ぬまっちは他のクラスとのバランスはどうしてる?|沼田晶弘の「教えて、ぬまっち!」
「ダンシング掃除」や「勝手に観光大使」などのユニークな方法で子供たちの「やる気」を引き出すカリスマ教師「ぬまっち」こと、沼田晶弘先生。
今回は、『じんみつ 』 さんからいただいた、「ぬまっち先生はたくさんの実践をされていますが、隣のクラスとのバランスはどうとっているのですか?」という質問にお答えいただきました。
目次
国立の研究校という性格上、公立の小学校とはやや違うところも…
有益なアドバイスになるかどうかはわからないけれど、よく受ける質問なので、お答えします。
ボクが勤めている学校は、教員養成を目的とする国立大学の附属小学校なので、将来的なことを見据え、研究校として先駆的な教育をするという使命を担っている。
そのため、各クラス担任や専科教員が、それぞれ自分が実践したい授業や研究したい教育をそれぞれ積み重ねているんだ。そしてそこで得た知見や経験が少しでも皆さんの役に立てるように、地域の学校と連携したり、研究発表会を開催するなどして研究の成果を発表している。
だから、同学年でも、国語を研究している先生のクラスではやや国語の授業が多くなることもあるし、他のクラスでは別のことに力を入れていたりする。
ボクの場合も、学年で揃えて取り組むことに加え、自分自身の研究を深めるための実践を行うことができる時間があるんだ。
同学年での情報共有や、クラス経営方針の共通理解は当然
つまり、ボクの学校では、一年を通して、同じ学年で完全に同じことを同じような計画で進めるわけではないんだ。とはいえ、当然同学年の先生方とは、お互いに情報は共有するし、それぞれのクラスの方針や取り組みに関しては理解するようにする。
以前子供たちが、一年間かけてさまざまなコンテストに作品を応募し、その賞金を使って学年末にクラス全員で帝国ホテルのディナーを楽しみ、リムジンに乗って帰るという計画を立てたときも、4月の段階で他のクラスの先生には、計画から目指すゴールまですべて伝えていた。
学校の状況やルールに合わせて、アレンジしてみる
確かに公立の小学校では、学年で常にすり合わせしながら、各クラス同じように進めなくてはいけないという学校も多いだろう。
だからボクの実践は、すべてそのままどの学校でも実践できるかと言えば、そうはいかないかもしれない。
ただ、「こんなことをしてみたい」と自分から提案することは可能だろうし、学年全体で取り組むようにしたり、事前に相談をすることで了承されることも意外にあると思う。
もし許可が下りなくても、部分的に取り入れたり、アレンジするなど、工夫しながら取り組める実践もあるんじゃないかな。
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沼田晶弘(ぬまたあきひろ)●1975年東京都生まれ。国立大学法人東京学芸大学附属世田谷小学校教諭。東京学芸大学教育学部卒業後、アメリカ・インディアナ州立ボールステイト大学大学院にて修士課程を修了。2006年から現職。著書に『板書で分かる世界一のクラスの作り方 ぬまっちの1年生奮闘記 』(中央公論新社)他。 沼田先生のオンラインサロンはこちら>> https://lounge.dmm.com/detail/2955/
取材・構成・文/出浦文絵