小6らくらくUnit 4「Summer Vacations in the World」⑤【モトヨシ先生のスライドde外国語】

連載
モトヨシ先生のスライドde外国語(活動)~パワポで楽しくらくらくICT授業

パワーポイント教材を映すだけで授業を進められる「モトヨシ先生のスライドde外国語」。今回は、NEW HORIZON Elementary English Course 6 Unit 4「Summer Vacations in the World ~世界と日本の夏休みの過ごし方を比べよう~」第5時(夏休みの思い出を紹介する英語の言い方に慣れよう!)の授業案です。本好利彰先生が作成したパワーポイント(スライド)教材1つで、外国語活動の授業をらくらくクオリティアップ!

執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学教授・居村啓子

スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう

小学校6年生の「NEW HORIZON Elementary English Course 6」のUnit 4「Summer Vacations in the World ~世界と日本の夏休みの過ごし方を比べよう~」全8時の5時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し、活用してください。

パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方

この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
パワポダウンロードへボタン

  • クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
  • デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。

目標と授業の流れ

単元のゴール
自分たちの夏休みについて紹介する文を書いて、みんなで伝え合おう。
○本時の目標
夏休みの思い出を紹介する英語の言い方に慣れよう!

単元の評価規準(クリックすると各領域の評価規準が表示されます)

【聞くこと】
●知識・技能
〈知識〉

I went to ~. I enjoyed ~. I ate ~. It was ~. およびその関連語句などについて理解している。
〈技能〉
世界と日本の夏休みの過ごし方などについて、聞き取る技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
相手のことをよく知るために、世界と日本の夏休みの過ごし方などについて、短い話の概要を捉えている。
●主体的に学習に取り組む態度
相手のことをよく知るために、世界と日本の夏休みの過ごし方などについて、短い話の概要を捉えようとしている。
外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、海外の国について、短い話の概要を捉えようとしている。

【読むこと】
●知識・技能
〈知識〉
自分たちの夏休みの思い出を紹介することなどについて、簡単な語句や基本的な表現を理解している。
〈技能〉
自分たちの夏休みの思い出を紹介することなどについて書かれた英文を理解する技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、自分たちの夏休みの思い出を紹介することなどについて書かれた簡単な語句や基本的な表現の意味が分かり、声に出して読んでいる。
●主体的に学習に取り組む態度
自分のことを伝え相手のことをよく知るために、自分たちの夏休みの思い出を紹介することなどについて書かれた簡単な語句や基本的な表現の意味を分かろうとし、声に出して読もうとしている。

【話すこと】
●知識・技能
〈知識〉

I went to ~. I enjoyed ~. I ate ~. It was ~. およびその関連語句などについて理解している。
〈技能〉
I went to ~. I enjoyed ~. I ate ~. It was ~. およびその関連語句などを用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合う(話す)技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、自分たちの夏休みの思い出を紹介することなどについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合っている(話している)。
●主体的に学習に取り組む態度
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、自分たちの夏休みの思い出を紹介することなどについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おう(話そう)としている。
外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、日本の夏について、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おう(話そう)としている。

【書くこと】
●知識・技能
〈知識〉

自分たちの夏休みの思い出を紹介することなどについて、英文の語順などを理解している。
〈技能〉
自分たちの夏休みの思い出を紹介することなどについて、例文を参考に書く技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
自分のことを伝えたりするために、自分たちの夏休みの思い出を紹介することなどについて、例文を参考に書いている。
●主体的に学習に取り組む態度
自分のことを伝えたりするために、自分たちの夏休みの思い出を紹介することなどについて、例文を参考に書こうとしている。

○言語材料
(表現)
I went to ~. I enjoyed ~. I ate ~. It was ~. など
(語彙)したこと(went など)、食べ物(curry and rice など)、自然(desert など)、デザート(cake など)、味(bitter など)

本時の流れ(例)

  1. 挨拶
  2. ALTの夏休みの紹介
  3. 単元のゴール、本時のめあての確認
  4. デジタル教科書 Starting Out
  5. ポインティング・ゲーム
  6. クリップ・ゲーム
  7. 教師の夏休みの紹介→「書く」活動の説明
  8. アルファベット小文字26文字テスト
  9. ふり返り

