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漏れない!速い!わかりやすい!プリント配付研究所

2019/4/2

一見シンプルな作業に思えるプリント配付。しかし、低学年、とくにプリント配付に慣れていない一年生のクラスでは、思わぬハプニングや時間のロスなどが生じてしまいます。そこで、毎日漏れずにスマートに配付できる秘訣を、神奈川県三浦市教育委員会教育研究所指導主事(所属は当時)鈴木夏來さんに教えてもらいました。

まずは、あなたが日頃行っているプリント配付方法について、教えてください。次の項目で該当するものにチェックを入れましょう。

プリント類は、前の席から順に配っている

床にプリントが落ちていたことがある

配ったはずなのに「手紙をもらっていない」と保護者に言われることがある

家庭実数の手紙を配るのは難しい

家庭実数の手紙が足りなくなって、職員室に取りに戻ることがある

気になる子の引き出しに、プリント類がたくさんたまっていた

欠席した子のプリント類をまとめるのは大変だ

週末など、配布物が多い日がおっくうだ

一年生に手紙を配布するのは面倒だ

3つ以上チェックがついた方は要注意です。実は、私がはじめて一年生を担任したとき、すべてに該当しました!  「このままではいけない。なんとかよい方法を探りたい」と試行錯誤の末に生まれた、プリント類配付のアイディアを紹介しますので、参考にしてみてください。

【プリント配付研究所の原則1】責任者が配る

プリント類を配るときに何より大切なことは、責任者がいることです。責任者不在とは、例えば列ごとにプリント類を配る場合、1枚取ったら後ろに回していくようなケースです。この場合、次のようなことになりがちです。

プリント類配付のトラブル例
プリント類配付のトラブル例  イラスト/川野郁代

「あるあるトラブル」事例
・配られたプリントを読み入ってしまい、後ろに回すことをつい忘れる子がいる
・「早く回せ」と後ろの子とトラブルになる
・後方を確認せず手を離したため、プリントが床に落ちる
・落ちたプリントを誰が拾うか言い合いになる
・欠席の子の席にそのままプリントを置く
・欠席の子の席でプリントの流れが止まる
・家庭実数の場合、「もらわずに後ろに回すこと(=スルー)」が難しく、ついもらってしまう
・最後まで届くのを確認していたら、最前列でもらった子が課題を終えていた

これらを防ぐには、責任者方式がおすすめです。

責任者方式1:「列貫通配付」

列で1人責任者を決め、その子が列の必要数を担任まで取りに来て配ります。家庭実数や欠席の子のことも配慮して、責任を持って配ってもらいます。

列貫通配付は、対面式のオーソドックスな机並びで特に有効です
「列貫通配付」は、対面式のオーソドックスな机並びで特に有効です  イラスト/川野郁代

責任者方式2:「グループ配付」

班や話合いの机並びになっているときに有効な配り方が、グループ配付です。班長や副班長など班の責任者が、「3班です。5枚ください」と担任まで取りに来て配ります。

グループ配付の図
グループ配付の図  イラスト/川野郁代

このように責任者方式にすることで、担任は一歩も動かず、プリントや手紙を正確かつ迅速に配ることができます。

【プリント配付研究所の原則2】第三者にも分かりやすく

家庭実数は、第三者が分かるマークで表示

一年生の子どもに家庭実数の意味を理解させるのは大変です。やさしく説明して家庭実数の人に挙手させてみたものの、気がつけば、手紙が足りなくなり、職員室に予備をもらいにいくようなこともしばしば。このような場合は、「お家(うち)マーク」がおすすめです。机の上の名札のそばや、机の前面などにこのマークを貼っておくだけです。 「お家マーク」を机に明示することで、家庭実数を「見える化」しています。本人はもちろん、第三者が家庭実数の手紙の必要について、容易に判断することが可能になります。

「家庭実数」を表す「おうち(家)マーク」
「家庭実数」を表す「おうち(家)マーク」  イラスト/川野郁代

山折り&表題で検索スピードアップ

手紙・プリント類は、山折りにして連絡袋に入れるよう指導しましょう。文字や表題が見えるので、学校でも家庭でも、取り出す際、回収の際の検索スピードが上がります。“見えるようにしてしまう”ことが、子どもたちの習慣となります。

プリント類の折り方&しまい方
プリント類の折り方&しまい方  イラスト/川野郁代

欠席した子の引き出しを机の上に出す

欠席した子どもがいる場合、欠席の連絡袋は下校時まで担任が預かっていることが多いので、子どもたちはそれまで手紙類を連絡袋に入れることができません。その代わりに、机の引き出しを机上に出して、手紙類を入れさせます。カゴの代わりになり、床に手紙類が散逸するのも防ぎます。最後に担任や保健係が、連絡袋に連絡帳と一緒に入れるなどして取りまとめます。

欠席した子の引き出しを机上に出す
欠席した子の引き出しを机上に出す  イラスト/川野郁代

また、この方法は、お家マーク同様、第三者が把握できるのでとても便利です。仮に担任であるあなたがいなくても、代わりの誰かが、欠席した子の手紙類を漏れなく揃えることができるということ。そこが引き出しシステムの最大の長所です。

