小3 国語科「国語辞典を使おう」全時間の板書&指導アイデア

特集
【文部科学省教科調査官監修】1人1台端末時代の教科指導ヒントとアイデア

文部科学省教科調査官の監修のもと、小3国語科 「国語辞典を使おう」(光村図書)の全時間の板書例、1人1台端末活用例等を示した授業実践例を紹介します。

小三 国語科 教材名:国語辞典を使おう(光村図書・国語 三上)

監修/文部科学省教科調査官・大塚健太郎
編集委員/東京都練馬区立大泉学園小学校校長・加賀田真理
執筆/東京都大田区立田園調布小学校・小木和美

1. 単元で身に付けたい資質・能力

この単元では、国語辞典の使い方を知り、言葉の意味や使い方、漢字での書き表し方を知りたい時などに、自分自身の力で国語辞典を使って調べることができる力を身に付けます。

国語辞典を有効に使いこなすためには、具体的には「国語辞典を引いて見出し語にたどり着くことができる」「活用がある言葉の見出し語が分かる」「見出し語に書かれた複数の意味の中から、文脈にふさわしい自分が探している意味を選ぶことができる」などの力が必要となります。

そのような力を定着させるためには、この単元で学んだ力を様々な学習や日常生活の中でも活用することで使い慣れることが必要です。

この単元では、国語辞典で調べるために必要な技能を伝えるだけではなく、今後も必要な場面で日常的に国語辞典を使おうとする意欲を養い、常に言語感覚を磨く意識を高めることが重要です。

2. 単元の評価規準

単元の評価規準

3. 言語活動とその特徴

「国語辞典」というものに初めて触れる児童が、実際に国語辞典を使用して調べたい言葉にたどり着く過程を経験し、自分が知りたかった言葉の意味や文脈にふさわしい言葉を選ぶという言語活動を設定します。

このような活動を通して、知らなかった言葉に触れることや、言葉は知っていてもそのような意味があることは知らなかった意味と出会うことなどで語彙を増やしつつ、改めて言葉の面白さや、奥行きの深さを感じることに取り組んでいきます。

教科書に取り上げられた言葉は、よく精選されているので、丁寧に順を追って指導を行えば、国語辞典の使い方の基本について落ちがなく、系統的に指導することが可能です。

直音と促音の掲載順の例は取り上げられていないため、児童が調べたい言葉から取り上げることも可能ですが、「いつか」と「いっか」はどちらが先に載っているかなど、直音と促音が比較できる言葉を事前に調べて用意をしておき、児童用の国語辞典に載っていることを確認した上で、取り立て指導を行うと確実に指導ができます。

もし、児童の日常的な会話や作文の中で、誤用や間違いやすい表記等、気になっている言葉遣いや漢字があれば、取り上げて指導することも活用への意識を高めることに有効です。

また、最近流行しているマンガやアニメの中には、今はあまり使われていない古い言葉が使われている場合があります。日常生活と結び付けて、それぞれの児童が「今、知りたい」と思う言葉を国語辞典で調べて意味を確認するなどの活動を行うと、意欲の喚起と共に、達成感を味わうことができます。

今回の学習では、品詞については取り上げませんが、P158の「国語辞典を使おう」の内容を確認することで、「似た意味の言葉(類義語)」や、「反対の意味の言葉(対義語)」について意識させると、一つの言葉から関連して語彙が広がり、その言葉の理解が深まります。

専門用語や流行語など、「国語辞典に載っていない。」と児童が訴えてきた場合には、「どのように調べたらよいと思うか。」と逆に質問してみると、国語辞典を引くこととインターネットで検索することとの比較など、国語辞典と他のメディアとの使い分けを考えるきっかけにすることができます。

調べる際に、「活用がある言葉は基本的な形に直すこと」や「最もふさわしい意味を選ぶこと」は、児童の実態によっては、なかなか難しい場合もありますが、できるだけ国語辞典で調べる必然性を高め、楽しく、年間を通して日常的に繰り返し取り組むことで、国語辞典に親しむ態度や、活用する力を定着させていくことを目指します。

4. 指導のアイデア

〈主体的な学び〉「めざす言葉にたどりつこう~国語辞典を使おう~」という投げかけにより、国語辞典を使って言葉を探そうとする意欲を高める。

児童に対して「めざす言葉にたどりつこう」と呼びかけることで、とても厚い国語辞典の中にあるたった一つの言葉まで、たどり着こうとする意欲を引き出していきます。本単元では、何よりも国語辞典を引くことを楽しみ、言葉の多面性や奥深さに触れることで、これからも国語辞典を活用していこうとする意欲を高めていきます。

