リコーダーで奏でる笑顔!~みんながリコーダー好きになる指導ポイント大紹介~(前編)

「ピピッ、ピピッ」と、校内から聞こえてくるリコーダーの音色は、小学校のステキな1シーンですね。しかし、初めて楽器に触れる児童たちにとって、リコーダーの指使いは難しく、苦手意識を持っている児童もいるのではないかと思います。中には、音が出ないことに悩んでいる児童も…。そこで、音楽の楽しさを伝えるために効果的なリコーダー指導をしていきましょう。
【連載】マスターヨーダの喫茶室~楽しい教職サポートルーム~

目次
1 私の町の思い出深いパレード
毎年、私の住む町では特別なお祭りが開催されます。そのお祭りの中心で、学校のパレードが行われています。パレードの先頭を飾るのは、鼓笛隊です。私も小学生の頃、その一員として参加した経験があります。
太鼓やマーチングベルなど、特別な楽器を演奏する子たちはごく一部。何と言ってもパレードの大部分を構成するのはリコーダー部隊です。私はそのリコーダー担当になり、練習に励みました。しかし、周りを見回すと、しっかり演奏ができないために吹く真似をする「エアリコーダー」の子もいて、思わず不安が募りました。音楽にはセンスやリズム感が必要であることを学びました。シンプルなリコーダーでも、演奏次第で演奏者の個性を際立たせることに気づきました。
その後、機会を得てわたしは教員となり、児童たちが楽しく音楽を学べる環境を整えることに真剣に取り組むようになりました。かつてのパレードで一番上手く演奏できた(と思い込みたい…)自分を思い描きながら、児童たちに素晴らしい演奏を披露したり、児童にもリコーダーに親しんでほしいと願うようになりました。
この夏、久しぶりにプロのリコーダー奏者による実技指導の講習会に参加しました。そこで改めてリコーダー演奏の深さや魅力を実感し、自身の指導法を見直す貴重な機会となりました。一人でも「エアリコーダー」状態にならないようにしっかりと指導していきたいです
2 リコーダー指導の意義
わたしたち教員は、リコーダー指導の教育的意義を深く理解することが重要です。リコーダーは単なる楽器演奏にとどまらず、児童の成長に多面的な影響を与えます。
⑴ リコーダーが選ばれる理由
① 安価で丈夫、持ち運びが簡単
リコーダーは軽量で持ち運びが容易なため、学校教育において非常に適しています。特に小学生には扱いやすい楽器です。
② 指使いが比較的簡単で、短期間で曲が演奏可能
初心者でも比較的早く音を出せるため、児童の学習意欲を高めやすいです。これにより、音楽への興味を持たせる第一歩となります。
③ 明るい音色が集団演奏に適している
リコーダーの音色は明るく、合奏時には他の楽器とも調和しやすいです。これにより、児童同士のコミュニケーションも促進されます。

⑵ リコーダー教育の効果
①「集中力」の向上
楽譜を読みながら演奏することで注意力が養われます。音楽に対する集中力は、他の学習活動にも良い影響を与えます。
②「協調性」の育成
合奏を通じてチームワークの重要性を学びます。音を合わせることで、他者との関係性や協力することの大切さを実感できます。
③「達成感」と自信の獲得
曲を演奏できるようになる喜びを体験し、自信を深めます。発表会などの機会を通じて、自分の成長を実感できることでしょう。