小5国語「意見と理由をメモしながら聞き取ろう」指導アイデア

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教材名:「意見と理由を聞き取ろう」 東京書籍

指導事項:A(1)「話すこと・聞くこと」エ  言語活動 イ

執筆/福岡県公立小学校教諭・麦田真理
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、福岡県公立小学校校長・城戸祥次

小5国語「意見と理由をメモしながら聞き取ろう」指導アイデア
イラストAC

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

複数の発言について、意見と理由を区別して、それぞれの共通点と相違点を考えながら、正しく聞き取る力を育成します。

②言語活動とその特徴

本単元では、「意見と理由を聞き取りながら短い言葉でメモし、共通点に着目して意見を分類・整理する」という言語活動を位置付けます。

人の話を聞きメモする活動となると、相手が話したことを一字一句漏らさずにメモしようとする意識が強く働き、とかく長文になったり時間がかかったりしてしまい、結果として伝えたいことが漠然としたものになりがちです。

ここでは、話合いの目的(何を話し合っているか)を明確にもった上で、その人が伝えたい意見やその理由を聞き取ります。音声言語ゆえ、必要な事柄だけを絞って短い言葉でメモする力が必要となります。

また、複数の人の意見を集約し、共通点を整理することで、全員の考えを一つにまとめようとする活動は、これからの子供たちの生活において欠かせない力と言えます。

「話すこと・聞くこと」の領域は年間を通して時間数が少なく、しかも「聞 く」ことに特化した系統は、年間に一つに限られており、時間数も僅かです。 それだけに、ここで学んだ事柄を特別活動等の他教科領域で積極的に活用してこそ、力の定着が図られ、生きて働くものにつながります。

単元の展開(3時間扱い)

主な学習活動

第一次(1時)

①複数の人の発言について、意見と理由を区別して正しく聞き取り、共通点を見つけて整理するという学習課題を確かめ、学習の見通しを立てる。
→アイデア1 主体的な学び

【単元】意見と理由を区別して、聞いたり整理したりしよう

第二次(2時)

②意見と理由を聞き取る手がかりとなる言葉と、メモの取り方を確かめる。教科書44ページを基に、共通点に着目した整理の仕方を理解する。
→アイデア2 対話的な学び

第三次(3時)

③教科書256~257ページの「聞いてみよう」に取り組み、複数の人の発言について、意見と理由に着目して聞き、共通点を見つけて整理することができたかを振り返る。
→アイデア3 深い学び

アイデア1 既習や体験から学びの必要感をもたせる単元の導入

主体的な学び

子供は学級会や委員会活動など、様々な場面で意見交流をした経験がある一方、司会をした際に出された意見をうまく整理できなかったり、困ったりした経験があるものです。また、そうした苦い経験をふまえ、話を聞くときに、普段から気を付けていることがある子供もいます。

単元の導入では、話し合いなどの複数の人の発言を整理する場面を想起させ、このような経験を出していくことから、本単元を学習する必要性を意識させることにつなげていくようにします。

また、意見にはそれぞれ理由があり、その理由も複数の意見を整理する観点になり得ることにも気付かせるようにします。

そこで、意見交換の目的(何を話し合っているか)を明確におさえたうえで、田中さん自身の考えを聞き、意見とその理由をカードに整理していきます。このカードは、次時の活動で使用するものになるので、使い方を丁寧に確認しておきます。

【教材文】
田中さんは、授業で取り組んだ音読げきを見て、楽しんでもらいたいと考えました。

【話合いの議題】
ケアハウスを訪問して、そこで生活しているお年寄りに楽しんでもらうために(田中さんたちは)何をするか。

目的・理由)お年寄りに楽しんでもらうため
意見)何をするか

【メモ】

メモ

アイデア2 考えを自由に出し合い、分類整理する付箋ワークシート

対話的な学び

教科書を閉じ、川島さんら4人の話例について、意見と理由を区別しながら聞かせます。

ここでは、前時で使用したメモカードを使い、各人ごとに書き込むようにします。このカードは、一辺が7㎝程度の正方形の付箋紙を使うと、後の意見を分類する活動で操作しやすいでしょう。

なお、意見や理由を聞き取るときの手がかりとなった言葉を出し合い、掲示物としてまとめておくと、以後の活動で活用できます。

聞き取ったメモは、グループ(3名程度が望ましい)で整理していきます。この活動に入る前に、互いのメモカードを見せ合い、意見と理由が短く端的にまとめられているものはどれか、どのように工夫されているかについて話し合うようにします。

複数の意見を整理したり分類したりする際は、理由も併せて似ているところを探させ、袋がけしたうえで短い言葉で見出しを立てていくようにします。分類に当たっては、グループで自由にアイデアを出し合い、全体で認め合い共有していくようにします。

理由が「役に立てる」点では、竹田さんと森山さんが、よく似ているよ。

田中さんと森山さんは、「音読」が似ているね。

【掲示物例】

<意見を聞き取るとき>
「……がいいと思います」
「……はどうですか」
「だから……」
「そのために……」

<理由を聞き取るとき>
「それは……だからです」
「そうすれば……」
「理由は……」

アイデア3 学んだことを生かし、自力解決を図ろうとする教師の働きかけ

深い学び

教科書256~257ページの「聞いてみよう」は、これまでの学習で身に付けた力を生かして、自らの力で進めていきます。活動を始めるに当たって、以下の過程を確認します。

  1. 話合いの議題や目的を、正しく捉えること
  2. 意見と理由を区別して、短い言葉でメモすること
  3. 目的に沿った観点で共通点を見つけ、分類すること

メモカードの分類・整理が終わった時点で、グループで見合わせ、互いのまとめ方の工夫やよさについて認め合うようにし、他教科、領域でも生かすことができるようにします。

呼びかける

「呼びかける」というメモカードのグループ

【あいさつについて考えてもらう】

「あいさつについて考えてもらう」というメモカードのグループ

【あいさつしようという気にさせる】

「あいさつしようという気にさせる」というメモカードのグループ

グループの複数のメンバーと、付箋メモカードを画用紙等の台紙上で操作し、見出しをつけながら話し合わせることで、互いの思考を視覚化でき、意見交流が活発化します。この協議方法の有効性を子供たちに実感させ、必要に応じて取り組ませたいものです。

イラスト/横井智美

『教育技術 小五小六』2019年5月号より

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