学級づくりにおすすめ! みんなが自然と仲良くなる玉よせゲーム【絶対うまくいく! 体育の超マネジメント#5】

前回の記事では、「運動技能や性別、体格に関わらず、誰もが楽しめる授業をつくる」ことができれば、みんなで楽しめる体育になるとお伝えしました。では実際に、どのような授業が考えられるのでしょうか。今回は、私がおすすめする誰でも楽しめる教材を紹介します。玉入れの玉を使い、友達と対戦しながら楽しめるゲームです。
この教材は「体ほぐしの運動(遊び)」として1時間で完結できるゲームです。クラスの子どもたちの人間関係がまだよそよそしい、年度初めの時期にとくにおすすめです。「みんなが楽しめる体育をしたい」という意図でも、「クラスの子ども同士が仲良くなるきっかけをつくりたい」という意図でも活用できますので、よければ参考にしてみてください。
執筆/環太平洋大学次世代教育学部講師・中安翼
目次
教材「玉よせゲーム」
今回紹介する教材は「玉よせゲーム」といいます。このゲームは、パラリンピックの競技として知られているボッチャをもとに考えた活動です。
ボッチャは、玉を投げて基準となる玉にどれだけ近づけられるかを競うスポーツです。ただし正式なルールで行うと少し複雑です。そこで、1年生から6年生まで、どの学年でも実践できるよう教具やルールを簡単にして授業で取り組みやすくしました。
ゲームの基本的なルールと進め方は次の通りです。
玉よせゲームのルール
- 赤玉と青玉で対戦する
- 投げる場所の目印となるコーンと、目標となる黄玉を2~2.5mの間隔で置いてコートを作る
- 赤と青のプレイヤーがじゃんけん。勝った方が先攻か後攻かを選び、負けた方が玉の色を選ぶ
- 赤玉はコーンの右側、青玉はコーンの左側から投げる
- 赤と青が交互に3球ずつ投げる
- 3球ずつ投げ終えたとき、黄玉に一番近い玉がある方が勝ち
- 投げた玉は黄玉に当たってもよい(黄玉が動いても戻さない)

誰もが夢中になれるゲームの設定
玉よせゲームでは、クラスの人数の半分にあたるコート数をつくります(30人なら15コート)。準備が大変そうに感じるかもしれませんが、基準となる場所にマーカーコーンを置いておけば、あとは子どもたちが準備を進められます。
ゲームはまず個人戦からスタートします。1対1で行いますが、コート数が十分あるため全員が同時に活動可能です。
このゲームでは、玉をコントロールして投げる力が必要になります。しかし、玉入れの玉は一つ一つ重さや形が違い、思ったようには転がりません。俵型の玉があると、より難しくなります。勝敗は運にも大きく左右されるのです。
さらに、決着は最後の一投までわかりません。そのため子どもたちは最後まで夢中になってゲームに取り組みます。
授業の後半は団体戦に移行します。団体戦では1グループ2~3人になり、チームで3球を分担して投げることになります。1人あたりの投げる回数が少なくなるため、一投一投の集中力が高まっていきます。
自然と交流が生まれる個人戦
最初に行う個人戦では、次の約束で行います。
- 時間内に何勝できたかを競う
- 自分が何回勝ったかを覚えておく
- 一度対戦した人とは再戦できない
この約束により、子どもたちは多くの友達と交流するようになります。
玉よせゲームは1ゲーム30秒ほどで終わるため、何度も対戦ができます。しかし同じ人とは1回しか対戦できないため、必然的に多くの友達と対戦することになるのです。
また、何勝できたかを競うため、子どもたちはできるだけ多く対戦しようとします。初めは仲の良い友達と勝負をしますが、時間がたつにつれて普段あまり関わらない友達や男女での対戦も増えていきます。
10~15分ほど活動すると、どの子どもも10回以上は対戦しています。このころには、クラスの雰囲気が少しずつ和らいできていることが感じられます。
温かい雰囲気でできる団体戦のチームの決め方
個人戦を10~15分行ったあと、一度子どもたちを集めて何勝できたかを聞きます。そして次に団体戦を提案します。子どもたちはほとんどの場合「やってみたい!」と答えます。
玉よせゲームには、誰もが楽しみながら学べる体育のヒントがたくさん詰まっています。1時間でできる活動ですので、「体育の授業を楽しくしたい」「クラスの雰囲気を変えたい」と感じたときに、ぜひ一度試してみてください。

中安翼(なかやす・つばさ)
1983年生まれ。広告会社の営業マンから小学校教員に転職。岡山市公立小学校や岡山大学附属小学校の教諭を経て、2025年より環太平洋大学次世代教育学部講師。小学校教員としては体育専科や体育の教科担任を合計10年間経験。15年間で60学級の体育を年間指導してきた。「第38回東書教育賞」最優秀賞「第23回ちゅうでん教育大賞」教育優秀賞など、体育の実践論文における受賞多数。新著に『はじめての小学校体育専科』(アメージング出版、2026年)がある。
イラスト/坂齊諒一、横井智美
