マスクで子どもの表情がわからない…接し方に困っています【現場教師を悩ますもの】

「教師を支える会」を主宰する『現場教師の作戦参謀』こと諸富祥彦先生による人気連載です。教育現場の実状を説くとともに、現場教師の悩みやつらさを解決するヒントを、実例に即しつつ語っていただきます。
目次
【今回の悩み】マスク姿の子どもが「怒っている」ように見えます…
新型コロナ感染予防のため、マスクが手放せない日々が続いています。マスクをつけると子どもの表情や考えていることがわからず、子どもたちが「怒っている」ように見えます。接し方に自信が持てないです。
(小学校6年担任・40代女性)
マスクではやりづらい。保育園では0歳児に異変!?
マスクで表情が見えないから困る、という気持ちはよくわかります。私も高校でカウンセリングをしていると、生徒がマスクを付けているため、表情がわかりにくく、やりづらいです。
一方、Zoomでもカウンセリングしていますが、正直、リアルよりもこちらのほうがずっとカウンセリングがしやすいです。マスクで顔が見えない中、教育やカウンセリングの仕事をするのは困難だと言えます。
もっと困難なのが保育園です。保育園では0、1歳児を預かります。いつも一緒にいる先生の表情がマスクで見えないまま過ごしている子どもの様子は、例年とは明らかに違っているそうです。
そこで、ある保育園では先生がマスクを外して顔が見えるようにしたそうですが、新型コロナの変異株の感染拡大で、おそらくまたマスク生活に戻ってしまっていると思います。一体どうしたらいいのか、困った、という声が保育の現場から聞こえてきます。
大人が子供に表情を見せられないことは、子供の発達にも少なからず影響を及ぼすと考えられます。今後のことで言えば、コロナ禍の2020年に0歳児だった子どもが6年後、小学校に上がったときに、学級崩壊や不登校の増加など、これまでになかった世代的な大きな問題が出てくる「2026年問題」が起きる懸念があります。小学校の先生方は、これから6年後に訪れる状況に、身構えた方がいいでしょう。