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【指導計画】5年国語 新聞記事を書いて言葉と事実について考えよう

2019/5/31

国立教育政策研究所教育課程調査官の監修による、教科指導のアイディアと授業のヒントをまとめた指導計画例です。次時の授業にお役立てください。

執筆/沖縄県那覇市立城北小学校教諭 名嘉山兼翔
編集委員/国立教育政策研究所 教育課程調査官 菊池英慈
那覇教育事務所指導主事 上里 亮

単元で付けたい資質・能力

①言語活動とその特徴

本単元では、「新聞記事を書いて読み合い、言葉と事実について考える」と
いう言語活動を位置付けます。事実の捉え方が、表す言葉に反映されるのだ
ということを実感している子供は少ないと考えます。そこで、本言語活動を位置付けることで、書き手には伝えたいことがあり、読み手はそれを踏まえたうえで理解する必要があることを考えさせることができます。

②言語活動を通して付ける資質・能力

事実と感想、意見などの関係をおさえた上で、文章全体の構成を考える力や、書き手の考えの中心となる事柄を考えながら読む力を身に付けます。その上で、事実と感想、意見などを明確にしながら、事実を客観的に書くとともに、その事実と感想や意見との関係を十分捉えて新聞記事を書く活設定します。

③指導のポイント

・文章全体の構成を押さえることで、「事例」と「解説」を明確にした筆者の書きぶりを捉えさせます。

・筆者の要旨から言葉と事実の関係について考え、さまざまな文章に書かれている情報の捉え方について学びます。

【指導事項:Cウエオ 言ア】

単元の展開(8時間扱い)

単元表
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【アイディア❶】言葉から受ける印象の違いについて話し合おう

単元の導入で、言葉から受ける印象の違いについて話し合うことで、子供に課題意識をもたせます。今回は、一つの文章から考えられる事実を話し合わせます。多様な捉え方ができる例文を提示することで、子供の主体的な思考を促すことができます。

板書例
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「まさかの」と書いてあるから、驚きを表しているよね。普
段は国語で90 点を取ることがあまり多くはないのかもしれないね。

でも、「いつも100 点を取っているのに」という捉え方もできるよね。

「90 点を取った」という事実だけは間違いないんだけど……。

この文章は事実を正確に表していないってことかな。

話合いをしてわかったこと・考えたこと

話合いを通して、分かったことや考えたことをノートにまとめます。書き出しは教師が提示することで、子供は「言葉と事実」の関係に焦点を当てて考える単元を通した学習課題をもつことができます。

ノートまとめ1
ノートまとめ2
ノートまとめ3

「りょうくん、まさかの90 点!」という文章からは、「りょうくんが90 点をとった」という事実はわかりますが、りょうくんの人柄や普段の様子についての事実は断定できません。「いつもは100 点を取るりょうくんが、90 点を取ってしまったのか」「勉強が苦手なりょうくんが普段以上に頑張った結果90 点を取ることができたのか」というように、言葉から受ける印象は人によって違います。ここで「なぜ印象の違いが出るのか」「事実はどちらなのか」を話し合い、「言葉は事実を表しているのか、いないのか」を考えさせることで、「言葉と事実の関係」について単元を貫く学習課題を生み出します。

【アイディア❷】比べ読みをして、言葉と事実の関係について考えよう

子供は前時までに、文章構成を確認したり、事例ごとに筆者の解説を表にまとめたりして、文章の要旨を捉えています。本時では、別の関連図書を読み比べ、共通点を見付けることで教材文にある筆者の主張についてより一層考えを深めます。

図書A
図書B
図書C

比べ読み図書の選定について

・「情報」や「メディアリテラシー」についての本は、学校図書館にもたくさんありますし、教科書にも紹介されています。教師が何冊か揃えて、子供がいつでも読めるようにしておきましょう。
また、五年生の前半ということを考慮して、子供の実態によってそれが難しい場合は、教師が特定の本のページを選定しておき、それを読ませて教科書と比べ読みさせる方法もあります。

●おすすめ図書 (※ 引用元)
『放課後パソコンクラブ〈2〉 情報ってなに?』

(リブリオ出版、1996 年)※1
『産業とくらしを変える情報化〈2〉 情報を伝える「新聞」』
(学研教育出版、2012 年)※2
『世界を信じるためのメソッド ぼくらの時代のメディア・リテラシー』(森 達也著、イースト・プレス、2011 年)※3


比べ読みをしたら、ワークシートを活用して、教科書本文の要旨と、比べ読み図書の内容との共通点をまとめていきます。最後に、「言葉と事実」について、自分の考えを二百字程度でまとめることで、学びを深めていきます。

ワークシート例
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まとめ

【アイディア❸】見出しや表現から受ける印象の違いについて話し合おう

クラスで同じテーマについて新聞記事を書いたら、それを交流します。子供が新聞を書くときのポイントは「最も伝えたいことが読み手に伝わるのか」になります。交流を通して、「伝わった喜び」や「伝わらなかった原因」等を考えることで、「言葉と事実の関係」について考えることができます。

新聞構成メモ

新聞

○構成メモで、「事実」「一番伝えたいこと」「見出し」 「言葉や表現」を明確にします。
○新聞を書く際は、教科書の例文の書きぶりを参考にしながら、客観的に常体の文で書かせます。感想文にならないようにしましょう。
〇構成メモを基に「一番伝えたいことが読み手に伝わる」ように書いていきます。

交流の流れ(対話的な学び)
①友達の新聞を「最も伝えたいことは何か?」を意識しながら読む。
②「友達が最も伝えたかったこと」と、その根拠となる「言葉や表現」をワークシートに書く。
③ワークシートを基に話し合う。
④最後に、交流をしての感想を書く。

ぼくは「各クラスが団結して盛り上がっていたこと」をとくに伝えたかったよ。

〇〇さんの伝えたかったことが伝わったわ。見出しの「クラスが団結したサッカー大会」という表現に気持ちが込められているね。

「帰りのバスはとても盛り上がっていた」という最後の文章から、ぼくは帰りのバスが盛り上がったことが伝えたいのかと思ったよ。

見出しの表現はよかったけど、最後の文章で違った受け取り方をされてしまったんだね。

教育課程調査官からのアドバイス

国立教育政策研究所 教育課程調査官菊池英慈

ポイント① 目的意識を持たせて文章に向き合わせよう!

どのような目的意識を持って文章を向き合うかによって、読者の読みは大きく変わってきます。簡単に言えば、「何のために読むのか」によって読みが変わるということです。例えば、情報を読む(内容)、論理を読む(構成・表現)、筆者を読む(考え)などが考えられます。そのため、どのような目的意識をもって読ませるかは、説明文の学習では重要なポイントになります。アイディア①のように、実際の生活の場面で使われている言葉が受け手にどんな印象を与えるのか考
えていくことから、単元を導入することも有効な方法です。

ポイント② 既有の知識や理解した内容と結び付けて!

これからの社会は、より高度な情報化社会となっていきます。こうした社会を生きるためには、説明文教材を読み取るだけではなく、複数の情報(文章や資料など)を主体的に読み解き、自分の考えの形成に生かしていく読みが大切です。そのため、アイディア②では、教科書本文の要旨と比べ読みした図書の内容との共通点を踏まえ、「言葉と事実」について自分の考えをまとめる活動を位置付けています。その際、文章を読んで理解したことについて、既有の知識や理解した内容と結び付けて自分の考えをまとめられるようにすることがポイントです。

イラスト/和久田容代・横井智美
『小五教育技術』2018年6月号より

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