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心の病で休職した小学校教師の復職への道<前編>

特集
教師のメンタルヘルス対策:ストレスチェックからうつ病体験記まで

長い教師人生、心の病が原因で休職するということは誰にでも起こりうることです。この記事では、復帰への見通しが立ってきた時に行う、復職訓練(リワーク)の例を紹介します。いきなり勤務校へ行くことに気が引けたり、不安が強く出ないよう、スモールステップでリワークを進める方法をまとめました。

執筆/東京都公立小学校・松原夢人

松原先生が休職に至った経緯はこちらの記事も併せてお読みください ⇒ 仕事が大好きな教師がうつ病で休職し回復するまでの体験から学んだこと

休職した教員が復帰するまでに自分で出来るリワークプログラム
Unsplash

※必ず担当医と相談しながら、リワークプログラムを立てましょう。

①ウォーキングをする

リワークを始める前に、体力面に心配なところがあると思います。元気な時はたくさん働いても平気だったと思いますが、病気になってしばらく休んでいると、体力は落ちているでしょう。そこで、私は体力を取り戻すために、無理なく簡単にできる「ウォーキング」をオススメします。

ウォーキングは、一定のリズムで体を動かす有酸素運動なので、脳の情報伝達のバランスを整える神経物質「セロトニン」が活性化し、不安や抑うつ気分などが改善されて、ポジティブな思考になりやすくなると言われています。

ウォーキングをする場合は、緑が多い公園や川の土手など、自然を感じられるところがよいでしょう。

日光を浴びて、木々の香りや、葉の揺れる音、川の流れる音、風があたる感触、地面を踏む感触を味わいながら、ゆっくりと歩くのです。

何も考えないようにしてください。過去にあった嫌なことや、将来の先の見えない不安などが思い浮かんだとしても気にしません。

「長い距離を進もう」「長い時間を歩こう」などの目標を立てたり、がんばったりする必要もありません。

②カフェで好きなことをして過ごす

長居できるカフェを自分の職場(学校)だと想定して、働いたつもりになってみましょう。周囲に人がいるので適度な緊張感があり、集中力が高まっていきます。最初のうちは、好きなことをしてゆったりと過ごしましょう。次第に慣れてきたら、仕事について意識できるモノを持っていくとよいでしょう。

私の場合は、本、ノートパソコン、音楽プレイヤー、手帳を持っていきました。

  • 教育関連の本を読む
  • 自分の学級経営方針についてまとめる
  • 授業の指導案をつくる
  • 今後はどのような働き方をしていくのか考える

など、復帰した時に役に立ちそうなことをして過ごしていました。

仕事が忙しく、心の病になるまで駆け抜けてきた私は、ゆっくりと自分の教育観や指導観を改めて考える時間をもっていませんでした。本当ならもっと早く気付きたかったのですが、心の病を通して「教師としての自分を振り返る大切さ」を知ることになりました。

ちなみに、カフェで過ごす際には飲み物としてコーヒーを注文する方が多いと思いますが、カフェインが含まれていないカフェインレスコーヒー(デカフェ)を私はオススメします。覚醒効果がないので、コーヒーの味を楽しみたいという欲求を満たしつつ、夜はきちんと眠りにつくことができるからです。夕方以降からカフェインレス(デカフェ)に切り替えることで、生活のリズムを崩さずに済みます。

復帰してからの働き方を見通すなら、こちらの記事もお読みください ⇒ 心の病で休職を経験した教員が伝えたい「定時で帰るためにできる工夫」

③同じ症状の人と話す

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