蓄えておくことが、成長を喜び合える通知表へとつながります。
通知表の見方を説明する
通知表に対して保護者は、様々なイメージをもっています。通知表の目的や評価の方法も含め、通知表の見方を丁寧に説明しましょう。学級懇談会や学年通信・学級通信などでお知らせするとよいでしょう。
【 説明の内容例 】
●通知表の目的……学習のめあてがどれだけ達成できたかがわかり、行動面や生活面も含め、これからの成長へとつなげる。
●評価の方法……子供の状況を多面的に評価する。○発言、発表、行動、意欲など。○ ノート、ワークシートなど。○作品への思い、工夫、表現の過程など。○ペーパーテスト。○家庭学習への取り組み。
●通知表の見方……友達と比べるのではなく、一人ひとりの達成状況を評価している。できるようになったことや頑張ったことを、しっかりほめてほしい。改善点がある場合は、励ます材料に。夏休みを振り返りや復習の機会にする。 など
通知表を渡すときには
「できたこと、頑張ったこと、もう少し頑張るといいなということ、どうしたら苦手なことができるようになるのか、ということが書いてあるよ」など、子供たちに通知表について説明してから渡しましょう。
笑顔で「頑張ったね」などと一言添えて渡すと、子供たちも安心して受け取ることができるでしょう。
執筆/熊本県公立小学校教諭・大久保弘子
『小一教育技術』2018年7/8月号より