• 勉強マーク小学館ロゴ
  • facebookアイコン
  • twitterアイコン

【ぬまっち流】教師自ら「勝ち」を目指す本気の運動会

2019/7/30

競い合うからには「勝ち」にこだわること。運動が苦手な子供や、争いを避ける子供にも、一生懸命チームで力を合わせて取り組むことの気持ちよさを体験させることは必要です。沼田晶弘先生(ぬまっち先生)が実践する運動会への取り組みを紹介します。

運動会イメージ
撮影/大庭正美

「本気でがんばる」ことを経験させる

運動会は、学校の一大イベント! 僕はまず子供たちにこう明言します。

「『勝っても負けても運動会』というのは俺の中にはない。運動会は競技会だ。だからこのクラスは『勝つこと』を目標にする。今は負けることは考えるな。勝つことだけを考えろ」。

そう伝え、子供たちの「勝ちたい!」という強い気持ちをつくることから始めます。その上で、「勝ちたいなら、本番だけ頑張ってもだめなんだ。勝つための準備が必要だ。準備さえすれば勝つ確率が上がるぞ」と伝えます。さらに勝つための技術を教えて、どうすれば勝てるのか徹底的に話し合わせます。すると子供たちは自ら必死で練習をするようになります。

僕は、運動会は本番だけでなく、目標に向かって時間をかけて努力した過程を含めて、本当に頑張ることの大切さを感じてほしいのです。なぜなら、努力を積み重ねて「勝利」をつかみ取った体験は、子供の自己効力感を高めることにつながると感じているからです。

子供のやる気を引き出す方法
イラスト/明野みる

足の遅い子にも役目があることを伝え戦力へと育てる

そうは言っても、5年生くらいになると、リレーや徒競走の練習をする時、足の遅い子は最初から凹んでいたりします。運動会は足の速い子しか活躍できないと思い込んでいるのです。しかし、足が遅いからといって、落ち込む必要は全くないのです。他のクラスにも、足の遅い子は必ずいます。そこで勝負をすればよいだけなのに、足の遅い子はたいてい足の速い子と自分を比べて劣等感を感じているのです。

だから僕は、「走るのが苦手な人は、苦手な人同士の勝負に勝てばいい。君たちも重要な戦力なんだ」と伝えます。そして、足の速い子の役目と遅い子の役目を教えてあげると、「それなら勝てるかも」と少しずつ前向きになってくれます。

実はクラスが勝つためには、足の遅い子ほど前向きになってもらう必要があるのです。なぜなら足の速い子は今から練習をしても大して速くなりません。しかし足の遅い子は、普段あまり運動をしていないだけなので、少し練習するだけで必ずちょっとは速くなります。そして足の遅い子が全員ちょっとずつ速くなれば、チームとしては格段に戦力アップするわけです。

走るのが苦手な子だって努力すればチームに貢献できる。そう理解させ、できない子ほど期待されるしくみをつくり、努力することに価値づけすることが勝利の鍵なのです。

「本当に努力して掴んだ『勝利』の体験は、頑張る価値に気づかせ、自己効力感を高める」

沼田晶弘先生
沼田晶弘先生 写真/下重修

沼田晶弘:1975年東京都生まれ。国立大学法人東京学芸大学付属世田谷小学校教諭。東京学芸大学教育学部卒業後、アメリカ・インディアナ州立ボールステイト大学大学院にて修士課程を修了。2006年から現職。著書に『「変」なクラスが世界を変える』(中央公論新社)他。

『小五教育技術』2018年9月号より

関連する記事

行事記事一覧

本気の運動会
【ぬまっち流】教師自ら「勝ち」を目指す本気の運動会

競い合うからには「勝ち」にこだわること。運動が苦手な子供や、争いを避ける子供にも、一生懸命チームで力を合わせて取り組むことの気持ちよさを体験させることは必要です…

気になる子をセンスよく支援 秋の運動会編

二学期にはいろいろな行事が行われることでしょう。今回は「運動会」を例に、 支援が必要な子どもに対して、「行事」で気をつけることについて解説します。 正しい知識と…

教室カメラ入門 運動会写真をもっと印象的に!

学校の大きな行事に運動会があります。記録用に写真を撮るなら、広角でたくさんの情報が入った写真を撮ります。隊形や、ものの配置などを撮ります。今回はそのような写真で…

2019/7/22

組み体操の5人技・カシオペアの決めポーズ
2019年最新!組体操テクニック(5人以上の技編)

運動会で注目必至の組み体操の、5人以上の大人数で行う新技を大紹介。扇、ブロッケン、カシオペア、回転ラージヒル、ポップアップピラミッド~ウイングピラミッド、そして…

組体操の3人技・九十九折り
2019年最新!組体操テクニック (2人~4人技編)

組体操の2人技=バベル、高床式倉庫、飛翔、しゃちほこ、座サボテン、腕立て補助倒立、ツインピークス、マリカ、補助倒立。3人技=3人サボテン、マンモス、ハノイ、バベ…

タイムカプセルの学校保管は何が問題か?

タイムカプセルは一見、子どもたちの思い出を大切にしている風習のようですが、様々な条件を考慮した時、タイムカプセルの学校保管は望ましくないことを、管理職並びに担任…

4年3組学級経営物語(8)

4年3組担任の新任教師・渡来勉先生……通称「トライだ先生」の学級経営ストーリー。熱い心はこの胸に! …しかし、イザという時、迷いとまどってしまう渡来先生。めざす…

個人面談イメージ
【個人面談】保護者から信頼を得る回答とは

子どもの成長は、家庭と学校との両方のサポートがあってのもの。保護者が家庭で何か困ったことがあったとき、担任へ相談してもらえる関係づくりをこころがけましょう。ここ…

通知表
間違いない、2年生一学期の通知表記入

さぁ、学期末の通知表記入の時期です。日頃からの、子供一人ひとりを的確に見取った評価から、その子のすばらしい点を捉え、子供の励ましに繫がる所見を書きましょう。

2019/7/1

保護者会
保護者を味方に付ける!保護者会のNG&ベスト対応例

保護者との良好な関係をしっかりつくることで、1年間の学校生活も楽しくスムーズに過ごせます。保護者との重要な接点となる保護者会で、よく出される質問とNGな回答、及…

もっと見る