初めてのひらがな指導 子供の「書ける」に惑わされないで【京女式書くことの指導】1

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吉永幸司の京女式「書くことの指導」
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1年生の賢い子を育てる「京女式 書くこと指導」

『はじめてのひらがな、カタカナ 一年生担任の京女式国語の教育技術』(2012・小社刊/絶版)から再編集して、1年生の国語の指導ポイントをわかりやすく紹介するシリーズです。1回目の今回は、初めての文字指導の心がけです。

執筆/元京都女子大学教授・同附属小学校校長・吉永 幸司

国語の勉強は賢い子を育てる

1年生は、1日平均2時間の国語の授業があります。おそらく、人生で「勉強がしたい」という気持ちを強くもっているのが、1年生でしょう。はじめての勉強を意識するのが、「ひらがな」の勉強です。そのためには、「国語の勉強をすると賢い子になる」と思わせる授業にすることです。それは、これから始まる楽しい学校生活への期待や希望につながるからです。

「知っている」「書ける」に惑わされない

ひらがなの勉強の始まりにおいて、子供がつぶやく言葉に、「知っている」「書ける」というのがあります。1年生にとって、うれしい勉強の始まりですから、幼稚園や保育園で、あるいは塾や家庭で、既に習っている文字があります。それが、「知っている」「書ける」という言葉になります。その、子供のつぶやきに惑わされないで、しっかりと指導をすることが大事です。

初めてのひらがなの指導の前提

初めてのひらがなの指導の前提には、次のことがあります。

〇鉛筆を正しく持ち、正しい姿勢で書くこと。 

〇平仮名を正しく発音し、書くこと。

手を伸ばして空間に書かせてみましょう

小学校の勉強の始まりは、先生の話をしっかり聞いて、文字を書かせることです。子供も、そのことを知っています。しかし、すでに、知っている文字ですから、早く書きたくて仕方がありません。

文字の経験は、子供によってそれぞれ違いますから、「小学校で初めて文字を教える」という気持ちをもつことが、とても大事なことです。そのために、最初は、一文字ずつ正しく書かせ覚えさせます。形を覚えるには手で大きく伸ばし空間で書かせてから、ノートに書かせるという方法もあります。これらの学習を通して、勉強をしたら賢い子になることを意識させるのです。

ひらがな指導は、丁寧に教えることが原則

入学時にひらがなやカタカナ、漢字も覚えている子がいます。その隣には、書けない、読めない子がいます。入学当初は、言葉の力の開きは大きく、戸惑うことが多いものです。しかし、ひらがなや漢字が書ける子も、書けるとか読めるということであって、1年生として勉強をしてきたのではありません。

だから、「あいうえお」の書き方、発音、鉛筆の持ち方までを丁寧に指導することが1年生の授業の始まりです。ポイントは「先生の話を聞いて活動をする」をくり返すことです。指導は、「鉛筆を正しく持ちましょう」「ひらがなを先生のように書きましょう」など、そのつど、指示をしてから活動をさせるようにします。

先生のように書きましょう


子供たちが得意になって「知っている」「書ける」という言葉を生かす方法があります。
最初に白紙の用紙を渡して、1文字、あるいは、2文字を自由に書かせるのです。得意になって書きます。その後、最初に教えようとする文字を、先生と一緒に書かせます。
1文字を書くマス目が点線で4つの枠に区切られている用紙を使います。
鉛筆の先をどこに置くか、どの部屋から始めるか、どの部屋に向かって鉛筆を動かすか、止め方はどうするか、などを丁寧に指導をします。
自分流に書いた文字と先生と一緒に書いた文字を比べさせます。「どちらの文字が好きですか」と問います。「どちらが上手ですか」は禁句です。今までのことを否定することにつながるからです。「子供が上手にかけた」というのはいいのですが。
この過程で、先生の指示通りに書くと「いい子になれる」「利口な子になれる」と思えるようになります。このことが、先生を尊敬する始まりになります。

吉永幸司(よしながこうし)

吉永幸司(よしながこうし)
元京都女子大学教授・同附属小学校校長
滋賀大学学芸学部卒業。滋賀大学教育学部附属小学校教諭(26年間)、同副校長、公立小学校校長、国語指導、道徳指導に長年携わる。国語教育、道徳教育の大家として定評が高く著書も多数。『教育技術ムック 考える子どもを育てる京女式ノート指導術 小学校国語』(小社刊)ほか。

構成/浅原孝子 イラスト/藤崎知子

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