小4らくらくUnit 5「Do you have a pen?」①【モトヨシ先生のスライドde外国語活動】
ゆたかな言語活動を行うためにICTを活用した授業が求められる外国語活動。しかし、様々なツールや教材を切り替えながらでは、手惑う場面もしばしばでしょう。本好利彰先生がこれまでの授業で作成してきたパワーポイント(スライド)教材は、これひとつ、授業の導入から終末までモニターに映すだけで授業を組み立てられる”お助け教材”です。「モトヨシ先生のスライドde外国語活動」で外国語活動の授業を、らくらくクオリティアップ!
今回は、Let’s Try! 2 Unit 5「Do you have a pen? おすすめの文房具セットをつくろう」の第1時のらくらく授業の進め方です。
執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学准教授・居村啓子
目次
スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう
小学校4年生の「Let’s Try! 2」のUnit 5「Do you have a pen? おすすめの文房具セットをつくろう」全4時の1時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し活用してください。
パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方
この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
- クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
- デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。
目標と授業の流れ
【本単元のゴール】
学習した表現を使って身近な人のために買い物をしよう
【目標】
文房具の英語の言い方になれよう
〇文房具などの学校で使う物や、持ち物を尋ねたり答えたりする表現に慣れ親しむ。(知識及び技能)
〇文房具など学校で使う物について、尋ねたり答えたりして伝え合う。(思考力、判断力、表現力等)
〇相手に配慮しながら、文房具など学校で使う物について伝え合おうとする。(学びに向かう力、人間性等)
【言語材料】
◎Do you have (a pen)? Yes, I do. / No, I don’t. I [have / don’t have] (a pen). This is for you.
〇have、身の回りの物 (glue stick, scissors, pen, stapler, magnet, marker, pencil sharpener, pencil case, desk, chair, clock, calendar)
- 挨拶
- 歌
- 数字の活動(じゃんけんゲーム・パチパチ4)
- ティーチャーズトーク
- 単元のめあて、本時のめあての確認
- チャンツとチャンツ以外の単語練習
- カルタ
- 集中力ゲーム
- チャンツ
- ふりかえり
各活動の流れ
①挨拶
挨拶のあとにUnit 2で学習した How’s the weather? を使ってその日の天気を聞いたり、Unit 3で学習した曜日を聞くために What day is it today? と尋ねたり、既習事項を取り入れてみましょう。
②歌
Unit 2で歌っていた歌です。前時の単元が終わっても時々扱うとよいでしょう。夏休み後なので体を動かして楽しめるように Head Shoulders Knees and Toes の歌も歌ってみましょう。
③数字の活動
・Unit2で行ったじゃんけんゲームです。以前のページを確認してください。
・パチパチ4は、授業開きで行ったパチパチ3のアレンジです。以前のページで確認してください。
④ティーチャーズトーク
この単元のゴールとなる会話を提示してみましょう。
以下のように文房具店の店員さんとお客を想定したティーチャーズトークをしてみてはいかがでしょうか。
先生の子供(親、友達、児童)は青色のペンが好きだから、プレゼントするために買い物に行こうかな。
↑のような形で演じるとよいでしょう。ペンを買う相手は誰でも大丈夫です。
” ウィーン ”(自動ドアが開くときの効果音をつけてジェスチャーすると、児童は喜んで見てくれます)
Hello. How are you?
I’m good. How are you?
I’m fine. Do you have a blue pen?
Yes, I do. How many?
Two, please.
Here you are.
Thank you. See you.
See you.
⑤めあて
本単元のゴール、そして本時のゴールを提示しましょう。
学習した表現を使って身近な人のために買い物をしよう。
Today’s goal is “文房具の英語の言い方になれよう”. Let’s say it together.
