いつもより早く下校する子どもたちへのお話例【松下隼司先生の音声つき】#先生のための先生のお話
これからの時期、家庭訪問や期末の個人懇談会などで下校が早まること、ありますよね。そんな時に限って起こりがちなのが「うちの子が帰ってこない」「ランドセルのまま遊んでいる」といったトラブル。この記事では、みんなの教育技術で人気連載をもつ松下隼司先生が、下校が早い時に子どもたちに向けてしているお話の例を紹介します。
この記事は、音声プラットフォームVoicyとのコラボ企画「#先生のための先生のお話」の取組です。ここで紹介するお話は松下隼司先生のVoicyで聞くことができます。間の取り方や声色など、実際に話す時の様子がイメージしやすい音源になっているので、ぜひ参考にしてください。
早く帰れることで浮足立っている子どもたちへのお話
今日から家庭訪問で、いつもよりもさよならをする時刻が早いよね。13時半ぐらいにさよならをします。嬉しいよね。でもね、早く帰る日に気をつけてほしいことが2つあります。注意してほしいこと、 気を付けてほしいこと。その2つ、なんだと思う⁉ ちょっと近くの人と話し合って。【POINT1】
(子どもたちの話し合い後)
その2つとは安心と安全です。【POINT2】
みんなのお家の人はね、心配してます。安心させてあげてください。うちの子、ちゃんと早く帰ってくるかなって。すぐに家に帰ってくるかなって。寄り道せえへんかなって。さよならして、学校の前とか近くの公園でぺちゃぺちゃお喋りして帰るの遅くならへんかなって。なんやったら、ランドセル背負ったまま 友だちの家に遊びに行ってませんかって。お仕事されてるお家の方もね、ちゃんと家で帰ってきてくれるかなって心配してるからね。ランドセル背負ったまま寄り道したり、 立ち話したり、友だちの家に遊びに行ったり、いつもとは違う道で帰らへんかなって。そんなことしたらあかんよ。
では次に、安全です。時間があってたくさん遊べるけれども、交通事故に巻き込まれたり、事件に巻き込まれたり、遊んだらあかんところで遊んだらあかんよ。公園から飛び出して道路走ったり、変な人に声かけられてついていったらあかんよ。
放課後たくさん自由に過ごせる時間がある日は、安心と安全に特に気を付けてください。【POINT3】
【POINT1】子どもたちが主体的に考えるように問いかける
大切な2つのことについて、教師がいきなりこの2つを言うのではなくて、子どもたちからまずはいっぱい意見を出してもらいましょう。子どもから出してもらうことで、 教師が思ってないようなこと、あるいは予想できてなかったことも話してくれるかもしれません。それをまずは子どもから引き出して、板書して見える化するのもいいと思います。その上で、子どもから出なかったことをこちらから「そういえば、これとこれ出てなかったね」と、話す。そうすることで、お話がより強く印象に残ります。
【POINT2】2つのキーワードにまとめて話す
今回のような場合は、大切なことを「安心」と「安全」という2つのキーワードでまとめて話すとわかりやすくなります。
その上で、具体例を出していきましょう。例えば、マンションの敷地内など、ボール遊びをしたらダメな場所でボール遊びをしている実態があるようなら、それはしてはいけませんという指導もしておきます。また、放課後の時間が長くなった分、子どもたちのSNSのトラブルにも気をつけないといけません。LINE自体はいいのですが、そこで悪口とか、グループラインでの仲間外れとか、そういったことが起きることもあります。子どもたちの実態に合わせて、そういうことがないように事前に話しておきましょう。お金関係のことも注意しておきたいですね。おごってもらうとか、おごらせられたとか、保護者の方も心配されるところだと思うので、お金のやり取りはしないようにということも話をします。これも子どもの実態によりますが、万引きとか、そういうことが起きやすい状況があれば、事前に話しておくことが心理的なブレーキになります。
【POINT3】心配なときには朝の会と帰りの会で2回話す
子どもたちへのお話は、帰りの会でさよならをする直前に話すだけでいいのですが、心配だなと思ったら朝の会と帰りの会の2回話します。そして次の日に「どうでしたか? 安心、安全に過ごせましたか?」「寄り道や立ち話をしませんでしたか?」と、確認をします。高学年になると、下校した後に立ち話をする子どもたちが結構多いのです。ですので、翌日の朝にその確認をするのもよいと思います。
先生は「お話」をする機会が多い職業ですよね。授業開きや行事でのお話、身体を動かすことや読書の魅力を伝えるお話……みなさんの中にあるとっておきの「お話」を、全国の先生にシェアしてくださる方はぜひ、Voicyとのコラボ企画「#先生のための先生のお話」にご参加ください。
※配信の形式にはきまりがあります。本企画のプレスリリースの最後の記載をご参照ください。