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後を絶たない、虐待・いじめを苦にした自殺事件

2019/6/27

子どもの虐待死や、いじめを苦にした児童生徒の自殺が相次いで発生しています。こうした痛ましい事件を防ぐために、学校に何ができるのか。教員はどう対応すべきなのか。虐待やいじめに関する最近のニュースを振り返ってみましょう。

悲しむ子供の後ろ姿

後を絶たない虐待死

2019年1月、千葉県野田市の小4栗原心愛さんが、両親からの虐待によって死亡するという痛ましい事件が起こりました。 2018年3月には、東京都目黒区の船戸結愛ちゃん(当時5歳)が 両親からの虐待により亡くなっています。

主に家庭で起こる児童虐待に対して、学校が直接介入するのは難しい部分があります。しかし、子どもの様子の変化や虐待のサインをいち早く察知できるのも学校です。虐待の防止と子どもの保護について学校に何ができるのか、真剣に考えていく必要があるでしょう。

対策進むも後を絶たない、いじめ自殺

学校現場におけるいじめの問題も引き続き大きな課題です。

いじめ防止についての対策が強化されることになった大きな契機は、2011年10月に、滋賀県大津市に住む中学2年の男子生徒がいじめを苦に自殺した事件でした。この事件では、いじめそのものに対する学校の対応や、少年の自殺後の教育委員会の調査の不備などに批判が集まり、いじめ問題への対策の強化が求められるようになりました。そして2013年には「いじめ防止対策推進法」が成立、施行。いじめの定義を明確化したほか、学校の設置者および学校がいじめ防止のために講ずべき措置が定められることとなりました。

文部科学省による「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」によると、平成29年度のいじめの認知件数は小学校で317,121件、中学校で80,424件となり、いずれも前年度を上回る過去最高の数値となりました。しかしこれは、いじめへの認識が深まり、ささいな喧嘩などもいじめと認識するようになったこと、またいじめの早期発見、早期対応の意識が進んでいることの表れともされ、いじめを見逃さないという意識が各学校・教員に浸透しつつあると評価することもできます。

とはいえ、下の表にもあるとおり、いじめを苦に児童生徒が自殺する事件は今なお起こり続けています。これらの中には、事件発覚後、学校や教育委員会の隠蔽体質が指摘されるケースもあり、いじめ防止対策への取り組みには、まだ課題が多く残されています。

虐待と違い、いじめのほとんどは学校の中で起きています。いじめの事実を見逃し、最悪の事態を招いてしまうことは、学校として絶対に避けなければなりません。各校でいじめの防止対策は進んでいるはずですが、常にその取り組みを見直し、改善を図っていく必要があるでしょう。

いじめが原因とみられる近年の主な自殺事件

2015年7月

岩手県で中学2年の男子生徒が自殺。担任とやりとりしていたノートにいじめを訴える記述が複数見つかる。
2015 年11月

茨城県で中学3年の女子生徒が自殺。同級生によるいじめが原因との調査結果。

2016年8月

青森県で中学2年の女子生徒が自殺。いじめが自殺の主な原因として、学校長を訓告処分。

2017年4月

埼玉県で高校2年の女子生徒が自殺。元交際相手らによる「SNSでのいじめ」が原因と認定。

2017年12月

兵庫県で中学2年の女子生徒が自殺。「学校がしんどいです。たえられません」とのメモが残される。学校の不十分な対応に、教育長が「隠蔽と思われても仕方ない」として謝罪。

2018年5月

熊本県で高校3年の女子生徒が自殺。いじめを受けていたことをうかがわせる遺書が残される。

2018年6月

福岡県で高校2年の男子生徒が自殺。調査によりいじめとの因果関係が認定される。

2019年2月

群馬県で高校2年の女子生徒が電車にはねられ死亡。いじめの被害に悩んでいたことをうかがわせるメモが見つかる。

2019年3月

佐賀県で中学2年の男子生徒が自殺。いじめが原因の疑いがあるとして調査を開始。

2019年3月

愛知県で小学6年生の女児2人が死亡。いじめを苦にした自殺の可能性があるとして調査を進める。

構成・文/葛原武史(カラビナ)
『総合教育技術』2019年6月号より

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