失敗しない!新学期スタート2日目「2時間目」完全シナリオ【国語の授業開き】

新年度2日目。新しい学級での当番決めなどすべきことはたくさんありますが、この日、1時間でも教科の学習をスタートさせることが大切、と言う埼玉県公立小学校の紺野悟先生。今回は、国語を2日目の2時間目として、“失敗しない学級経営”を実現するための「堅実な授業開き」をシナリオ形式で伝授します! まずは、教室に学習する雰囲気をつくり、学習に向き合う姿勢を育てることで、いずれ子供たちに委ねたときの行動指針となる価値観につなげていきます。シナリオには、子供たちが勉強を自己成長の機会と前向きに捉えられるようになるキーワードも満載! これからの1年間を支える「学校は勉強する場所」という基本的な姿勢を大切にし、学習も様々な活動も円滑に進む学級をつくりましょう!
執筆/埼玉県公立小学校教諭・紺野悟
新年度2日目1時間目はこちらから!
失敗しない! 新年度スタート2日目「1時間目」の完全シナリオ
目次
“失敗しない学級経営”のための『堅実な授業の始め方』を伝授します
2日目には、勉強と言える教科の学習を始めます。学校のほとんどの時間は授業です。遊んだり当番を決めたりすることだけに時間を使うのではなく、2日目には1時間でも学習を始めるようにします。初日は時間的にも難しいかもしれませんが、少しずつ学校生活に慣れていくために、2日目には1時間時間を確保しましょう。
とは言っても、爆発的に面白い授業をしたり、深い授業を目指したりはしません。学習をする教室の雰囲気を少しずつ作っていくイメージで、手元にある漢字ドリルを使って学習を始めます。
では、最初の授業はどのように進めるのか、失敗しない学級経営を実現するための堅実な始め方を紹介します。
実際の授業例
ドリルに付いている2ページ目の「〇年生の復習」。
このページを宿題にして終わりにしていませんか。
このページを使って学習をします。
話を聞く、ペアで丸付けをする、練習する、再度テストをするというシンプルな流れで行うことができるので、落ち着いて学習する雰囲気を醸成することができます。
このようなページは、子供たちに任せてもできそうなことですが、最初に丁寧に書くことをきちんと教えることや、手を抜かない雰囲気を作っておくことは、子供たちに委ねたときの行動指針となる価値観になります。そういう意味でも始めは肝心です。
①漢字ドリル2ページ目に取り組む(7分)