各活動の流れ

①挨拶

元気に明るく挨拶をして、How are you? How’s the weather? などの質問を児童にしてみましょう。

②ALTの夏休みの紹介

デジタル教科書P38 Enjoy Communication の動画を視聴し、児童が本単元で扱う表現を知り、学習の見通し(自分たちの夏休みについて紹介する文を書いて、みんなで伝え合おう)をもてるようにしましょう。動画を視聴させたら、どんな話をしているかをペアで話し合わせるとよいでしょう。

本時は、夏休み後の授業の初回を想定しています。ALTの夏休みを紹介して、単元のゴールである「自分たちの夏休みについて紹介する文を書いて、みんなで伝え合おう。」につなげていきましょう。

パワーポイントには、ALTの夏休みの紹介例のスライドを挿入してあるので、参考にしてください。ALTが旅行に行ったならば、ALTが訪れた場所の写真をスライドに挿入して紹介するとよいと思います。

ALTの自己開示の内容確認を英語で行うと、おおよそ以下のように進めることができると思います。


Tim, how was your summer vacation?

I went to Shirahama in Wakayama.
I enjoyed fishing. It was fun.
I ate seafood. It was delicious.

児童にTim(ALT)の話した内容を問います。

Where did Tim go?

I went to?

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

和歌山

That’s right. I went to Shirahama in Wakayama.

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

What did he enjoy?

Fishing.

Yes, I enjoyed fishing.

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

What did he eat?

シーフード

Yes, I ate seafood. I like it.
How was your summer vacation?

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

ALTが不在の場合は、録音した音声をスライドに入れておいて、ALTの夏休みについての紹介を行いましょう。

コロナ禍の当時は、ステイホームが求められていたこともあり、「どこに行ったの?」のやり取りに困り、この単元を行うのは難しかったです。そのような状況下でも授業を進めなければならないので、逆にステイホームを前提としたALTの自己開示を行いました。家でできることもたくさんあるので、それらを英語で表現することを課題として行いました。参考までにコロナ対応のスライドも非表示で入れておきます。ALTがいない場合の音声録音版です。
 ⇒ 

③単元のゴール、本時のめあての確認

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

④デジタル教科書 Starting Out(P33~34)

デジタル教科書の Starting Out の内容です。夏休みの過ごし方について、聞こえた順に□に番号を書かせましょう。

ワークシートは記事の最後でダウンロードできます

デジタル教科書の動画で視聴させるか、音声のみで視聴させるかは、実態に合わせて選択するとよいでしょう。私の場合は4問あれば1、2問目は動画で、3、4問目は音声のみで行うことが多いです。

⑤ポインティング・ゲーム

教師やALTが発話した英語のイラストをタッチさせるゲームです。ダウンロードできるワークシートを使って、まずは教師とALTでデモンストレーションを行いましょう。ALTが発話した英語のイラストを教師が素早くタッチすると、すぐに児童は理解するでしょう。

ワークシートは記事の最後でダウンロードできます

ALTがいない場合は、ALTの音声を事前に録音しておき、教師自身がイラストをタッチして行うこともできます。また、ポインターがあれば、手元でポインターをクリックして音声を流しながらモニターをタッチできるので、1人でデモンストレーションが可能です。1人で授業をする場合には、ポインターがあると便利ですね。

私は、単語から始めて、徐々に文章にしていく形でポインティング・ゲームを進めていきます(文章のポインティング・ゲームは次時に行います)。本時は、夏休み後の1時目ですので、イラストの単語をどんどん発話していきましょう。まずは1人で何度か行い、次はペアになって2人で1つのワークシートを使わせるとよいと思います。ペアでの競い合いは3回勝負にして、ペア替えしながら繰り返し行いましょう。

⑥クリップ・ゲーム

ワークシートは記事の最後でダウンロードできます

<準備物>色の違うクリップなど(ワークシートはポインティング・ゲームと同じものを使います)

4色のクリップ(クリップでなくても4色あればOK)をイラストの上に自由に置かせます。教師が言った英語のイラストにクリップがあれば、取り除きます。最後までクリップが残っていたら勝ちです。イラストは全部で12個あるので、6つの英語表現程度で行うとよいでしょう。

最初に、スライドを使ってALTとデモンストレーションを行いましょう。先ほどのポインティング・ゲームでは、単語で行っていましたが、クリップゲームからは英文を聞かせるようにしましょう。

ポインティング・ゲームのとき→ hiking  クリップ・ゲームのとき→ I enjoyed hiking.

Now, let’s play the clip game.