⑥チャンツとチャンツ以外の単語練習
チャンツは Do you have a pen? Yes, I do. Do you have an eraser. No, I don’t.……と続いていきます。
1度聞かせてできるところだけチャレンジしてみようと伝えることも可能ですが、役割を分けてやると上手くいきやすいです。
1回目は、1度聞かせる→疑問文のところ Do you have a pen? を教師が言う→Yes, I do. / No, I don’t. のところを児童に言ってもらう、のように行います。
2回目は児童に疑問文のところ、教師が Yes, I do. のところ、というように交代します。
3回目はすべて児童が言うようにします。
チャンツも単元末の言語活動へ向けて少しずつ行っていくとよいでしょう。授業以外の朝の会や帰りの会でも扱っていくと、インプットの時間が確保されると思います。
チャンツに出てこなかった単語はALTと一緒に練習しましょう。
出てこない単語→ glue stick, notebook, calendar, pencil sharpener, marker, magnet.
⑦カルタ
教師やALTが発音した単語を取るカルタ取りの活動です。
事前に教科書の巻末にあるカード、もしくは本記事のダウンロードを印刷したカードを切って準備をしておいてください。
- 単語で1枚取る→ペアを替えて何度か行う。
- 教師が2単語(pen, pencil)発音して、最大2枚取れる形にする(こうすることによってカードを取れる可能性が高まります)。
- 教師が3単語(pen, pencil, eraser)発音して、最大3枚取れる形にする(こうすることによってカードを取れる可能性が高まります)。
⑧集中力ゲーム
教師が言った単語を記憶して、順番にカードを並べるという単純な活動です。例えば教師が2つの文房具の新出単語を伝えるとします。
pen, eraser.
10秒ぐらい経ったら、言われた順番に児童にカードを並べさせます。ペアで行うと協力して取り組みます。まずは簡単な2単語から始められるようにスライドを作成してあります。全部でNo.1からNo.7まで用意してあるので実態に合わせて活用してください。
Let’s try 3 words.
magnet, notebook, marker.
10秒後にGo!と言ってカードを順番に並べさせます。
↑ここがポイントです。10秒程度待たせた方が、記憶をいろいろな方法で揺さぶれます。
その間に例えば What’s your name? と児童に質問したり、歌を短時間で歌ったりすることもできます。単純な活動ですが、児童はペアで協力して楽しんで取り組みます。
No.1. pen, pencil case
記憶を揺さぶる→児童にWhat’s your name? What’s his name? など質問してみる→Go!
No.2. notebook, ruler
記憶を揺さぶる→児童にWhat is the color of your mask? と何人かに聞いてみる→Go!
No.3. magnet, notebook, marker
記憶を揺さぶる→授業の最初でやったパチパチ4を少しだけ行う→Go!
No.4→glue stick, magnet, calendar
記憶を揺さぶる→How’s the weather? の歌を児童とアカペラで少し歌い、途中でGo!
No.5→eraser, pen, pencil case, pencil sharpener
記憶を揺さぶる→Head, shoulders, knees, and toesを児童とアカペラで少し歌い、途中でGo!
No.6→magnet, notebook, marker, eraser
記憶を揺さぶる→台風やハリケーンの音をスライドに入れてあるので再生し、ALTと手分けして児童の机の上のカードをすべてシャッフルする。
No.7→stapler, pencil sharpener, calendar, ruler, glue stick
記憶を揺さぶる→台風やハリケーンの音をスライドに入れてあるので再生し、ALTと手分けして児童の机の上のカードをすべてシャッフルする。
このような活動をする時も、意図的に教師が児童に「なぜこの活動をするのか」単元のゴールを振り返らせることも大切です。特に楽しい活動の場合は、児童が活動に夢中になってしまい、なぜその活動をするのか、なかなか意識できません。この授業のような活動においては、その活動の意味を児童と共有する必要があります。
⑨チャンツ
本時のはじめに行ったチャンツを同じように行いましょう。
⑩ふりかえり
本時のめあてから振り返りを行いましょう。
居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科准教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。
本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。
パワーポイント(スライド)ダウンロード
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構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子