学級開きに使えるICTを活用した自己紹介アイデア|樋口綾香のGIGAスクールICT活用術⑦

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学級開き特集ー自己紹介・学級目標・保護者対応etc.ー
連載
板書や指導のコツを伝授!樋口綾香の「すてきやん通信」

大阪府公立小学校教諭

樋口綾香

Instagramでは1万人超えのフォロワーに支持され、多くの女性教師のロールモデルにもなっている樋口綾香先生による人気連載! 今回は、ICTを活用した、楽しさいっぱいの学級開きのアイデアを教えていただきました。

執筆/大阪府公立小学校教諭・樋口綾香

イラストAC

GIGAスクールのICT活用①~国語:季節の言葉~
GIGAスクールのICT活用②~国語:色カードで意思表示~
GIGAスクールのICT活用③~国語:楽しい宿題~
GIGAスクールのICT活用④~授業にちょこっとプラス~
GIGAスクールのICT活用⑤~1年生でもできる!~
GIGAスクールのICT活用⑥~便利機能で仕事効率化!~

使用タブレット:iPad
使用アプリ:ロイロノート、Keynote

学級開きにICTをプラス!

新年度が始まり、すぐにやってくる学級開き。みなさんは、学級開きでどんなことをしていますか。よく行われるのは、

  • 先生からの自己紹介
  • めざすクラス像
  • 目標
  • 子どもの自己紹介
  • クラスのルールづくり

などでしょうか。

これらの活動においてICTを活用することで、一人ひとりの個性を知ることができます。また、タブレット上に残せば、いつでも振り返ることができます。

先生の自己紹介から子どもたちの自己紹介へ

これまで私は、言葉と黒板を使って自己紹介をしてきました。このスタイルで自己紹介をすると、子どもたちからは、だいたい「速っ」という声が上がります。この反応を生かして、「私の特技は、黒板に字を速く綺麗に書くことです!」と自己紹介できます。

このように、自己紹介のスタイルが自分の特技や持ち味とつながる場合は変える必要はありませんが、今年度はタブレットが導入されています。先生からの自己紹介にタブレットを使い、同じように子どもたちもタブレットを使って自己紹介をするのはいかがでしょうか。

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低学年:写真にお絵かき

まだ、ひらがなを習っていない1年生でもできる活動です。

ロイロノートやミライシード、MetaMoji Noteなどの協働学習支援アプリを開き、カメラを使って写真をとります。

カメラは、内側のカメラを使うよう指示します。情報モラルとして、許可なく他の人を写してはいけないことも、このときに教えましょう。

撮った写真に、絵を書き込みます。

絵は、「好きな食べ物」や「好きな色」などテーマを与えると、共有する際に、一人ひとりの個性を映し出すことができるでしょう。

写真にお絵かき

中学年:スリーヒントクイズ

好きなものを当てるスリーヒントクイズを行います。

ヒントは3つまで出すことができます。

ヒントは、答えから遠いものから近いものの順で出すのがよいのですが、ヒントの出し方の理解が難しいため、先生の自己紹介をお手本にします。

先生の好きなくだものは、何でしょう。

3ヒントクイズ「すきなくだもの」
1つ目のヒント
たねがあります。
2つ目のヒント
かわがかたいです。
3つ目のヒント
黄みどり色です。
答は、メロンです。

先生が作ったものを子どもたちのタブレットに送り、それをテンプレートにして上書きします。

作業の速さには差が出るため、早く終わった子にはどんどん違うテーマでクイズをつくるように促します。

グループでクイズを出し合う時間をとり、最後に全体で交流します。

すると、すでに知っている子が、「あ!◯◯さんの好きなものだ!」と、スリーヒントクイズから、だれの好きなものかを当てるゲームに変化します。

子どもたち同士がつながりをつくっていくきっかけになるでしょう。

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高学年:プレゼンテーションアプリの活用

プレゼンテーションアプリを使って、自己紹介を行います。

まず、先生の自己紹介を、子どもたちが使うことを考え、使いやすいアプリを選んでつくります。

プレゼンテーションアプリは、次のようなものがおすすめです。

  • ロイロノート
  • Keynote
  • スライド(Google)
  • パワーポイント

これまでの学習で子どもたちが使っているものがあれば、そのアプリがよいでしょう。

先生の自己紹介(例はKeynoteで作成)

樋口綾香の取扱説明書
基本情報
誕生日など
(クラスのたえに)できることのお品書き
故障かな?と思ったら
白ごはんを食べさせて!

上の4枚を基本の自己紹介として配布して、子どもたちは上書きしながら作成します。

高学年になると、

「アニメーションをつけてもいいですか?」

「色を変えてもいいですか?」

「絵を入れてもいいですか?」

「僕はgoogleのスライドでつくってもいいですか?」

など、子どもたちが主体的に創意工夫をしようとします。

先生からの返事は、もちろん、「どんどん、やりましょう!」です。

ここで子どもたちのしたいことにストップをかけてしまうと、先生が子どもをコントロールしようしているようになってしまいます。

希望や期待でいっぱいの子どもたちが、これからのクラスが楽しくなるように、また、不安を抱えている子が安心できるように、テンプレートを与えながらも、自主性を尊重する声かけをしましょう。

作成したものは保存しておいて

ICTを活用して作成したものは残しておきましょう。すぐに取り出すことができ、複製することもできます。

学級がスタートする1日目につくったものを提出箱やフォルダに保存しておけば、学級を閉じる日にもう一度見返したり、文集に閉じたりして、みんなで成長を実感することができます。

1年間を見通して、ICTをうまく活用してみてください。

人物イラスト/横井智美


樋口綾香教諭

樋口 綾香

ひぐち・あやか。Instagramでは、ayaya_tとして、♯折り紙で学級づくり、♯構造的板書、♯国語で学級経営などを発信。著書に、『3年目教師 勝負の国語授業づくり』(明治図書出版)ほか。編著・共著多数。

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