小学校の教育実習に万全の準備と心構えで臨もう! “教育実習力”向上アドバイス【前編】

教育実習を行うにあたって「指導案さえ書ければ大丈夫」ということは決してありません。充実した教育実習を行うには、実習に向かう姿勢である「実習力」を磨くことが大切です。あなたの実習力をさらに向上できるように、今回は教育実習“前”に準備しておくべき心構えやポイントを伝授します。
指導/小泉博明(文京学院大学名誉教授)
※本記事は前・中・後編記事の前編です。中編はこちら。後編はこちらです。
目次
学ぶのは授業だけじゃない!
実習に臨む学生は、きちんと授業ができるかどうかばかりを心配しがちです。しかし、教育実習で学ぶのは教科指導だけでなく、朝と帰りのホームルームや給食、清掃活動、クラブ活動など、教員の仕事全て。授業以外の場面でも積極的に仕事を学び、実践しましょう。
時期によっては、実習期間に運動会や遠足などの学校行事が入っていることもあります。子どもたちがいきいきと活動するために教員はどのようにして指導しているのか。現場で学ぶ貴重な機会なので、しっかりと見て勉強したいところです。
もちろん、子どもたちとの関わりを充実させることも忘れてはいけません。「クラスの子どもたちに会うのが楽しみだ」という心持ちで、教育実習の本番を迎えましょう
教材研究で差が出る
とはいえ、教科指導への不安が頭を離れないという人もいるでしょう。その不安を拭うためにもしっかりとやっておきたいのが、教材研究です。
実習の1か月ほど前になると、事前打ち合わせで実習先の学校を訪ね、担当学年などが知らされます。研究授業の内容などもここで相談することになるでしょう。教材研究の参考になりそうな資料や情報はこのときに収集しておきたいですね。
手を抜いた教材研究は、研究授業を見た先生方にはすぐわかりますし、子どもたちから想定外の質問が出ることもあります。教材研究は早めに始め、多くの引き出しを用意しておきましょう。
ポイントは自己紹介!
クラスの子どもたちとの初対面、自己紹介は信頼関係を築くための大切な一歩です。しかし、自己紹介をするのは、朝のホームルームなど、時間が限られている場面がほとんど。端的にインパクトのある自己紹介を行いましょう。
自己紹介は、ポイントを絞って話すのが効果的です。例えば、「夢」「勇気」「友情」という自分のモットーを「3Y」というキーワードでまとめ、「僕のモットーは3Y! みんな、後ろの黒板で確認してね!」などと締めれば、「どんな先生なのかな?」「3Yって何だろう?」と子どもたちに興味をもってもらうことができます。

帰りの会などで少し時間をもらえたときには、掲示した内容について手短にエピソードなどを話してみましょう。先生方の前で自己紹介をする場合もあるので、自分らしさが伝わるエピソードを用意しておきたいですね。
※本記事は前・中・後編記事の前編です。中編はこちら。後編はこちらです。
イラスト/タバタノリコ