学校行事や特別活動に消極的な子の扱い方|沼田晶弘の「教えて、ぬまっち!」

二学期は、大きな学校行事もありつつ、さまざまな特別活動に取り組むクラスも多いのではないでしょうか。今回は、子供たちのやる気を引き出す指導に定評がある「ぬまっち」こと沼田晶弘先生 に、学校行事や特別活動に消極的な子供がいる場合、どのようにクラスを盛り上げ、充実した活動にできるのかアドバイスいただきました。

目次
学校行事・特活だから、全員が盛り上がるとは限らない
「大事な学校行事だから、さあ盛り上がろう!」と急に言われても、すぐに全員が一丸となって盛り上がれるわけではない。どんなに素晴らしい授業や活動や行事を用意しても、チャイムが鳴ったらたちまち全員で盛り上がり、みんなが意欲的に協力し合いながら活動する、なんてことはありえない。
そもそも子供同士の交流が苦手な子もいるだろう。
そういう子に、「行事があるからみんなと積極的に交流しなさい」と言ってもそれは難しいだろう。
ボクも研修会や講演会に参加したとき、「さあ隣の人と話して、交流してみましょう」と言われるのがすごく苦手(笑)。もちろん、積極的にいろいろな人と交流したいと思って参加している人もいるかもしれないけれど、全員がそういう人とは限らないよね。
水辺まで連れてきた馬に、水を飲ませるには?
You can take a horse to the water, but you can’t make him drink.
(馬を水辺に連れていくことはできても、水を飲ませることはできない)
という有名なことわざがあるよね。手綱で馬を引っ張って、水辺に連れて行くことはできるけど、最後に水を飲むかどうかは馬次第という意味で、教育を語る時にもよく引き合いに出されることが多い。
例えば、行事や特別活動においても、その場を設定し、子供たちを参加させることはできても、その活動に本気で参加し、有意義なものにできるかどうかは、やっぱり子供次第だよね。
では「馬(子供)に水を飲ませる」にはどうしたらよいだろうか。
恐らく「水がおいしくなるように工夫する」と考える人が多いのではないだろうか。水を甘くしたり、色を付けたりして「ほら、見て! おいしそうな水があるよ! だから飲んで!」と飲ませる方法。
学校現場で言えば、子供が喜びそうな教材を用意したり、クラスが盛り上がりそうな活動を考えて、子供たちのやる気を引き出そうとしたりするのに似ている。 もちろんそれ自体は決して間違っていない。でも、味の好みは人それぞれだし、そもそも喉が乾いていない時には水を飲みたいと思わないよね。