想像力と創造力を鍛える自由課題「色鉛筆ドロップス」
「プラスチック色鉛筆」は、ちょっとした空き時間と相性抜群の文房具です。芯が折れにくい、手が汚れにくい、などの特長があり、片付けも容易。机の中に常駐させ、いつでも取り出せるようにしておきましょう。そんな「プラスチック色鉛筆」を使った課題のアイディアを、神奈川県三浦市教育委員会教育研究所指導主事(所属は当時)の鈴木夏來さんにうかがいました。
「色鉛筆ドロップス」
丸を書き、「プラスチック色鉛筆」で色を塗るという単純な作業。しかし、それを「ドロップス」という飴玉に見立て、おいしそうな色や味を考えることに、この課題の魅力や面白さがあります。
子どもたちは甘い物が大好きなので、男女を問わず、夢中になって取り組みます。普段、色塗りは面倒だと考えていた子も、丁寧に取り組むことでしょう。想像力と創造力を鍛える練習にもなります。
準備する物
・プラスチック色鉛筆(商品名:「クーピー」「パスティック」など)
・白い紙(自由帳)
指導例
① 紙に、番号と○を数個書く。
② ○に色鉛筆で色を塗るとともに、「味」を書く。
③ 色と味を増やしていく。
色鉛筆の色の種類の分だけドロップスができあがると、子どもからは次のような質問が出るでしょう。
「同じ黄色でも、パイン味とバナナ味の2種類あってもいいですか?」
「色を混ぜてもいいですか?」
「マーブルにしてもいいですか?」
もちろん、大歓迎です。色鮮やかで、おいしそうなドロップスを作る子もいれば、同じ色だけれども、複数の味を考える子もいます。どちらも大いに認めてやりましょう。
指導のポイント
番号を書かせることが長く楽しむコツです。どれくらい多くの味を発明したかが、数字でわかるからです。
例えば、「茶色」は地味で、子どもからあまり人気のない色ですが、ドロップスになると、一変します。
同じ茶色の丸でも・・・
① ●コーラ味
② ●チョコ味
③ ●コーヒー味
④ ●キャラメル味
⑤ ●みたらし団子味
⑥ ●温泉饅頭味
茶色の濃淡を変えれば・・・
⑦ ●ミルクティー味
⑧ ●カフェラテ味
⑨ ●こがしキャラメル味
⑩ ●どら焼き味
⑪ ●カステラ味
⑫ ●きなこ味 など。
いかがでしょうか。茶色の色鉛筆だけで、12種類のドロップスを発明することができました。甘いお菓子を想像すれば、「茶色」という色鉛筆にも、以前とはまた違った魅力や愛着を感じるはずです。
★留意点
友達同士、ワイワイと楽しくやらせることもできますが、静かに課題をやらせたい場合は、例えば次のように伝えて指導しましょう。
新商品の開発は極秘に行うものです。発表前にばれないように、こっそりやりましょうね。
イラスト/宇和島太郎
『小一教育技術』2017年7/8月号より