【プリント配付研究所の原則3】「干物型配付」で、種類や順番を明示

連休前や週末には、学級通信・予定表・学校便り・チラシなど、多くの手紙類が配られます。種類・大きさが異なる複数の手紙を、すばやく、かつ正確に配付するアイディアもあります。例えば、週末に次のプリント類を配付するとします。

  ・学級通信「なかよし」
 ・学校だより「〇小だより」
 ・宿題「ひらがなプリント」
 ・献立表「給食だより5月号」
 ・給食の支払い領収書(個人名入り)
 ・チラシ「水族館割引券」
 ・ベルマーク通信
 ・チラシ「サッカー教室のご案内」
 ・学年通信「ひよっこ」

数えてみると、なんと9枚も! 「忙しい週末に、どうしてまとめて配るかな?」「一年生に手紙を配るのがどれだけ大変か、管理職はわかっているのだろうか?」と、ボヤきたくもなります。しかし、こんなときこそ、一年生担任の腕の見せどころです。

ポイント1 全員分と家庭実数分を仕分ける

まずは仕分けです。学校からの手紙は、クラス全員分のものと、家庭実数分(お家マーク)のものがあります。家庭実数分を誤って配付してしまうと、後で数が足りなくなって回収したり、職員室に取りに行ったりと一苦労です。ですから最初の仕分けがとても大切なのです。

A 全員に配付する=クラス全員分の枚数がある
B 家庭実数に配付する=クラス全員に配ると足りなくなる

上記の9枚は、次のように仕分けることができました。
A 全員に配付する
 ・学級通信「なかよし」 
 ・宿題「ひらがなプリント」
 ・学年通信「ひよっこ」
 ・チラシ「水族館割引券」
 ・給食の支払い領収書(個人名入り)

B 家庭実数に配付する
 ・学校だより「〇小だより」
 ・献立表「給食だより5月号」
 ・ベルマーク通信
 ・チラシ「サッカー教室のご案内」

ポイント2 配る順番を決める

次に、配る順番を決めましょう。配ると同時に説明が必要なものは、先に配るのが基本です。チラシ等は後回し。配付するプリント類について、次のように並べ替えました。

配付順番(例)
A①学級通信「なかよし」 
A②宿題「ひらがなプリント」
A③学年通信「ひよっこ」

B④学校だより「〇小だより」
B⑤献立表「給食だより5月号」
B⑥ベルマーク通信

A⑦チラシ「水族館割引券」
B⑧チラシ「サッカー教室のご案内」
A⑨給食の支払い領収書(個人名入り)

ポイント3 マグネットクリップで掲示する

何を配るのか、口で言っても一年生にはなかなか伝わりません。なので、ひと目でわかるように、同じものをマグネットクリップなどで挟んで、黒板に貼っておくとよいでしょう。配られたプリントの種類について、色や形、大きさで一年生は見分けます。

ポイント4 手紙に番号を振る

黒板に掲示したプリント類には、さらにチョークで番号を振っておきましょう。「〇小だより」というよりも、「4番の手紙」のほうが確実です。子どもも「先生、4番の手紙が足りないので、もう1枚ください」というように、こちらに伝えるのが容易になります。具体的な番号によって、伝達ミスによる誤配付のリスクを摘んでいくのです。

配付物の黒板掲示例
配付物の黒板掲示例  イラスト/川野郁代

ポイント5 誰が配付の責任者か明示する

数種類のプリント類を、それぞれ誰が配るのか、黒板に明示します。チョークで責任者を記しておきましょう。私の場合、班長と副班長に交互に取りに来てもらいます。班長は「は」、副班長は「ふ」と省略して黒板に表記。「くばリーダー」が配るのであれば、くばリーダー1号と2号を設け、「く1」「く2」などと黒板表記しましょう。
なお、個人名の入った給食の領収書は、番号順に取りに来させたり、手の空いている子に配らせたりします。「未納」の領収書など、配慮が必要な場合は、担任が渡しましょう。

「干物型配付」の声かけ例

上記イラストのように黒板に掲示すれば、プリント類の配付はほとんど終わったようなもの。多くの声かけは要りません。次のようにして、順番に取りに来させましょう。
「本日のお手紙はなんと、9枚もあります」
「1番、学級通信。班長さんおいで」
「次、2番、宿題。副班長さんお願いします」
「5番、献立表。お家マーク。班長さんどうぞ」
というように、1番から順に、班の代表者に取りに来させます。班長や副班長は、次のように担任に声を掛けます。
「1番を5枚ください」
「5番はお家マークなので、2枚ください」
担任は、班長や副班長が言う番号の手紙を枚数分数え、渡していきます。家庭実数の数や、欠席者の数を気にせず、スピーディーに配ることが可能です。

慣れたら、学級委員に委任

プリント類の配付に慣れてきたら、最終的には学級委員に任せてみてもよいでしょう。上記のように黒板に掲示し板書したり、プリントの枚数を数え班長・副班長に渡したりと、一連の配付を任せてみましょう。

『小一教育技術』2016年5月号より

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