始業式から3日間で作る!先生の好印象
始業式を含めた3日間は、学級の一年間を大きく左右します。この3日間にこれだけはぜひ!というおすすめのポイントを、大阪府公立小学校教諭の川村幸久先生にまとめていただきました。特に、中学年の担任の先生、必読です!
目次
【1日目】学級開きは好印象づくりから
始業式の第一印象が大事
子どもたちの前で校長先生から、担任として紹介されます。このときに子どもたちは、服装・あいさつ・仕草・表情など、教師のすべてを見ています。きちんとした服装・態度はもちろん、子どもたちから親しまれる笑顔も忘れずに。
<始業式の服装のNG例>
- ジャージ・ジーンズ
- 明るすぎる茶髪
- 派手な色や柄のシャツ
- 過剰なアクセサリー
- ノーネクタイ(男)
- ミニスカート
<始業式にふさわしい服装>
- スーツ(ワンピース)
- 清潔感のある手入れされた髪
- 白ワイシャツ
- 春らしい色のスカーフ・ネクタイ
- ひざ丈のスカート
初めての呼名をスムーズに
子どもたちのフルネームをあらかじめ覚えておき、できれば名簿を見ないで一人ひとりの名前を正しい読み方で呼び、子どもの顔を覚えるようにします。(名前を呼ぶときは「さん」「くん」を付けます)
始業式での子どもの良いところをほめる
式が始まるまでの様子や、校長先生の話を聞く態度など、子どもたちの良かったところをほめます。これによって、教師が何を大切にしているかが子どもたちに伝わります
先生の自己紹介には思いをこめて
どんな学級にしたいのか、教師の願いを伝えましょう。それを象徴する絵本や詩を紹介するのもおすすめです。
(例)
・学校は学ぶ場です。間違えることを恐れず、どんどんチャレンジしましょう!
・学校にはいろいろな個性を持つお友達がいます。一人ひとりの違いを認めて仲良くしましょう。
配付物をしっかり手渡し
1日目は、手紙・教科書・ドリルと配付物が多くなります。個人情報に関わる保健調査票などは先生から子どもに直接手渡すようにします。
持ち物に名前を書かせる
教科書やドリルを配り終えたら、ペンで名前を書かせます。子どもがていねいな字で書けるように、書く時間を十分に確保します。
初日から授業開始!
5分、10分というわずかな時間でよいので、可能な範囲で授業をしましょう。おすすめは、新出漢字の学習です。授業をすることで、学習のルールを教えることができます。
学習ルールの例として、手を挙げるときは先生にわかるようにまっすぐ上げる、話を聞くときは手や足を動かさない、発表するときは机の横に足を揃えて立つ、字を書くときは姿勢をまっすぐに……などがあります。
安全第一! 下校指導
道路を歩くときのマナー、横断歩道の渡り方など、1・2年の時に学んできたことを、子供たちと再確認して、安全第一を徹底させます。
1日の終わりは「先生クイズ」の宿題で
初日は、先生にまつわる楽しいクイズを宿題にします。子供たちは、宿題をしながら新しい先生についてお家の人に話すことでしょう。
【2日目】学級経営を本格スタート
朝のあいさつは先生から
2日目のスタートは、朝のあいさつ指導です。
子どもたちが登校する前に教室にスタンバイして、先生のほうから元気にあいさつをしましょう。
宿題・提出物のルールを指導
先生が教室に来る前に先生の机の上に提出するもの、先生が来てから直接手渡しするものの区別を子どもたちに伝えます。
・先生の机に提出するもの・・・連絡帳や宿題
・先生に直接手渡すもの・・・お金・保健調査票・アンケートなど
日直の仕事を決める
日直は2人で行うのがよいでしょう。仕事の内容をはっきりとさせ、子どもたちと確認しておきます。
日直の仕事例
・朝の会の司会進行(連絡事項など)
・給食のあいさつ
・授業の号令かけ
・帰りの会の司会(翌日の予定など)
忘れ物をしたときのルールを明確に
忘れ物をした時のルールを決めておきましょう。
ルール例
・忘れた物を連絡帳に書く
・先生に連絡帳を見せて、言葉で伝える
「先生クイズの答え」で2日目の自己紹介
始業式の日とは一味違う自己紹介をします。前日に宿題にした「先生クイズ」の答えと関連させて、趣味や特技の話も、子どもたちの興味を引く内容としておすすめです。
子どもの自己紹介も一工夫
新しい環境で、子どもたちは不安でいっぱいです。
子どもたちの気持ちがなごみ、楽しくなる自己紹介の仕方を計画しましょう。
例えば、名前を使った「あいうえお作文」や、自己紹介カードを使った「私は誰でしょうクイズ」などがおすすめです。自己紹介カードには、好きな食べ物や頑張りたいことなどを書きます。
発表が苦手な子には、前日に個別に声をかけ、当日は様子を見ながら一緒に読んであげるなど、無理をさせないようにします。緊張しやすい子供の有無など、引継ぎ時に確認しておきます
当番活動の割り振り
必要な当番を決めます。特に給食や掃除の当番はこの日から必要になります。
子どもたちは当番活動を通して、学級の一員として責任を果たすことの大切さを学びます。一人一当番制で、責任をもって取り組むようにしましょう。
教室での物の置き場所を決め
子どもたちが持ち物をきちんと整理・整頓できるように、何を・どこに入れるかを決めましょう。道具箱・ロッカー・机の横・筆箱などに分けて決めておきます。
※持ち物は学校や学級によって様々です。学校の実態に合わせ、学年で相談するようにしましょう。
給食指導で準備をスムーズに
新学期初めての給食です。最初に準備の進め方を説明します。配膳の仕方や手洗い場所、給食当番の並び方を給食時間までに確認しましょう
掃除当番表を作っておく
前もって当番表を作っておきます。掃除の前に当番表を見て、することの手順を確認するとスムーズに掃除ができます。
【3日目】 ルールの定着と児童理解を
決めたルールの再確認
3日目にもなれば、少しずつ友達や担任にも慣れ、緊張がほぐれてきます。
1・2日目に子どもたちに伝えたルールを教師自身が再確認して、言いっぱなしの指導にならないようにしましょう。伝えたルールは、特別な事情がない限り、継続して指導することを徹底させます。
体育の授業開始
国語、算数の最初の授業は順調に終わりましたか? 子どもたちの実態をつかみ、新しい学習に意欲をもたせるためにも、3日目までには体育の授業をするとよいでしょう。
【3日目以降〜1週間以内】保護者との信頼関係づくり
すべての家庭に電話する
保護者の方とは、保護者会か家庭訪問の時までお目にかかりません。質問や伝えておきたいこともあるでしょう。1週間以内に、すべての家庭に一度は電話で話をしておくことを勧めます。
●あいさつ
(例)「はじめまして。今年度担任をすることになりました川村です。古川さんのおうちの方ですか。一年間よろしくお願いします。今、お時間少しよろしいでしょうか?」
●子どもの良いところを伝える
(例)「今日、ふみなり君が掃除の時間に友達の机をていねいに拭いてくれました…。
おうちでも、一生懸命に掃除をしたことをほめてあげてください」
●子供のことで、わからないことを保護者の方に聞く
(例)「給食のことで気になっているのですが、あまり量を食べられないみたいですね。昨年まではどの程度減らしていましたか?
●保護者の方が、学校のことで困っていること・わからないことがないかを確認
(例)「新しい学級で、何かお困りのことや、ご不明なことはありませんか? もしあったら、いつでもご連絡ください」
構成/エディット
『小三教育技術』2018年4月号より