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学習評価はどう変わる? 3観点の趣旨を理解するポイント|市川伸一先生(東京大学名誉教授)

特集
評価と見とり方特集

新学習指導要領の下で、学習評価はどう変わるのでしょうか。基本的な考え方や具体的な改善の方向性について、中央教育審議会の評価に関する議論に主査として関わった東京大学名誉教授の市川伸一氏に聞きました。

市川伸一教授
市川伸一(いちかわ・しんいち) 東京大学名誉教授/帝京大学中・高等学校校長補佐。1953年生まれ。認知心理学を基盤にした教育のあり方を研究。中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会「児童生徒の学習評価に関するワーキンググループ」主査。『教育心理学の実践ベース・アプローチ』(東京大学出版会)など編著・著書多数。

学習評価をなぜ改善するのか

新しい学習指導要領は学校教育法の3要素(「知識・技能」、「思考力・判断力・表現力等」、「主体的に学習に取り組む態度」)を議論の出発点として、育成すべき資質・能力を3つの柱「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」で整理しています。つまり、今回の改訂で学習指導要領が目指す3つの柱と、学習評価の3観点との整合性がとれ、両者が3本の柱で貫かれたことになります。そこには評価の仕方を変えることによって、学校教育法の学力の3要素という理念を、お題目ではなくより現実的なものにしていこう、という意図もあります。

3つの観点の中で、①「知識・技能」と②「思考・判断・表現」は学習指導要領とほぼ同じ言葉を使っていますが、③「主体的に学習に取り組む態度」だけは違います。これは「学びに向かう力、人間性等」を下敷きにしていますが、人間性は点数で評価するにはそぐわないため、3観点とは別にして個人内評価をすることになりました。「学びに向かう力」は、子どもが自分で学習を進めていく意欲やスキルを行動面から評価しようということで、学校教育法で使われていた「主体的に学習に取り組む態度」という言葉に置き換えたわけです。

3つの観点のポイント

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