子供に「学校に行く理由」を聞かれたら何と答える?|沼田晶弘の「教えて、ぬまっち!」

独自の学級経営&教科指導で注目を集める、「ぬまっち」こと、沼田晶弘先生。
今回は、もし子供に「どうして学校に行かなければいけないの?」と質問されたとき、沼田先生ならどう答えるのか、聞いてみました。

目次
学校へ行くメリットと、行かない場合のデメリットを伝える
まず最初に、「保護者が子供に普通教育を受けさせることが『日本国民の義務』」であることは伝えるだろう。
その上で、学校に行くメリット、行かない場合のデメリットの話をする。
例えば、「勉強は家で一人だけでやるより、学校でやるほうがずっと楽だよ」と伝える。
子供たちの中には、学ぶ力をすでに身に付けていて、一人で勉強をどんどん進められる子もいるかもしれない。しかし、勉強を「一人でやる」ということは実はとても大変なことだ。特に小学生の場合は、「一人で学び続ける姿勢」をつくることが最も難しい。
ボクは大人になってもまさにそういうタイプだ(笑)。「1人でゴルフの練習をやりなさい」と言われたら全然やらないけれど、「友人と週2回練習する」と決めて、練習できる場所と機会を与えられればちゃんとできる。
学校に行く意味もそこにあるんじゃないかな。
学校には、勉強をする時間や環境が確保されているし、何をどういうペースでどこまでやればよいのか学校が決めてくれる。しかも、学校には一緒に頑張る仲間もいる。しかし、一人でやる場合は、教材も時間配分も、自分で考えて決めなければならない。だから、学校に行って勉強することは大変だと思っている子供には、一人でやるほうがずっと大変なのだということに気付かせたいなと思っている。
学校は、人との関わり方を練習し、自分の本当の個性を知る場所
学校に行かないデメリットに関しては、「もし学校に行かなかったら、きっと自分のことが何も分からないよ」と伝えるだろう。
「世の中には、いろんな人がいる。そして、社会に出たら、自分の考えや性格とは全然違う人ともなんとか上手にやっていかなくてはいけない。学校は、社会に出る前に、そういういろんな人たちとどう関わっていくのかを学ぶ場でもあるよ。さらに、学校に行くことで、自分にはどんな特性があるのか、本当は何が得意なのかを知ることもできるよ」と伝えるだろう。
例えば、自分を身近な人とだけ比較し、自分は足が速い人間だと思っていたのに、規模の大きい学校に行ったらもっとたくさん足の速い人がいて、自分はあまり足が速くなかったと気付いた、なんていうことはよくある話だよね。
そう考えると、学校という場で、いろいろな人の個性を知ることによって、本当の自分の個性も知ることができると思う。
もし家の中にずっといたら、自分の家族や、自分が経験した生活習慣しか知らないまま大きくなることになる。そのまま大人になっても、「自分はお金を稼ぐ方法を確立しているから、人と関わらないで生きていきます」という人もいるだろう。「自分は家族と自給自足をするので、他の人の個性や文化など知らなくていい」という人もいるかもしれない。
しかし、もしも少しでも「人と関わって生きていきたい」と思うのなら、学校生活を通して、少しずつ人との関わり合い方を練習していた方がいいんじゃないかな。