低学年の配付物・提出物の上手な管理術|沼田晶弘の「教えて、ぬまっち!」
独自の学級経営&教科指導で子供たちのやる気を引き出す「ぬまっち」こと、沼田晶弘先生 。今回は、「低学年は、お便りなどの配付物を失くしてしまったり、連絡帳や宿題などの提出物の管理が大変です。効果的な管理方法はありますか?」という先生の質問に答えていただきました。
目次
連絡帳と連絡袋を使って確実に管理
低学年の場合は、配付物を子供が失くしてしまったり、提出物がバラバラで確認に手間取ってしまうことは多いよね。
ボクはどうしたら全員ちゃんとお便りを持ち帰り、提出物を子供たちが迷わず提出できるか考え、できるだけシンプルで確実に管理できる方法を取り入れているつもり。
まず、学校から各家庭に配付される「お便り」などの管理。
恐らく同様の管理方法を取り入れている人も多いと思うけれど、毎日帰りの会で、連絡帳に、今日あったこと、明日の持ち物、そして、今日配付したお便りは何枚なのか、を記入してもらうようにしている。
高学年ではここで終了だけれど、低学年は、ちゃんと記入できているかチェックすることが必要。
帰る前に、一人一人に自分が書いた連絡帳をもってきてもらい、内容をチェックする。
その際に、例えば連絡帳に「おてがみは2まい」と書いたのに、自分は1枚しかもっていないという子がいれば、チェックするときに「1枚しかありません」と報告させて、その場でお便りを渡し、すぐに連絡袋に入れさせるようにしている。
この「すぐに」が肝心だよね。
ボクは、お便りや手紙を配る前に、「お便りを配るから、連絡袋に入れる準備をしてね」と伝えて、先に連絡袋を準備させてからお便りを配付している。そして配付したらすぐに、その場で、連絡袋に入れさせるようにしているよ。
後で入れようと思っていると忘れてしまうからね。
提出物はできるだけ少なく、シンプルなシステムを
家庭で取り組ませる宿題や調べもの学習は、ずべて家庭学習用のノートに書かせるようにしている。
そしてその家庭学習用のノートは、毎日提出する日記帳、および連絡帳と併用している。
だから、子供たちは毎朝学校に来たら、その1冊を提出するだけでOKというシステムになっている。
話はそれるけれど、家庭学習ノート・日記・連絡帳を1冊にまとめたノートには、子供たちと一緒に「名前」をつけている。
ちなみに昨年度のクラスではみんなで話し合い、ノートに「マグロ」という名前をつけた。
「マグロ」の名前の由来は、もともと黒いノートを使っていたので、「真っ黒」という意味の「マグロ」。さらに、マグロは前にしか進まない性質をもっているので、「自分たちも止まらず前に進んでいく」という意味を込めた。
話を「提出物管理」に戻すと、ボクは子供たちに毎朝「マグロ出した?」と聞くだけで提出物の管理はおしまい。
「マグロ」は、意味調べや新聞オピニオンなど、すべての家庭学習の総称であり、 日記帳、連絡帳を兼ねたノートの名前だから、その一言で済む。
子供たちにとって覚えやすく実行しやすい、教師にとって手間がすくなく管理しやすいシステムはなんだろうと考えて「一冊化」にたどり着いたんだけど、「名前」を付けることで、愛着が増し、一人一人にとって、単なるシステムを超えた大事な一冊になっているよ。
ICTを活用するのも効果的
先週も述べたけれど、こうしたお便りや提出物の管理こそ、電子化されることで、無用な対応やトラブルが減ってくると思う。
アンケートや保護者会の出欠確認などは、電子化しているので、管理はだいぶ楽になったよ。
現在も、重要なお便りを配付した日には、メールやスマホアプリなどの連絡網ツールを使って連絡をするなど、ICTを活用することで効率化できていることは実感している。今後もより充実していくといいよね!
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沼田晶弘(ぬまたあきひろ)●1975年東京都生まれ。国立大学法人東京学芸大学附属世田谷小学校教諭。東京学芸大学教育学部卒業後、アメリカ・インディアナ州立ボールステイト大学大学院にて修士課程を修了。2006年から現職。著書に『板書で分かる世界一のクラスの作り方 ぬまっちの1年生奮闘記 』(中央公論新社)他。 沼田先生のオンラインサロンはこちら>> https://lounge.dmm.com/detail/2955/
取材・構成・文/出浦文絵