まずは、一つ一つの活動を丁寧に行うことで、めざす言葉にたどり着く過程を体験していきます。「言葉の並びは五十音順」という基本を押さえながら、濁音、長音、ひらがなとカタカナなど、ロールプレイングゲームの旅のように、次々と出てくる難問を乗り越えることで、楽しみながら国語辞典の作りを理解していきます。

〈対話的な学び〉 選択の場面で、友達の意見を情報として活用し、言語感覚を磨く

たどりついた言葉には、通常は複数の意味が掲載されています。掲載されている言葉の中から、自分の使いたい場面に最もふさわしい意味を選択する力が必要となります。選択が適切かどうかを確かめる場合には、友達との対話により確認していくことが有効です。友達と情報や意見の交換を行うことで、互いに言語感覚を磨いていきます。

また、一人一人が気になっている言葉を引き合う活動は、国語辞典を引き慣れるだけでなく、語彙の拡充にもつながり、活用のある言葉の見出し語を見極める力を伸ばすことなどにもつながっていきます。

〈深い学び〉 掲載されていない言葉の調べ方を考えることで、国語辞典とその他のメディアの特徴を考える

国語辞典は、本として掲載できる言葉の量の限界や、発行までのタイムラグ等により、掲載されていない言葉も多くあります。児童の興味や関心に基づいて調べたい言葉を引く活動に取り組むと、そのような言葉に必ず出会います。その機会を逃さずに、国語辞典に掲載されていない言葉はどのようにして調べたらよいかを児童に投げかけていきます。

国語辞典とその他のメディアの違いについて考察する機会として生かし、その場の状況に応じてメディアを使い分けていく意識や能力を養います。

3年生くらいになると、学校での学習や日常生活の中で、検索等、インターネットで調べることはほとんどの児童が経験していることと思います。経験の差には配慮しながら、国語辞典とほかのメディアとの比較を行います。国語辞典には「情報の信頼性の高さ」や「文例が豊富」などの特徴があります。

一方、インターネットは「最新の情報を得られる」ことや、「複数の国語辞典の情報など、大量の情報を取得できる」ことなどに特徴があります。
また、専門家へのインタビューは「本やインターネットには出てこない、経験者にしか語れない情報が得られる」など、それぞれを比較することで、違いを明確にすることができます。

ただし、ここでは指導の時間はかけすぎずに、大枠で捉えることを目指します。今後、それぞれのメディアを使い分けながら、継続的に活用していくことで、体験的に理解が深まるように取り組んでいきます。

5. 1人1台端末活用の位置付けと指導のポイント

(1) 国語辞典と比較するために、インターネットによる言葉の検索を経験する。

国語辞典には、紙面の限界や編集作業との時間差、言葉のゆらぎ、想定する使用対象者の違いなどにより、掲載されていない言葉や意味があります。国語辞典に掲載されていない言葉や言葉の意味等を知りたい場合に、端末を使用してインターネットによる言葉の検索を行います。

1人1台の端末をもつようになり、インターネットでの検索がより手軽に行えるようになりました。インターネットでは、複数の辞書の意味が表示されるなど、紙の媒体では掲載できないくらい大量の情報が表示され閲覧することができます。また、必要に応じて関連する画像や動画、音声等も視聴することが可能です。

最近は、電子辞書などにも同じような機能がついているものがありますが、最新の情報を取得することは、インターネットが秀でていると思います。
しかし、不確実な情報が紛れている場合や、情報があまりにも多すぎて自分が知りたい情報を選び出すことが、より難しくなってしまう場合もあります。
また、一般的には文例等が省略されていることも多くあり、どのような文脈で使われるのかが分かりづらい場合もあります。

調べたい言葉に直接たどり着き、その言葉について「複数」「大量」の情報を獲得できるという点ではインターネットの方が優れていますが、国語辞典には、教科書P32の拡大図の「不快」と「深い」の例のように全く関連性が無い言葉に触れる機会となり、思いがけない発見につながるなど、「語彙の拡充」という観点からは優位となる部分もあります。そのような特徴も視野に入れながら、児童の発見を促すように意図的にメディアの活用の機会を設定することに取り組むとよいでしょう。

実際に国語辞典とインターネットを活用した経験を元に、自分が知りたい情報に応じて、必要なメディアの使い分けができるようにしていきます。様々な情報を主体的に獲得することができるようになることは、児童たちの世界を広げていくことにつながります。

6. 単元の展開(2時間扱い)

