小5理科「流れる水のはたらきと土地の変化」指導アイデア

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執筆/福岡県公立小学校指導教諭・鈴木寛人
編集委員/文部科学省教科調査官・鳴川哲也、福岡県公立小学校校長・田邊伸三

単元のねらい

流れる水の働きと土地の変化について、流れる水の速さや量に着目して、それらの条件を制御しながら、流れる水の働きと土地の変化を調べる活動を通して、それらについての理解を図り、観察、実験などに関する技能を身に付けるとともに、主に予想や仮説を基に、解決の方法を発想する力や主体的に問題解決しようとする態度を育成する。

単元の流れ(三次 総時数 12時間)

第一次 流れる水の働き(6時間)

① 平常時と増水時の川の比較

増水時の川と平常時の川の「流れる水」に着目して違いに気付かせます。そして、「なぜ、水の量や色」が変化するのかという要因を考え、条件を統一して調べるようにします。
※地域にある国土交通省のホームページを見ると、ライブカメラで今の川の様子を見ることができます。

流れる川の様子

②③ 流れる水の働き
④⑤ 水の量の違いによる流れる水の働きの変化
⑥ モデル実験と実際の川の比較

モデルの川の実験結果と実際の川を必ず照らし合わせながら、川の上流と下流や川の両側など空間的な広がりの中で流れる水の働きを捉えることができるようにしましょう。

第二次 川の上流の石と下流の石(2時間)

⑦⑧ 上流の石と下流の石

上流の石と下流の石

第三次 流れる水と変化する土地(4時間)

⑨ 雨量の増減による川の水位の変化と土地の様子の関係
⑩ 洪水による被害や洪水への備え
⑪ 地域の防災(実際の川の様子)
⑫ 学んだことを生かそう

防災グッズ

災害を身近なものと考えられるように、過去に起きた地域の災害やそれを基に作成された地域の防災マップなどを使って、身近な災害と防災について考えていきます。

単元の導入

平常時と増水時の川の様子を見比べましょう。特に、地域の川の写真などが準備できると、より子供の興味・関心を高めることができます。(増水時の撮影に際しては安全面に留意して行いましょう。)

平常時と増水時の川の様子

2枚の写真を見比べて、何か気付いたことはありませんか?

水の量が増えた時の川の水は、茶色に濁っているわ。

水の量が増えている時、なぜ、川の水が濁るのだろう。

活動アイデア

前時で、流れる水の働き(侵食、運搬、堆積)についてモデル実験で調べており、導入の時に見せた川の水が増えた時に、それらの働きがどのように変化するか予想させます。その予想を基に、調べたい条件(水の量)とその他の条件(モデルの傾きや川の形など)を整理することで、条件を制御しながら解決の方法を発想する力を育成しましょう。

授業の展開例

◆水の量の違いによる流れる水の働きの変化

自然事象への関わり

大雨や長雨の後の水量や水の色に着目して、本時の問題を見いだす。

問題
流れる水の働きは、水の量によって違いがあるのだろうか。

前時では、モデルに水を流し、流れる水の働きにはどのようなものがあるのかを調べます。本時では、流す水の量を増やすと、前時で調べた流れる水の働きがどのように変化するのかを調べます。

予想

水の量が増えると、流れる水の働きは大きくなると思う。なぜなら、これまでも流れる電流を大きくした時(4年生)や風やゴムの力を大きくした時(3年生)など、それぞれの働きが大きくなったので、同じように働きも大きくなると思うから。

解決方法の立案

変える条件は、「水の量」だから、流す水の量を2倍に増やしたらいいのかな。

水の流し方も関係あると思うよ。水の量を増やしても、ちょろちょろと流していたらだめなんじゃないかな。

2人の話を合わせると、水の量は2倍にするけど、流す時間は同じじゃないといけないということかな。それなら、水の量が2倍の方は、同じ量にしたペットボトルを2 本用意して、同時に流すとよいかもしれないね。

観察、実験

各グループにモデルを2つ準備することで条件の制御がしやすくなります。

実験モデルを2つ用意して条件の制御をする

おがくずなどを一緒に流すことで、「水の速さ」にも着目しやすくなります。また、川の両側に先端に色を付けた爪楊枝などをさすと、川幅の広がりの違いが比べやすくなります。

結果

水の量が増えると、川の両側や底の土がたくさんけずられていたよ。

それに、運ばれる土の量も増えて、下の方にたくさん積もったわ。

タブレット等で動画を撮影しておくと、何度も見返すことができて、話合い活動も活発になります。

考察

予想通り、流れる水の働きは大きくなった。ということは、きっと大雨の時も同じように水の量が増え、流れる水の働きは大きくなるから、そんな時に川に近づくのは危ないと思う。

結論

水の量が増えると、水の流れは速くなり、流れる水の働きは大きくなる。


イラスト/佐藤雅枝、横井智美

『教育技術 小五小六』2020年11月号より

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