小4国語「十年後のわたしへ」指導アイデア

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教材名:「十年後のわたしへ」(光村図書 四年下)

指導事項:書くこと (1) ア・オ  伝国 (1) イ(エ) 
言語活動:イ

執筆/京都府公立小学校教諭・川見典子
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、京都府公立小学校校長・藤本鈴香

小4国語「十年後のわたしへ」指導アイデアのイメージイラスト
イラストAC

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

本単元では、目的に合った内容を考え、手紙を書く力の育成を図ります。また、書いた手紙を読み合って感想を伝え合うことで、書こうとしたことが明確になっているかなど、自分の文章のよいところを見付けることができる力の育成もめざしています。

②言語活動とその特徴

四年生の締めくくりとして、一年間をふり返り、十年後の自分にメッセージを送るために手紙を書くという言語活動を設定します。

子供たちは、これまでに、礼状や依頼状など、目的と相手を明確にした手紙を書く経験をしてきてはいますが、自分に向けて手紙を書くことは初めての子供も多いはずです。

そのために、この単元までの時間に、ほかの教科などとも連携させながら、自分の成長についてふり返ったり、夢を実現させた人の話を聞いたりする機会を取り入れたりするなど、自分の将来について考える経験をしておくと手紙を書く必然性が生まれ、学習の関連を図ることができます。

二時間という短い時間設定の単元ですが、中学年での「書くこと」の学習で身に付けてきた力を生かし、相手や目的意識を明確にさせ、段落の構成を意識して書くことができるようにします。

また、文章を読み合って感想を伝え合う活動を通して、自分の思いが伝わっているかを自己評価したり、よいところを認め合い相互評価したりすることで、よりよい人間関係の育成にもつながっていくと考えられます。

この単元で、自分のこれまでの成長の過程を改めてふり返ったり、今後の生き方について見つめ直したりすることを通し、高学年に向けた準備として大切な経験になるように取り組みを進めていきましょう。

単元の展開(2時間扱い)

主な学習活動

第一次(1~2時)

(事前)ほかの教科等と連携をし、夢を実現した人の話を聞いたり、これまでの自分をふり返ったり、自分の将来について考えたりする機会をもつ。

【学習課題】今の自分を見つめ、十年後の私に手紙を書いて知らせよう

①これまでの自分、今の自分を見つめ、将来について考えたり感じたりしていることをふまえ、目標や夢などについて考え、手紙に書く内容をまとめる。
→アイデア1 主体的な学び
→アイデア2 対話的な学び

②今の自分の目標や夢、憧れを知らせるために、十年後の自分に手紙を書く。書いた手紙を読み合い、交流する。
→アイデア3 深い学び

アイデア1 手紙のモデルから、手紙の相手や目的を明確にし、単元の見通しをもとう

主体的な学び

まず、子供たちが手紙の相手や目的を明確にすることができるように、どんな内容の手紙を誰に向けて書くのかを明らかにさせることが大切です。

そこで、はじめに手紙のモデルを示し、ゴールの姿を共有します。モデル文は、教師が作成することで、子供がつまずくポイントが分かったり、指導するうえで配慮すべきことに気付いたりすることができます。

字数、内容、表現の工夫など、どのような手紙を書けばよいかを明らかにすることで、主体的な学びにつなげられるようにします。

▼手紙のモデル例

手紙のモデル例

アイデア2 成長をふり返り、十年後の自分に宛てた手紙に書く内容について考えよう

対話的な学び

今の自分ががんばっていることやめざしていることを整理するために、総合的な学習の時間などと連携させて学習を進めると効果的です。

簡単な年表を作ることで、生まれてから十年間の出来事をふり返ったり、これからの十年を想像したりすることを通して、自分の夢や目標を考えることにつながるようにしましょう。

将来の夢がまだ決まっていない子供には、「こんな大人になりたい」「〇〇ができる人になりたい」などについて考えながら、未来の自分の姿につなげていくようにしましょう。

一人でふり返ることが難しい場合には、話し合って思い出を共有したり、家の人に聞いたりしながら具体的にふり返ることができるようにしましょう。年表を基に、二つの段落にどのようなことを書いていくか、構成を考えてから手紙を書くようにしましょう。

▼私の年表(例)

私の年表(例)

アイデア3 手紙を友達と読み合って、互いのよいところを交流しよう

深い学び

メモの取り方の工夫は、これからも他教科・領域や日常生活に生かすことができます。身に付けた力を子供自身が自覚し、さまざまな場面に生かせるようにまとめましょう。

書いた手紙を友達と読み合うときには、発表形式ではなく、実際に相手に読んでもらうことで、自分の思いが正しく伝わっているかを確かめられるようにしましょう。

また、読んだ感想を伝えるときにも、メッセージカードや付箋などを活用し、よいところを伝え合いましょう。

▼感想を伝える視点

感想を伝える視点

この単元の学習での手紙の宛先が、十年後の自分と設定しているので、友達と読み合うことが難しいことも考えられます。そのような場合は、名前を伏せたり、途中までを読んでもらったりするなど、学級の実態に応じて、取り組みを進めるなど配慮が必要です。

また、書き上げた手紙は封筒に入れたり、学級全体で一つにまとめたりし、十年後にみんなで読もうと大事にしておくなどの工夫をしましょう。

イラスト/佐藤道子

『教育技術 小三小四』2020年3月号より

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