【家での過ごし方提案】「マジックジュース」で科学しよう!
臨時休校により、小学生保護者からは「子どもとどう過ごしたらいいかわからない」といった声も聞かれます。
そんな時は、キッチンでできる楽しい理科実験をしてみてはいかがでしょうか?
元小学校教師で「ひらめきクッキング教室」を主宰する吉岡洋子さんが、子どもが夢中になる「マジックジュース」づくりのコツと、学習ポイントを教えてくれました。
料理は科学の入り口です!
監修/(株)クック・エデュケーション代表 吉岡洋子
目次
「マジックジュース」って!?
「マジックジュース」とは、色が変わったり、泡が出てきたり、液体が混ざらずに重なったりする、まるで魔法がかけられたように変化していくジュースです!
必要な材料
- グレープジュース
- オレンジジュース
- ガムシロップ
- 豆乳
- 重曹
- クエン酸
- 氷
「マジックジュース」の作り方
①グレープジュース(30ミリリットル)に重曹小さじ[MATH]\(\frac{1}{4}\)[/MATH]を入れる
グレープジュースには「アントシアニン」という物質が入っています。その色は紫で、ほぼ「中性」です。アントシアニンにアルカリ性のものを混ぜると青くなり(グレープジュースでは黒っぽく見えます)、酸性のものを混ぜると赤くなります。重曹はアルカリ性です。グレープジュースが黒っぽく変わったのは、重曹を入れたことでアルカリに変わったからなのです。
②クエン酸小さじ[MATH]\(\frac{1}{2}\)[/MATH]を入れる
クエン酸は酸性です。アントシアニンはクエン酸を入れることで酸性になり、色が赤く変化します。発生した泡は二酸化炭素です。これは、重曹(炭酸水素ナトリウム)とクエン酸が化学反応を起こしたからです。
③ガムシロップを加えてよく混ぜ、オレンジジュースを入れる
・ガムシロップを入れてよくかきまぜる。
・氷を入れた後、スプーンやストローなどを使って、静かにオレンジジュースを入れる(氷の上に注ぐと、静かに入れることができる)。
ガムシロップを加えるのは、グレープジュースを重くして、上にオレンジジュースを浮かせるためです。砂糖の糖分には重さがあります。同じ量でも重さが違うことを「比重」と言います。
④豆乳30ミリリットルを静かに入れる
ジュースの果汁成分は主に糖分で、水に溶け込んでいるため(水和)、比重が重くなっています。豆乳は、成分が水和してはいないので、ほぼ水と同じ比重です。そのため、比重の軽い豆乳が上の層に、比重の重いジュースが下の層になります。
学習のポイント(おうちの方へ)
・色素「アントシアニン」は、pH(ペーハー)によって色が変わる
中性では紫色のアントシアニンは、酸性では赤色、アルカリ性では青色に変化します(色の見え方はpHにより変わります)。アルカリ性の重曹(炭酸水素ナトリウム)や酸性のクエン酸(柑橘系のフルーツに多く含まれる)を使って、安全にpHの実験ができます。
・比重の違う液体で層をつくることができる
砂糖を溶かした液体(ガムシロップ)は普通の水よりも比重が重く、豆乳はほぼ水と同じ比重のため、混ざらないように流し込むことで、二層にすることができます。
動画で見る「マジックジュースの作り方」
実験の後は、おいしくいただきましょう。
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