漢字ドリルを出してください。
(出したことを確認する)
2ページ目を開きましょう。
(開いたことを確認する)
テンポも大事ですが、指示を聞くことも大切です。スルーしてしまうと「やらなくてよい」ということを教えてしまうことになりかねません。そこで、どちらかと言えば、すべきことをきちんと行うほうを優先します。
今から5分間で問題を解きます。前の学年の復習ですから安心してください。
質問はありますか? それではスタート。
(机間指導をして進捗を確認する)
残り1分です。
まもなく時間になりますが、もう少し時間がほしい人はいますか?
⋯⋯では、30秒追加します。
終わりです。鉛筆を置いてください。
タイマーで時間を管理すると子供たちも残り時間が分かります。しかし、教師が腕時計で管理することで、微調整することができます。最初はどんな子供がいるのか、分かりません。「あと〇分です」と声をかけることで見通しを担保して、子供たちの様子を見ながら調整します。
また、初めに5分で時間を設定することで、1分延長しても6分、前後の説明を含めて、予定通りの7分で終わることができます。時間管理がうまくいかない教師は、説明の時間を含めていない可能性があります。これも踏まえて時間管理をするようにします。
②丸付けをする(3分)
丸付けは、自分で行う、隣と交換して行うなどの方法があります。どの方法にもメリットとデメリットがあります。ここでは、交換する方法を選択します。交換することで、お互いに見合うこと、交流することを学んでいく機会にします。教師が丸付けしているわけではないので、丸付けの基準に個人差があります。これは、トラブルになる可能性がありますから、事前の指導が大切です。
また、机間指導のときに、極端にできていない子、場を乱す可能性がある子がいる場合など、状況によっては各自で丸付けをします。ただし、適当な丸付けにならないように教師が目視で確認する必要があります。
丸付けをします。Aペアでドリルを交換します。迷ったら「×」にしてください。
「これは『〇』でしょ!」と言いたくなることがあるかもしれませんが、これはテストではありません。よりよくするための機会をもらえただけですからね。
時間は2分です。始め!
③丸付けの意味を教える(5分)
一見これで終わりに見えます。でもこれでは、○×クイズをやっただけです。何も力になっていません。「×」だったものを練習して書けるようになって初めて最初の問題を解いたことの意味が出てきます。
そこで、次のような図を示して説明します。
ここまでは、ただの○×クイズに答えただけです。
これは本番のテストではありませんね。ということはクイズです。
この後、練習して覚えたりできるようになったりすることで人は成長します。
これを繰り返すと人は成長するし、途中でやめると、できないままとなります。
シンプルに考えれば勉強とは、こういうことです。
まず問題を解きました。そして丸付けをしました。
すると分かることがあります。
「〇」は書ける漢字です。「×」は書けない漢字です。
今、「80点取れた、やったー!」と思うのではなく、
「2つ書けなかった字を知ることができてよかった!」と思うことが大切です。
この後、どうしますか? ズバリ練習です。
分かりやすいのは5回ずつ書く方法です。でもね、これ、罰ゲームのように嫌々やったら、ただの罰ゲーム。多分、漢字テストのたびにこれまで「何度も書かされた」「面倒くさい」と思ってやってきたことでしょう。それでは、毎回、嫌ですよね。そうではなくて、
「この5回で一生忘れないように覚えよう!」と思ってやれば練習になります。
覚えたな、と思ったらもう一度同じ問題をやります。
丸付けをしてできていたら勉強が完了したことになります。
この繰り返しが勉強です。こうやって力をつけていくのです。
④練習をする(8分)
では、練習してみましょう。時間は5分間です。
満点だった人は5分後も満点なら変わらずできる状態、1点の人は、2点を目指します。
大事なことは、伸びたか伸びていないかです。
全員が満点を目指すわけではないので、2回目に1つでも書ける字が増えているとよいです。
⑤再度、同じ問題に取り組み、自分で丸付けをする(7分)
同じ問題を印刷して問題にもう一度取り組みます。もう一度行うことで、学習する流れを体験することが目的です。
同じ問題をもう一度やります。
今回の練習は5分でした。
たった5分でも1つだけなら覚えられるかもしれません。
そしたら、ただ5回書いているよりずっとずっと意味があります。
それでは始めましょう!
(プリントを配付してもう一度問題を解く)
⑥漢字マスターを作成する(15分)
新出漢字の学習は、1人1文字ずつ輪番で児童が担当します。30人学級だとすると、30文字を1人1人に割り振ります。順番が回ってきたら、これから作成する「漢字マスターシート」を掲示して、学習を進行します。

「漢字マスターシート」のテンプレートは記事の最後でダウンロードできます。
「漢字マスターシート」を作成します。
これから1年間、新出漢字の学習を順番に担当してもらいます。そのとき、進行するために使うシートです。大きく、丁寧な字で書きましょう。
見本がこれです。(スライド提示)
作成することを通して、書き順や読み、ポイントを1文字覚えることができます。
書き順が難しいとか、どっちが長いなど、担当した文字についてみんなに教えてあげるために調べたり、分析したりして作成してください。
終わらなかった残りが今日の宿題です。
・部首の色を変えたり、太くしたり工夫を承認します。
・終わらせようとして雑にならないように指導をします。
〈代表児童〉音読みは?
〈全員〉シ
〈代表児童〉訓読みは?
〈全員〉始める、始まる
〈代表児童〉部首は?
〈全員〉おんなへん
〈代表児童〉画数は?
〈全員〉8画
〈代表児童〉この漢字のポイントは、1画目は止めること、2画目ははらうことです。気をつけて書いてください。
〈全員〉はい!
〈代表児童〉空書きをします。せ〜の!
〈全員〉イーチ、ニイ、サン、シーイ、ゴ、ロク、シーチ、ハチ!
〈代表児童〉もう一度。せ〜の!
〈全員〉イーチ、ニイ、サン、シーイ、ゴ、ロク、シーチ、ハチ!
このとき、教師は児童の空書きをよく観察します。書き順の間違いがないかチェックするためです。
初めに直しておくことで、正しく書けるようになります。
〈代表児童〉
ドリルに書きます。1文字目、始め!
〈代表児童〉
(30秒程度で見渡して)2文字目、始め!
〈代表児童〉
(2文字目が書き終わるのを確認してから)読みます。
(熟語と例文を全て2回ずつ読む)
イラスト/Remi ISHIZUKA
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