不登校のきっかけは、「自分でも分からない」が約4分の1【教育ニュース】

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先生だったら知っておきたい様々な教育ニュースについて、東京新聞の元教育担当記者・中澤佳子さんが解説します。今回のテーマは「不登校のきっかけ」についてです。

執筆/東京新聞記者・中澤佳子

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最も多い不登校のきっかけは「先生」

学校に行くことに苦痛を感じる子供には、いろんな学びの場が用意される時代になりました。でも、どうして登校できなくなったのでしょうか。

「学校に行きづらい」と最初に感じたきっかけは、何か。不登校だった子への文部科学省の実態調査で、興味深い結果が出ました。

調査は2019年度に不登校だった小六と中二で、20年12月に登校したか教育支援センターに通った小学生713人、中学生1303人に行いました。

小学生のきっかけで最も多いのは、「先生」の29.7%。「そりが合わない、怖い」といった内容です。次いで「身体の不調」26.5%、「生活リズムの乱れ」25.7%がほぼ並びました。ただ、次に多い「自分でも分からない」は25.5%あり、理由をはっきりつかめていない子供が相当数存在しています。

最初のきっかけとは別に、登校しにくくなった理由では、「勉強が分からない」の31.4%が最多。そして2番目に挙がったのが、「先生」と「生活リズムの乱れ」で27.0%に上ります。

子供たちは学校を休んでいる間、苦しんでいるのでしょうか。気持ちを尋ねると、「ほっとした」が69.7%、「自由な時間が増えてうれしい」も65.9%に達しました。最も少ないのが、「早く学校に戻りたかった」の24.4%です。

子供が不登校に至る前に「先生の声かけ」を求める

文科省によると、2020年度に全国の小中学校で不登校だった子は、前年度より1万4855人増の19万6127人で、過去最多。小学生は前年度より1万人多い6万3350人で、全体の増加分の多くを占めています。

実態調査では、どうしたら学校に戻りやすいかも尋ねましたが、圧倒的に多いのが「特にない」の57.1%。次いで多い「友達の声かけ」の17.1%と大きく開き、先生の訪問や電話に至っては5%にも届きません。どんなことがあれば休まなかったかを聞いても、「特にない」が55.7%もあり、2番目の「友達の声かけ」は15.1%にとどまりました。

不登校のきっかけの一つが「先生」。再び登校するための取り組みも、学校に期待していない。そんな学校に行けなくなった子の胸の内が窺えます。

ただ、ひっかかることがあります。不登校に至る前に望んだ対応で3番目に挙がったのが、「先生の声かけ」(11.4%)だったことです。学校に行きにくくなった一因である教員とのコミュニケーションを、なぜ求めたのか。どうして不登校になってからは望まないのか。登校できなくなる前に教員が異変に気付き、接し方を見直し、細やかなコミュニケーションをとれば、状況は変わったのかもしれません。

心身に深い傷を負ってまで、無理に登校させなくてもよいと、社会は受け止めるようになりました。ただ、子供がそこまで傷つき、追い詰められる前に、学校にできることがあるのではないでしょうか。

『教育技術』2022年2/3月号より

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