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クラスになじめない子がいる場合の対応法|沼田晶弘の「教えて、ぬまっち!」

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沼田晶弘の「教えて、ぬまっち!」
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国立大学法人東京学芸大学附属世田谷小学校教諭

沼田晶弘

自主性と集中力を最大限に引き出すユニークな授業が話題のカリスマ教師「ぬまっち」こと、沼田晶弘先生。今回は、クラスになじめない子がいる場合の対応法を教えていただきました。

ぬまっち連載
撮影/下重修

まずは子供やクラスの状態をじっくり観察する

クラスになじめない子がいる場合の解決策を考える前提としては、「一発で解決できる特効薬」はないということ。

その上で、大事なのは「マーケティング」だと思っている。

・その子がどんなタイプの子供なのか、
・その子の得意なことは何か、困っていることは何か、
・その子と自分はどれくらい信頼関係を築けているのか、
・いまのクラスの状態はどうなっているのか、

しっかりと観察して理解を深め、考えながら、その子やクラスの状態に合わせた対応をする必要があるだろう。根っこの部分が解決していないのに、「how to」ばかり求めても、本当の課題は残ったままだから解決はしない。

だから、すぐに解決できないこともあるかもしれない。
でも、今日がだめでも、明日がある。

手を変え、品を変えてトライを重ねながら、時間をかけて少しずつクラスになじめるようになっていればいいと思う。

教師と子供の信頼関係を築く「朝の会」の使い方

ボクの考えだけれど、クラスの子が全員仲よくなる必要はないと思っている。子供にも価値観の違いはあるし、大人だって合わない人とは何をどう頑張っても合わない。

大事なことは、クラスが子供にとって安心して過ごせる場所であること。
そのためには、まず教師と子供の信頼関係を築くことが大切
だ。

信頼関係を築くためには、「承認欲求」を高めて、「失敗できる関係」をつくることがポイント。

クラス全員の「承認欲求」を完全に満たすことはとても難しいけれど、「自分だけが満たされていないのではないか」と不安な気持ちにさせないために、声をかけたり、視線を合わせたりして、「いつも君を見ているよ」というメッセージを伝えることはできるはずだ。

「失敗できる関係」をつくるためには、学級の環境づくりが必要だよね。このクラスでは自分の意見を言ってもいい、怒ってもいい、楽しかったら笑ってもいい、という環境をつくること。そういう環境があって初めて「失敗していいんだ」と思えるし、安心して過ごすことができる。

例えばボクは、朝の会でいつも最新のニュースや、ちょっとした話題をネタにして、「どう思う?」と投げかけ、子供たちの意見を交流させるようにしている。もしクラスになじめていない子がいたら、積極的にその子に話題を振るだろう。そしてどんな意見でも受け入れて、上手に突っ込んだり、話題を広げてあげたりして、盛り上げる。

安心して発言できる環境をつくり、意見をすくい上げてどんどん話題に巻き込むことで孤立させずに済むし、失敗できる関係をつくれる。さらに、その子に対する理解を深めることにもつながるだろう。

ほめられ方」ですべてが変わる

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