O.K.

I am going to do a demonstration. I have four clips, blue, yellow, grey and orange.
I am going to put four clips like this.(自由に置いていく)

Now, listen to Tim(ALT).

I enjoyed swimming.

もしクリップが swimming の上にないとします。

Yes. (と小さくガッツポーズやセーフのジェスチャーをする)

Next, please. Listen to Tim(ALT).

I ate shaved ice.

(悲しそうに)Oh, no! My gray clip, goodbye.(と言って灰色のクリップを取る)

デモンストレーションでは、あと2文も同じ要領で進めてみましょう。

I went to the mountain. (セーフ)
I enjoyed hiking.(アウト→青いクリップを取る。)

デモンストレーションの最後に、残ったクリップの数がポイントになることを伝えましょう。1回目は、1クリップ1点で行うとよいでしょう。

How many points do you have?

I have two points. Now, it’s your turn.
I will give you clips. Put your clips on your worksheet.

教師1人で行う場合は、音声が入ったスライドがあるので、そちらも活用してください。

<時間に余裕がある場合の工夫>
2戦目・クリップ毎に点数を変える。
例えば orange4点、blue3点、yellow2点、gray1点などのようにすると、1戦目より楽しんでできます。
3戦目・ポイントを秘密にする。
4色のポイントを秘密にして、最後にポイントを知らせる工夫もできます。2戦目より楽しんでできます。
4戦目・スペシャル運試しゲーム①
4色のクリップを置き、通常は12表現のうち6表現程度でゲームを終えますが、今回は12表現のうちの11表現まで行います。こうすると、クリップが最後まで残っている児童は限られます。ドキドキしながら取り組むでしょう。
5戦目・スペシャル運試しゲーム②
やり方は4戦目と同じです。11問全部終わった後に、教師がクリップの色を1つ選びます。これでチャンピオンが決まります。

⑦教師の夏休みの紹介→「書く」活動の説明

ここまで、ALTの夏休みの紹介、デジタル教科書のビデオ視聴を行い、音声による夏休み紹介の英語の表現に慣れてきました。同じ形で今度は、教師自身の自己開示を行いましょう。教師の自己開示を例として、児童自身の夏休みについてワークシートにどのように書いていくか、ライティングの活動につなげていきます。

Let’s ask Mr.Motoyoshi how his summer vacation was.
Let’s say it together. How was your summer vacation?

How was your summer vacation?

I went to Hokkaido. I enjoyed the view. It was beautiful. I ate いくら丼. It was delicious.

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

ALTが夏休みの紹介をしたときに英語で質問をして、内容の確認を行いました。同じ要領で進めることもできるでしょうし、少しペアで相談させてから確認することもできると思います。

Now, I will ask you three questions. Please talk about answers with your friends.
Where did I go?
What did I enjoy?
What did I eat?(ジェスチャーも加えながら)
Please talk about answers with your friends.

児童と教師の夏休みについて確認したら、以下のワークシートを提示し、教師の夏休みを例に何を書けばよいか説明していきましょう。また、夏休みのイラストを描くことも伝え、次時以降の学習につなげましょう。

ワークシートは記事の最後でダウンロードできます

⑧アルファベット小文字26文字テスト

アルファベット小文字のテスト26文字を行いましょう。4線を意識して書けるように声をかけます。テストの前にワークシートで練習する時間をとってもよいでしょうし、事前にワークシートを渡して宿題として取り組ませることもできると思います。実態に合わせて行ってください。

ワークシートは記事の最後でダウンロードできます

⑨ふり返り

単元の授業をふり返りましょう。また、⑧のアルファベットテストと⑨のふり返りを逆にして行ってもよいと思います。先生方の進めやすいように行ってください。


居村啓子

居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。


本好利彰

本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。 2023年より東京書籍の会員制教育情報サイト「東書Eネット」にて実践事例、指導技術などを連載中。


パワーポイント(スライド)ダウンロード

6年Unit4-5パワーポイント(37スライド)、ワークシート(4点)

パワーポイント見本
Starting Outワークシート
ポインティング・ゲーム/クリップ・ゲームワークシート
夏休みにしたことを書いてみようワークシート
アルファベット小文字テスト・ワークシート

※ダウンロードデータのサンプルをご覧になりたい場合は、こちらの記事にある無料ダウンロードを参考にしてください。

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構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ・やひろきよみ・横井智美  アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子

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