教師の五月病、六月病に気をつけろ【妹尾昌俊の「半径3mからの“働き方改革”」第4回】

学校の“働き方改革”進んでいますか? 変えなきゃいけないとはわかっていても、なかなか変われないのが学校という組織。だからこそ、教員一人ひとりのちょっとした意識づけ、習慣づけが大事になります。この連載では、中教審・働き方改革特別部会委員などを務めた妹尾昌俊さんが、「半径3m」の範囲からできる“働き方改革”のポイントを解説します。
執筆/教育研究家・合同会社ライフ&ワーク代表 妹尾昌俊
目次
How are you?
この連載の最初に「Why働き方改革」ということをお話ししたが、この問いと切り離せないのが、教職員の心の健康だ。この時期、世間一般でも「五月病」「六月病」ということがよく言われるように、しんどくなりやすいシーズンである。
少し前の研究だが、和井田節子・共栄大学教授が2009年、2010年に小学校の新任教員22人に1年半以上にわたってのべ28回ヒアリングした結果が参考になる(「新任教員の適応および初任者研修に関する研究」)。そこでは、次のような声が紹介されている。
●授業が本格的になり、準備が追いつかず大変だった。
●子どもたちも自分を出してぶつかってくるようになった。
●周囲の教員が忙しそうで、尋ねられない。
和井田さんは、採用されてから1か月ほど経つ5月、6月が、新任教員にとって最も困難感が高まり、精神的に危機に陥りやすいと分析している。新人に限ったことではないが、みなさんの同僚も大丈夫だろうか?