夏休み中に事前準備! 二学期リスタートに向けて

子供たちが学校に来たくなるような学級づくりのために、夏休み中に準備しておきたいことを紹介します。

執筆/北海道公立小学校教諭・山田洋一

やまだよういち・1969年北海道札幌市生まれ。教育研修サークル「北の教育文化フェスティバル」代表。日本学級経営学会理事。著書は『子どもの笑顔を取り戻す!「むずかしい学級」リカバリーガイド』(明治図書出版)など多数。

夏休み中に!リスタートに向けての事前準備

安心してリスタートをするために

夏休みの事前準備は、なんのために行うのでしょうか。その答えはとてもシンプルです。「子供たちが安心してリスタートできるようにするため」です。

大切なことは、その目的からぶれないことです。あまり難しく考えず、これから紹介する例を参考にしながら、各学級に合わせてアイデアを出してみましょう。

子供の記録・作品を見返す

担任教師は毎日子供を見ているので、意外にその成長に気付かない場合があります。

そこで、子供のこれまでの学習過程をよく見えるように工夫して、子供の成長に気付くようにしましょう。

まず、一学期に書き溜めた子供の記録を読み返してみましょう。記録を取って整理していた人は、もちろんその記録を見直します。

そうした記録がない人は、子供が書いた作文や生活科の観察シート、また図工の作品などでも結構です。

それらを複数点、時系列に並べて子供の変化を見えるようにします。

例えば、進級当初に書いた文字と夏休み前に書いた文字の字形に着目します。折れやはね、曲線のなめらかさなどはどうでしょうか。

せっかく時間的に余裕があるので、細部にこだわって見つめてみるとよいでしょう。

また、絵画や生活科の観察シートなども、同様に細部にこだわりながら見てみましょう。どの程度細部を詳しく描けているか、また興味や関心をもつ部分の変化などに着目します。

植物の観察などは、その葉の形に注目するだけではなく、周囲の「ギザギザ」や「表面の細い毛」などの描き方に注目してみます。

子供の言動の記録が残っている場合は、その子供の「同時間」の言動を比較してみるとよいでしょう。

「朝の時間」の準備の速さ、「休み時間」に遊んでいる友達の変化、「給食」のときの残食の量など、「同時間」での変化を見ることは、その子の成長への気付きにつながります。

当然と言えば当然ですが、そうして見付けたその子の成長は、夏休み明けに子供にしっかりと伝えるようにします。

「〇〇さん、一学期はすごく字が上手に書けるようになったよね」と言いながら、「ほら、見てみて」と、実際にその子の書いた字の変化を見せてあげましょう。

そして、「二学期も期待しているよ」と伝えるようにします。

その子にとっては、夏休みの間も担任が自分のことを気にかけてくれたことに気付くことになると同時に、今までの成長点を思い出すきっかけにもなることでしょう。

既習事項の掲示をする

一学期の学習内容に関して、夏休みの間に子供たちが十分に復習し、定着を図っていればよいのですが、現実には難しいでしょう。

算数科では夏休み前に学習したことを基礎として、さらに発展的な内容に取り組むように指導計画ができています。定着に課題がある子供たちは、不安なまま新たな内容を学習することになり、夏休み明け早々につまずくことになります。

担任教師のすべきことは、はっきりしています。子供たちのつまずきを予防し、安心して学習に取り組めるようにすることです。

長い夏休みですから、この機会に子供たちが安心して学習に取り組める掲示物を作成しましょう。

具体的には、一年生の算数科であれば、基礎的な四則計算の意味や手順などを、掲示物で示すことです。そして休み明け、全員に「いつでも、見てもいいよ」と伝えるようにします。すでに学習した漢字なども、全員から見える位置に掲示して、いつでも参照して使えるようにしてあげるとよいでしょう。

このような配慮をすると、「そんなことをしたら、学習内容が定着しないのではないか」と心配する先生方もいるかもしれません。 

しかし、漢字は何度も見ることによって定着が進みます。また、基礎的な計算も、何度も正しい方法で計算することによって、定着度合いが高まるので問題はありません。

「あたらしい」ってどう書くんだっけ…

掃除をして子供の様子をふり返る

最後に紹介したいのは、徹底的な掃除です。

きれいな教室に子供たちを迎え入れることは、教師や子供が心地のよいスタートが切れるというメリットがあります。さらに子供たちにとって大切な生活環境である教室が、どうであったのかをふり返る機会にもなります。

教室で一番汚れている場所はどこでしょうか。いつも給食台を置く場所の床でしょうか。ゴミ箱まわりでしょうか。それらが汚れているとしたら、その原因はなんでしょうか。

食器の戻し方が定着していないのでしょうか。給食を盛り付ける子供の数が不足していたのでしょうか。あるいは、掃除のちりとりの扱い方が上手ではないからでしょうか。そのようなことを考えながら掃除することは、次の指導を考えるヒントになります。

また、学級文庫が置いてある棚に、手垢汚れが付いていたら、それは本をたくさん読んでいるということの証です。

下駄箱は? 鞄を入れるロッカーの汚れは? 

それらが汚れていた場合、その原因がどこにあるのかを考えること。それが生活環境としての教室をふり返ることになるのです。

イラスト/藤井昌子

『教育技術 小一小二』2021年8/9月号より

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