後方支持回転(空中逆上がり)の授業はどうすればいいの? 【使える知恵満載! ブラッシュアップ 体育授業 #83】


子どもたちに「空中逆上がり」という呼び名で親しまれている、鉄棒運動の「後方支持回転」です。これにどのようなステップで取り組めばよいかわからない方も、いらっしゃると思います。子どもたちの呼び名には、「逆上がり」とつきますが、鉄棒運動の「回転技」に分類されています。回転技は、回転軸を鉄棒に近づけることと回転の勢いが、技を成功させるポイントになります。
だるま回りのように続けて回転することは難しい技ですが、一人一人の技能に合わせてバリエーションをもたせることができます。
執筆/筑波大学附属小学校教諭・眞榮里耕太
監修/筑波大学附属小学校教諭
体育授業研鑽会代表
筑波学校体育研究会理事・平川譲
目次
1.体を支えるところから
まずは、鉄棒の上で体を支持する「つばめ」に取り組みましょう。つばめは、鉄棒の上で肘を伸ばして体を支える技です。
おなかの高さくらいの鉄棒を握って立ちます。真上にジャンプをして鉄棒の上に上がります。鉄棒の上に上がる際に、手首を返して腕に力を入れて姿勢を保ちます。腕に力を入れることに加えて、この手首の返しが回転するときに重要になります。

この動きを繰り返してみましょう。慣れてきたら鉄棒の高さを徐々に高くしてみます。上のイラストのように胸や顔の高さの鉄棒でつばめができると、腕に力を入れることができている証拠です。チャレンジしてみましょう。
2.振りとびにチャレンジ
空中逆上がりで回転の勢いを生むのは、両足の大きな振動です。この動きを身につけるために、振りとびにチャレンジします。

この運動は、つばめの姿勢から足を大きく前後に振ることから始めます。後方に足が振れたときに、足が鉄棒よりも高く上がることを目指します。このとき、肘を伸ばしたままの意識で取り組みます(鉄棒におなかが何度も当たると痛いので、タオルなどを巻いて痛みをやわらげましょう)。
足を大きく振れるようになったら、いよいよ後方にとび出します。前方に大きく振った反動で後ろにとび出します。とび出す瞬間に鉄棒を両腕でしっかりと押しましょう。その後、バランスを崩さないように両足でしっかりと着地します。
鉄棒の後ろ(1m程度)にゴム紐を張ったり、目安のラインを引いたりしましょう。慣れてきたらゴムの位置を遠くにしたり数を増やしたりして、どこまでとべるか確認してみましょう。