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若手にどうアドバイスすべきか【現場教師を悩ますもの】

連載
諸富祥彦の「現場教師を悩ますもの」
特集
職員室の人間関係あるある:リアルな改善策を集めました!

「教師を支える会」代表

諸富祥彦

「教師を支える会」を主宰する“現場教師の作戦参謀”こと諸富祥彦先生による人気連載です。教育現場の実状を説くとともに、現場教師の悩みやつらさを解決するヒントを、実例に即しつつ語っていただきます。

【今回の悩み】若い先生が、経験者のアドバイスを聞き入れてくれません

「あなたと私は考え方が違うので」と若い子から言われてしまいました。伝わらない人に伝えようとしても疲れてしまいました。若い先生のやり方は、明らかに子供のためにならないのですが、放っておくしかありませんか?
(公立小学校教諭・40代、教職年数:15年)

若い世代に見られる「傷つきシンドローム」とは

今、学校だけでなく、企業や社会全体で大問題になっていることがあります。若い人の「傷つきやすさシンドローム」です。上からの立場でアドバイスをされることにすぐに傷つきやすいのです。「自分はマウントを取られた」「あの人がマウントを取ってきた」と言って、「傷ついた」「傷つけられた」という文脈でしか物事を見ることができない若い人が増えているのです。

これはSNSの影響だと思うのですが、私も悩まされています。若手のカウンセラーに少しアドバイスをしたときに、「マウントを取って来ないでください」と言われたことがあります。50代から見ると20代の人は、どう見ても未熟です。「あなたはまだ若いから、わからないかもしれないけれど」などと言ったら、これが「マウントを取った」ことになるらしいのです。「若いとか若くないは関係ないだろう」と。まいったなあと思いました。私は何もしゃべらない方がいいのでしょうか。正直言って、あまり関わりたくないなと思いました。

ですから、この40代の先生が若手にアドバイスしたということは、向こうにとっては「マウントを取ってきたな」としか映っていないでしょう。だから「先生と私は違います」「マウントを取らないでください」と返してきたのです。

この先生が、放っておくしかありませんか、と言われる気持ちはよくわかります。相手のためを思ってアドバイスしてあげても、向こうが受け取ってもらえないのであれば、そもそも、関わるのをやめにしたいなと思うでしょう。

社会に出て初めて困難に直面する今の若者

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