短時間で多くのラインを引くにはどうしたらいいの? 【使える知恵満載! ブラッシュアップ 体育授業 #5】

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使える知恵満載! ブラッシュアップ体育授業
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小学校教諭

平川 譲
使える知恵満載! ブラッシュアップ 体育授業

運動場で行う体育授業は、ラインを引くことが多くあります。ラインは、コートの区切りや運動の目印になり、非常に重要なものです。ただ、必要以上にラインの数が多かったり、1本1本丁寧に引きすぎたりするとそれだけで時間がかかってしまいます。
私たち教師は、授業と授業の間の短い時間で子どもたちを教室から移動させたり、授業で使用する用具の準備をしたり、そしてラインを引いたりと、やらなければならないことがたくさんあります。
子どもたちに任せられることもありますが、ライン引きは教師がやらなければならないことの一つです。短時間で効率よくラインを引くことによって、子どもたちの学習活動の時間を確保することができます。
今回は、その効率的なラインの引き方を紹介します。

執筆/筑波大学附属小学校教諭
 筑波学校体育研究会理事長・眞榮里耕太
監修/筑波大学附属小学校教諭
 体育授業研鑽会代表
 筑波学校体育研究会理事・平川 譲

①短時間でラインを引くには?

ラインカーの使い方がポイントです
ラインカーはどのように使っていますか?

後ろ向きで引っ張っていますか?

押していますか?

前を向いて引っ張っていますか?

体の前でラインカーを扱っていると、背中が丸まった姿勢になるのでラインが曲がりやすくなりますし、この方法でまっすぐラインを引くためには、紐や巻き尺が必要になります。また、スムーズに歩くことが難しく、時間がかかってしまいます。

そこで、3枚目の図のように体を前に向けてラインカーを引っ張るようにして歩く方法をおすすめします。スムーズに歩きながらラインを引けるので、短い時間で多くのラインを引くことができます。慣れてくると紐や巻き尺がなくても比較的まっすぐなラインを引くことができます。

②まっすぐなラインを引くためには?

ポイント(マーク)を活用する。
運動場にポイント(マーク)がある場合には、それに向かってまっすぐ歩きます。陸上運動などの距離が決まっている運動については、あらかじめマークを打ち付けておくといいでしょう。その都度、距離を測る手間が省けます。

目標物に向かってまっすぐ歩く。
ポイントがない場合には、ラインを引きたい延長線上にある目標物(ネットの支柱・教室の窓・木・建物などの動かないもの)を決めて、そこを目指してまっすぐ歩きます。視線をそらさずにまっすぐ前を向いて歩きましょう。慣れないときには、周囲が気になって視線や手元がずれることがあります。気持ちを強くもって前を向きましょう。

③いくつものコートのラインを引くためには?

「いいかげん」で引く。
ゲームやボール運動の場合は、複数のコートを用意することがあります。

陸上運動のようにポイントを打つことができれば、そのポイントを目印にしてラインを引きましょう。しかし、必要だからと言ってポイントを多く打ってしまうと、運動場がポイントだらけになってしまう場合があるので注意が必要です。

また、コートのラインを引くために巻き尺を使って長さを測っていては時間がかかります。そのため、ラインの長さについては、自分の歩数で測りましょう。私の場合、次のような目安をもっています。

1歩=80cmくらい
12歩=10mくらい

この数値をもとにしてみましょう。

体育授業で取り組むゲームの場合、各コートの大きさに若干の差があっても問題はないと考えています。

④どうやってラインを引いていますか?

いくつかのラインの引き方を紹介します。まずは、ゴール型で複数のコートの線を引かなければならない場合です。

ゴール型のゲーム 4コート(10m四方)

AからBに向かって12歩(10m)のラインを引きます。
BからCへ54歩(約43m)のラインを引きます。
CからDへ12歩のラインを引きます。
DからAへまっすぐラインを引きます。
AからDの方向へ12歩歩いた場所Eに印をつけます。
EからDの方向へ2歩歩いた場所Fに印をつけます。
⑤⑥を3回繰り返します。
CからBの方向へ12歩歩いた場所Gに印をつけます。
EからBの方向へ2歩歩いた場所Hに印をつけます。
⑧⑨を3回繰り返します。
EとH、FとGをラインでつなぎます。

これで4コート完成です。

次は、ベースボール型のたこ形コートの引き方です。

ベースボール型(たこ形)

ホームベースの位置Aを決めます。
Aから6歩の位置Bに印をつけます。
Bから10歩の位置Cを決めます。
AとCをラインで結びます。
②~④を反対側で繰り返します。
Cから5歩の位置Dを決めます。(両側)
DとD’の中央(6歩)の位置Eを決めます。
EとC、C’をそれぞれ結びます。
Fに直径2m程度の円(サークル)をかきます。
そのほかに
Aから5歩の位置Gに1点ベースを設定します。
Aから3mくらいの場所に制限エリアHを引きます。

⑤サークル(円)をすばやくかくためには?

だいたい円でオッケー!

中心を決める
中心から同じ歩数の場所に4か所印をつける
4つの印をつなぐ
サークル完成

⑥動画で紹介(音声はありません)

●ラインカーの使い方

●走り幅跳びのコース(ポイントあり)

●50m走のライン

●サークル

●ベースボール型たこ形コート

ラインカーをうまく使うことや歩測で長さを測ることができれば、スムーズにラインを引くことができます。準備の時間が短縮でき、子どもたちの学習活動の時間を十分に確保することができます。失敗を恐れずに前を向いてラインを引きましょう。


執筆
眞榮里 耕太
筑波大学附属小学校教諭 
筑波学校体育研究会 理事長
1980年沖縄県那覇市生まれ。日々の体育授業を通して子どもたちが「できる」ことを少しでも増やしていくことを目指して実践中。「写真でわかる 運動と指導のポイント 体つくり」(大修館書店)等


平川譲先生

監修
平川 譲
筑波大学附属小学校 教諭
体育授業研鑽会 代表
筑波学校体育研究会 理事
1966年千葉県南房総市生まれ。楽しく力がつく、簡単・手軽な体育授業を研究。日本中の教師が簡単・手軽で成果が上がる授業を実践して、日本中の子どもが基礎的な運動技能を獲得して運動好きになるように研究を継続中。『体育授業に大切な3つの力』(東洋館出版社)等、著書多数。


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