 単元名: 国語辞典を使おう

【主な学習活動】
・第一次(1時2時
○国語辞典の作りや引き方を知ろう
・国語辞典を一人1冊ずつ手元に置く。
・国語辞典は「言葉の意味」、「言葉の使い方」、「漢字での書きあらわし方」を知りたいときに使うことを知る。
・どのようにして、知りたい言葉にたどりつくのかを「深い」という言葉を例に体験する。
 つめはしら見出し語漢字での書きあらわし方言葉の意味言葉の使い方
・見出し語の見つけ方について、国語辞典を使って、具体的に詳しく確認する。

《見出し語の並び順》
① 五十音順
② 清音濁音半濁音
③ のばす音(長音符号)は、直前の音を伸ばした場合の母音(あいうえお)に置き換える。

・見出し語は、言葉の「きほんてきな形(語幹)」で引く。
 いろいろな言葉を引いてみて、言葉の「きほんてきな形」を確かめる。
・P158の「国語辞典を使おう」の内容を確認することで、国語辞典には見出し語の意味だけではなく、「似た意味の言葉(類義語)」や、「反対の意味の言葉(対義語)」も掲載されていることを知り、活用していこうとする意欲をもつ。

○言葉の意味のうち、どの意味がふさわしいのかを考えよう
・「直音と拗音」「ひらがなとカタカナ」「短音と長音(長音を置き換えた時に同じ文字表記となる言葉)」について、どちらが先に出てくるのかを実際に国語辞典を引いて確かめる。
 自由(じゆう 直音)と十(じゅう 拗音)では、自由(直音)が先
 くらす(ひらがな)とクラス(カタカナ)では、くらす(ひらがな)が先
 バレエ(短音)とバレー(長音:国語辞典で引くときには「バレエ」という扱いになる。)では、バレエ(短音)が先
 いつか(直音)といっか(促音)では、いつか(直音)が先 ※教科書に載っていない例

・見出し語に書かれている複数の言葉の意味のうち、文脈にふさわしい言葉を選ぶ。
・文脈にふさわしい言葉を、国語辞典に書かれている言葉の意味を比べて選ぶ。
・同音異義語の漢字から、文脈にふさわしい漢字を選ぶ。
・「国語辞典に調べたい言葉が載っていない場合」の、ほかの調べ方を考える。
 他の国語辞典を調べる
 インターネット検索
 詳しそうな人に聞く など

全時間の板書例と端末活用例

【1時間目の板書例】

1時間目の板書例

国語辞典に初めて接するため、国語辞典で「言葉の意味」「言葉の使い方」「漢字での書きあらわし方」が調べられることを確認した後、国語辞典の作りや仕組みについて一つ一つ丁寧に理解していきます。

拡大図などを使って国語辞典の各部の名称について知った後に、自分の手元の辞書を開き、一つずつ目指す言葉への近づき方を確認していきます。
活用がある言葉は、言葉の「きほんてきな形」(語幹)で引くことを確認しますが、少し戸惑う児童もいるかもしれません。

教科書では、かく(動詞)、ふかい(形容詞)、しずか(形容動詞)の言葉の例が挙げられています。教科書の例を確認した後に、「きつつきの商売」の中に出てきた言葉を取り上げるなど、その他の言葉でもいくつか具体的に、グループでの話合いにより確認することで、見出し語の探し方に経験的に慣れていくことに取り組みます。

最後に、P158の「国語辞典を使おう」を確認すると「にた意味の言葉」(類義語)や「反対の意味の言葉」(対義語)に対する意識が高まり、自分の力で語彙を増やしていくことにつながります。


【2時間目の板書例 】

2時間目の板書例
「対話的な学び」のために

教科書に取り上げられた言葉のほか、「いつか」(直音)と「いっか」(促音)の比較などについても確認します。

見出し語にたどりついた後に、複数示された意味の中から、最もふさわしい意味を選択する活動は、グループで話し合って確認しながら進めます。最初は自信が無い児童の場合でも、協働する中で自分の考えを明確にすることで、文脈に沿った言葉の意味を選べるようにしていきます。

国語辞典に載っていない言葉を調べる場合には、大人向けなどの別な国語辞典で調べることのほか、端末を活用してインターネットで調べます。
国語辞典で調べた時以上に、情報が多く表示されるので、選択する力が必要となります。検索の上位から順に開いて一つずつ内容を確認していくことのほか、検索の際にキーワードをプラスするなどの方法もあることを全体で確認します。

国語辞典とインターネットのほか、専門用語などの言葉については専門家(詳しく知っている人)にインタビューを行うなどの方法もあることを確認し、それぞれの方法のよさや違いについて考える活動に取り組みます。特徴について考えを深めることで、適切に調べ方を選択できるようにしていきます。

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